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小林工業 佐藤正樹新社長インタビュー、利益向上し夢を持てる会社に

粉末冶金金型メーカーの小林工業(秋田県由利本荘市)は、今年の6月に社長を交代。新社長として、佐藤正樹氏が就任した。佐藤社長に今の意気込みや注力していくこと、今後の目標などを聞いた。

―これまでの経歴を教えてください

代表取締役社長・佐藤正樹氏(以下、佐藤氏):高校を卒業後、小林工業に入社した。最初は切削加工などを手掛けており、その後、金型の仕上げに携わるようになった。キャリアとしては金型の仕上げが一番長い。勤続年数を重ね、製造部全体の管理をするようになり、製造部長として、現場を束ねる立場だった。

―今の意気込みを教えてください

佐藤氏:社員全員が夢をもてる会社にしたい。そのためには稼げる体制を作る必要がある。利益が上がれば、社員に還元できるので、良い人材も集まる。人材が集まることで新しい仕事を増やし、会社を大きくできる。このような良い循環を作ることができれば、会社に活気があふれ、自分の仕事に誇りと夢を持つことができるはずだ。

―利益を上げるため、何に取り組みますか

佐藤氏:自動車関連の仕事が減っているため、医療関連や理化学機器などの新しい仕事を開拓している最中だ。営業部門には引き合いがあれば、できるかどうかは二の次で、話を持ってくるように伝えている。すぐに利益を上げることは難しいが、新しい仕事に挑戦しなければ利益の減少が続く。今まで手掛けてこなかったプレス金型や精密部品加工など、自社の技術を活かしてできる仕事は全方位で取り組んでいく。

利益を上げるには、顧客が求める品質の金型を適切な価格で納めるのも重要だ。品質は高いに越したことはないが、顧客目線でいえば過剰品質である必要はない。技術交流などを通し、顧客とすり合わせすることで、適正な品質かつ適正価格の金型を提供するようにしたい。

―他に注力していくことはありますか

佐藤氏:当社の大きな課題が人材不足。若い技術者が減り、高齢化が進んでいる。今の技術力を維持するため、デジタル技術を活用し、技能伝承していく必要がある。加工の標準化や、熟練技能者の加工方法をアーカイブとして残すなど、できることから徐々に取り組んでいく。

また、将来的に人手が減ったとしても、今と同等の生産能力を維持できるようにしたい。デジタル技術を活用すれば、今より少ない人数で生産できる方法があると思う。三次元設計と図面レスにより、データだけで金型を作る試みはすでに始めている。今後、現場に人がいなくても遠隔で加工するといったことが可能かもしれない。今までの常識と異なる発想を持った若い人材が新しい製造方法を考えることに期待している。

―今後、中長期目線で考えている展開を教えてください。

佐藤氏:当社は金型とプレス機を販売しているが、モノを売るだけでは将来的に先細りする可能性がある。既存のモノづくりに加え、エンジニアリング機能を提供できればと考えている。新規産業の立ち上げがあった際、金型とプレス機の提供に加え、生産体制の構築、メンテナンスまでサポートできるようになりたい。 また、将来的には同業他社との協業も視野にいれる。例えば、九州地方の金型メーカーが東北地方の顧客に金型を納めている場合、メンテナンスは当社が協力できる。今後、1社単独で設備や人員を確保するのは難しくなるだろう。互いにメリットがある形で協業する体制を模索していきたい。

佐藤正樹(さとう・まさき)
1965年生まれ、秋田県出身。83年秋田県立仁加保高等学校を卒業後、小林工業入社。切削加工、金型仕上げを経て、2014年から製造部長。21年に取締役製造部長、25年6月社長に就任し、現在に至る。

金型しんぶん2025年10月10日号 

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