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三豊機工 予圧状態可視化に挑戦
鍛造ダイスの寿命安定化へ
三豊機工(愛知県春日井市、0568・81・4111)は、鹿児島県工業技術センターの協力を得て、鍛造金型の予圧状態を高精度に可視化する技術開発に取り組んでいる。7月16日から東京ビッグサイトで開催される「MF‐TOKYO」で紹介する。

鍛造金型は、鍛造ダイスを補強リングに圧入することで、使用寿命を延ばす方法を採用している。圧入する鍛造ダイスの外径よりも補強リングの内径を小さくし、篏合面をオーバーラップさせて圧入する。成型時に鍛造ダイスの外に向かう成形応力と、補強リングの内向きの圧縮応力(予圧)が相殺されることで鍛造ダイスの破損を防ぐ仕組みだ。ところが、通常の1/10~1/15のショット数で鍛造ダイスが破損する場合がある。原因は予圧不足の可能性が疑われるのだが、予圧状態を知る術が無かったため、不可避なものとして見過ごされてきた。
今回、結果から原因(未知のパラメータ)を推定する逆解析手法を用いることで、予圧状態を高精度に、低コストで、簡単に可視化する技術の開発に目途を付けることができた。汎用性もあり、様々な場面に活用できる。
鍛造ダイスを補強リングに圧入することで発生する補強リングの微妙な樽状の膨らみに着目。補強リングの樽状の外径プロファイル実測値と解析の樽状プロファイルを比較し、逆解析による解析パラメータの最適化を行い、実測値に一致したところで終了。予圧状態を高精度に可視化できたことになる。
さらに、寿命データを集積し、使用可能寿命の上下限を規定する寿命データベースを作成。新たに製作した金型の寿命が良品範囲内にあるか否かを自動判定する良否判定システムも開発中。この予圧確認ツールの開発に成功すれば、圧入率の最適化を図ることができる。
これにより、金型ユーザーは、鍛造金型の早期破損を防ぐことが可能となり、コスト削減、非加工時間の短縮を実現することができる。
金型しんぶん2025年7月10日号
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