金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

13

新聞購読のお申込み

ソディック 情報伝達の自動化、ハードつなげる提案も【特集:金型づくりを自動化する】

自動化の仕組みづくりを支援

ソディックはハードだけでなく、工程間のさまざまなデータをつなぐ自動化の仕組みづくりを提案している。その肝となるのが、加工や計測プロググラムなどの「情報伝達を自動化する」(プロダクションイノベーションセンターの津田裕樹センター長)ことだ。

QRコードをスキャンし、自動でプログラムを転送する

型彫放電の工程ではデータが散在してしまうことは多い。例えば、電極CAD、切削CAM、測定用、放電加工のプログラムなど異なる部署で作成するため、そのすり合わせ作業時に、ミスやロスが発生しやすい。

ソディックが提案する「工程間自動化ソリューション」では、こうした散在しがちなデータを集約し、放電加工の設計から加工、計測までをつなぎ、「情報伝達の自動化」を可能にする。

具体的には、シーメンスのCAD/CAM「NX」で、電極設計CAD、切削CAM、計測用CAM、放電加工条件の設定など放電加工に必要なデータを全て作成。そのデータ全てQRコードで紐づけする。

電極にQRコードを貼付し、ワークの高さを測れば、後工程のデータの流れは自動だ。マシニングセンタ(MC)による電極製作、電極の三次元計測、補正が必要な場合は自動で補正し、放電加工までを行う。

ここまでの一連のデータは全てQRコードで管理されているため、人が介在することがない。工程間の連携によるミスの削減や、すり合わせの無駄を省く。制御する仕組みは協力先のシステム会社のソフトを活用した。

要望に応じてハードの提案も行う

津田センター長は「データを自動でつなぐ仕組みを構築したうえで、ハードの自動化を考えるほうがいい」と話す。「ハードありきで考えると、投資負担も大きく、ロボットのスペースが取れないなどのさまざまな制約が発生しかねない」からだ。

こうした仕組みづくりだけでなく、要望があれば、ハードをつなげる自動化の提案も行う。MCや放電、三次元測定を協働ロボットとAMRでつなぐことも可能のほか、FMSのラインを構築することもサポ—トする。

「NXだけでなく、他のソフトで製作したデータや既存設備を使った連携もできるのが特長。今後はハードだけでなく、自動化の仕組みづくりの提案を強化していく」(津田センター長)。

金型しんぶん 2025年7月10日号

関連記事

久野金属工業 全業務の見える化でDX【特集:金型メーカーのコト売り戦略】

生産性向上やペーパーレス化 モノづくりのDX化が叫ばれて早数年、様々なデジタルサービスが開発されてきた。その中で、ひと際目を引いたのがプレス金型及びプレス加工を手掛ける久野金属工業(愛知県常滑市)とシステム開発のマイクロ…

カメラ内蔵金型による±5μm位置決めプレス サンコー技研【金型テクノラボ】

電子回路を組み込んだフィルム基板やICカードなどの精密打ち抜きで、大きな課題となるのが板材の位置決め。しかしプレス加工を手掛けるサンコー技研は、金型に内蔵したカメラとロボットにより±5μmの精度で位置決めしてプレス加工す…

鉄やアルミをマグネシウムに置き換え 藤岡エンジニアリングが進める軽量化提案

脱炭素社会に向けた取り組みがものづくりで加速し、金型業界でもその動きが広がりつつある。先手を打つ金型メーカーの対応には大きくは2つの方向性がある。一つは、太陽光パネルの設置や設備の省エネ化などによる自社の生産活動でCO2…

シー・アイ・エム総合研究所 Dr.工程とAIカメラを連携

作業実績の入力が不要に シー・アイ・エム総合研究所(東京都目黒区、03・5745・1181)はこのほど、作業実績などを自動で収集し、生産管理システムへ連携できるソリューション提案を開始。同社の工程管理システム「Dr.工程…

ダイジェット工業 高能率に肩削りできる刃先交換式カッタを発売

SIC‐EVO ダイジェット工業(大阪市平野区、06-6791-6781)は、片面2コーナーの三次元インサート使用により、切削抵抗を低減し切りくず排出性にも優れた肩削り加工用刃先交換式カッタ「SIC‐EVO(SSV形)」…

トピックス

AD

FARO スキャンしたらすぐに結果まで:工数低減を実現

金型のメンテナンス、修復、複製に3次元測定アームを活用 製品を製造するために欠かせない金型ですが、そのメンテナンスには多くの課題が存在します。金型は使用するうちに摩耗し、時... 続きを読む

関連サイト