来年11月8~13日開催 日本工作機械工業会と東京ビッグサイト(東京都江東区)はこのほど、2022年11月8~13日に開く「第31回日本工作機械見本市(JIMTOF2022)」の開催概要を発表した。 東京ビッグサイト全展…
【速報】MF-TOKYO2025 機械メーカー6社が新製品、新提案
塑性加工技術の専門展示会「MF-TOKYO2025」が7/16から開催された。過去最多となる1736小間に271社・団体が出展。世界最速プレス機や、ICTの活用、専用機など多様な製品を出展したプレス機械メーカー6社の速報レポートを報告する。
アイダエンジニアリング
・円筒形電池ケース成形専用機「DIS-1600」


円筒形蓄電池ケース成形に特化した専用機。90SPM、ストローク230mmの高SPMとロングストロークを両立させた。高精度絞り加工が可能な金型を2列に並べることで、2列取り加工が可能となり、最大180SPMを実現する。
機械を制御するソフトウェアも更新。プレス機に取り付けられたセンサーの情報を基に、使用電力量やピーク荷重、温度管理、油流量などの情報を管理することができる。プレス機に異常が発生した際は、登録されたカメラにより、異常が発生した前後の動きを確認し、問題点の洗い出しに活用できる。ネットワーク回線を用意することで、事務所からの遠隔による状況確認も可能だ。
会場では、「プレス成形」から「製品の整列」、「協働ロボットによる箱詰め」、AMRによる「搬送」までの一連作業を披露した。
・角形電池ケース成形専用機「DPH-80-30」


角形蓄電池ケース成形に特化した横型成形機。同社が特許を持つ「アシスト絞り」により、絞り率の高い角絞りを実現。従来、数回に分けて絞り加工する必要があったが、1ストロークで成形が可能となる。これにより、従来10工程の作業を5工程に削減できる。
従来プレス機と比較し、低荷重、省エネルギーでの成形が可能。トランスファー装置も不要で、コンパクトかつ軽量サイズのため、設置も容易だ。
トリム加工機も合わせて展示した。角形電池ケースのカット面はフタ部分を溶接する面のため、段差をなくすことが求められる。同社はカット面の段差を防ぐ「よろめきトリム加工機」を開発。同製品はサーボモーターにより、カットダイスを連続した動作で駆動させ、1工程でのカットが可能。従来は2回に分けてカットし、切断部に段差が生じていたが、1カットの実現で段差の発生を防ぐ。
会場では、プレス成形後にロボットで取り出し、よろめきトリム加工機までスムーズに連携した作業を披露した。
・協働ハンドインダイロボット「A-1Y」

単発プレス加工を自動化するプレスメーカー発の協働ロボット。手押し台車に協働ロボットを載せ、プレス機に設置後、機械の起動まで実施可能だ。協働ロボットはダイレクトティーチング機能により、簡単に位置教示ができるため、誰でも容易に使うことができる。ワーク状態監視カメラで金型への着座確認を実施し、金型が所定の位置に固定されていない場合は加工を中止する。ロボットとPSDI(制御機能付光線式安全装置)制御機能を連携することで、接続用配線がない状態でもプレス起動が可能だ。会場では、AIカメラと連携したバラ積みピッキングなどを実演した。
アマダプレスシステム
・80SPMの高速レーザーマーキング

サーボプレス機「SDEW8010iⅢ」にファイバーレーザー加工機「ML-7350GL」を組み合わせ、80SPMのレーザーマーキングを提案した。サーボプレスとレーザーマーカーが連動し、6桁の数字を1製品ごとにマーキング。1ショット打つ度に数字のカウントが自動で追従していく。これにより、ロット単位で管理していた対象物に対し、より詳細なトレーサビリティの実施が可能だ。
従来、1ショット毎にレーザーマーキングする場合は、金型に印字をするための工夫が必要だったが、プレス機とレーザーマーカーの連動で実現した。
会場では、EV用封口板サンプルに6桁のレーザーマーキングした展示を行った。
・NCレベラフィーダ「LCC 06 PM5」

従来と比較し、メンテナンス性が大きく向上したレベラフィーダ。
従来機はメンテナンスする際、クレーンで吊り上げてロール開閉を行い清掃する必要があったため、段取り作業に時間がかかった。
「LCC 06 PM5」は油圧シリンダーを内蔵しており、制御画面から操作するだけで、ロール開閉が可能になった。そのため、クレーンが届かない場所に設置してもロールの清掃を簡単に行うことができる。また、ECO&SILENTリリース機構を搭載し、エア消費量を最大約59%削減する。
・高速タンデムプレスライン

