金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

27

新聞購読のお申込み

ソディック 情報伝達の自動化、ハードつなげる提案も【特集:金型づくりを自動化する】

自動化の仕組みづくりを支援

ソディックはハードだけでなく、工程間のさまざまなデータをつなぐ自動化の仕組みづくりを提案している。その肝となるのが、加工や計測プロググラムなどの「情報伝達を自動化する」(プロダクションイノベーションセンターの津田裕樹センター長)ことだ。

QRコードをスキャンし、自動でプログラムを転送する

型彫放電の工程ではデータが散在してしまうことは多い。例えば、電極CAD、切削CAM、測定用、放電加工のプログラムなど異なる部署で作成するため、そのすり合わせ作業時に、ミスやロスが発生しやすい。

ソディックが提案する「工程間自動化ソリューション」では、こうした散在しがちなデータを集約し、放電加工の設計から加工、計測までをつなぎ、「情報伝達の自動化」を可能にする。

具体的には、シーメンスのCAD/CAM「NX」で、電極設計CAD、切削CAM、計測用CAM、放電加工条件の設定など放電加工に必要なデータを全て作成。そのデータ全てQRコードで紐づけする。

電極にQRコードを貼付し、ワークの高さを測れば、後工程のデータの流れは自動だ。マシニングセンタ(MC)による電極製作、電極の三次元計測、補正が必要な場合は自動で補正し、放電加工までを行う。

ここまでの一連のデータは全てQRコードで管理されているため、人が介在することがない。工程間の連携によるミスの削減や、すり合わせの無駄を省く。制御する仕組みは協力先のシステム会社のソフトを活用した。

要望に応じてハードの提案も行う

津田センター長は「データを自動でつなぐ仕組みを構築したうえで、ハードの自動化を考えるほうがいい」と話す。「ハードありきで考えると、投資負担も大きく、ロボットのスペースが取れないなどのさまざまな制約が発生しかねない」からだ。

こうした仕組みづくりだけでなく、要望があれば、ハードをつなげる自動化の提案も行う。MCや放電、三次元測定を協働ロボットとAMRでつなぐことも可能のほか、FMSのラインを構築することもサポ—トする。

「NXだけでなく、他のソフトで製作したデータや既存設備を使った連携もできるのが特長。今後はハードだけでなく、自動化の仕組みづくりの提案を強化していく」(津田センター長)。

金型しんぶん 2025年7月10日号

関連記事

ワークス 直径0.1㎜のガラスレンズ金型を開発

ワークス(福岡県遠賀町、093-291-1778)は、直径0・1㎜のガラスレンズ金型を開発した。独自の微細なナノ多結晶ダイヤモンド工具で加工し実現した。これまでの最小径は0.5㎜で、世界最小クラスという。従来は難しい超小…

4年ぶりの工作機械見本市「JIMTOF2022」開幕 見どころをピックアップ

国内最大の工作機械展いよいよ開幕!! 世界最大級の工作機械見本市「JIMTOF2022(第31回日本国際工作機械見本市)」が11月8日から13日までの6日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕する。主催は東京ビッグサ…

自ら商品を生み出す道に 山添重幸氏(かいわ社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められてい…

ミスミ 省スペース、耐屈曲性タイプのカートリッジヒータを発売

ミスミグループ本社(東京都文京区、03-5805-7050)はこのほど、省スペース、耐屈曲タイプのカートリッジヒーターを発売した。柔軟性と耐屈曲性に優れたリード線構造を採用し、断線リスクを低減。車の電動化などに伴う金型の…

高能率化と刃具寿命向上
エヌティーツール

スリムハイドロチャックブラスターシリーズ エヌティーツールの公式製品紹介は、こちらから 現場の課題  複雑な形状ワークや深掘加工では加工条件によりクーラント外掛けだけでは冷却が不十分になりがちという問題。 提案・効果  …

トピックス

関連サイト