プレス機3台と高速協調サーボロボット「RHQ120」を組み合わせ、高速タンデムプレスラインを披露した。ロボット間で協調制御しながらワーク搬送することで、ライン搬送スピードを更新。従来機でのタンデムラインと比較し、約40%生産タクトが向上する。
コマツ産機
・サーボプレス「H1F200-2アップグレード」

来月発売予定の新製品。モータ性能を向上させ、消費電力を従来機比6%削減した。メカプレスと比べるとさらに50%削減する。プレス速度は14%向上させた。新たに、±10kN以内で荷重(加圧力)を制御する荷重制御機能を追加。展示ブースでは燃料電池セパレータの加工デモを行い、精密加工に適した性能を訴求した。
また、ICT機能も強化。タッチパネルのサイズを従来機3倍に拡大し、視認性を向上。過重波形をモニター上で確認できるようにした。
・機械稼働管理システム「KOMTRAX(コムトラックス)」

2009年のリリース以来、初のフルリニューアル。デザインを刷新した他、見たい情報を1つの画面に表示するダッシュボード機能や、困りごとに対して自動回答するAI(人工知能)チャットボットなどを追加した。ダッシュボード機能は最大9つのグラフ・表を自由にカスタマイズし、一つの画面に表示できる。AIチャットボットは、データベース化した過去に発生した不具合やトラブル事例をもとに、AIが最適な回答を導き出す。2026年春リリースを予定している。
その他、「KOMTRAX」を活用したさまざまな機能を紹介していた。
一つが金型予知保全。プレス機の荷重データからパンチの摩耗を検出する技術を開発し、追加センサー不要で金型の状態を可視化することが可能となった。温度ドリフト(外部温度の変化による変動)による影響を補正する技術も開発し、より精度良くパンチの摩耗を可視化することができるようになった。プレス加工メーカーの加藤製作所(岐阜県可児市)と共同で開発した。
もう一つが、全ショットの荷重推移の可視化。成形荷重の推移はこれまで1日でしか見ることができなかったが、1ショットごとに確認できるようになった。また、指定した1ショットの荷重データから荷重波形を自動で生成し、荷重の分析も可能。製品不具合や金型異常の早期発見や、原因特定が可能となる。
「ICTを活用することでプレス機械の可能性はさらに広がる。お客さまと一緒に作り込み、発展させていきたい」(長利社長)
ニデックドライブテクノロジー
・リンクプレス「SX-8-360」

初披露した3000spmのリンクプレス。加圧能力は8tで電子部品やコネクタなどの小型部品向け。加工速度を上げることで、大型機が必要な多数個取りでの加工と同程度の生産性を確保でき、省スペース化を図ることができる。
・モータコア加工用プレス加工機「TVX-4000-430」(パネル展示)

ボルスタ(金型を固定する板)寸法4300㎜、加圧能力400tと同社最大。従来は3700mm、330tが最大だった。プランジャーを4本から5本に増設し、大型金型の高精度加工に対応した。モータコア形状の複雑化による金型の工程数の増加や、多列取りのニーズによって、大型機の需要が増している。
・機械の稼働状態を可視化する「ヘルスモニタ機能」

稼働状態を可視化する他、事前に設定した閾値を超えると、部品や金型の交換時期を通知してくれる機能なども搭載している。今後、AIを活用し、寿命予測などが可能な機能を開発していくとのこと。
放電精密加工研究所
・小型サーボプレス機「nano10」

全個体電池などの加圧試験機としての活用を提案した。全個体電池やリチウムイオン電池などは内部の破裂や漏れが発生しないか密着性を確認するために加圧試験を行う。この試験では電池の面全体に均一な圧力をかける必要がある。「nano10」は4軸駆動構造で、平行荷重制御が可能なため、均一な面圧をかけることが可能。テスト試験なども受け付けている。
山田ドビー
・高速プレス機「X2S-18」(コンセプト機)

世界最速 5000spmの高速プレス機。加圧能力は18t。これまでの最速は4000spm。ストローク長さ0~15㎜無段階で調整可能。サブミクロン単位での下死点調整機能により加工ばらつきの極小化を実現できる。大型機が必要な多数個取りでの加工と、同程度の生産性を確保でき、省スペース化を図ることができる。
・振動溶着機「MKS」

同社の高速プレス技術を応用して、部品同士をこすり合わせて摩擦熱で溶融させ接合する。デモでは、2500spmで樹脂部品をこすり合わせて接合していた。樹脂の他、金属などさまざまな部材の接合が可能。通常の振動溶着機に比べ、設備サイズは10分の1。静粛性にも優れる。
・油圧プレス機「KTN1000」(コンセプトモデル)

一昨年、グループ化したアサイ産業の油圧プレス機。新構造のスライドガイド方式により直角度(スライドが上下運動する際の垂直方向からのずれ)が従来の47μmから2μmに大幅に向上した。また、プレス機の全高も従来比43%減とした。
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