金型材の高硬度化で需要が高まっている「高硬度材向け切削工具」。メーカー各社は、独自の被膜を開発したり、刃形状を改良したり、より硬度の高い材料を精度良く、効率良く加工するための開発を続けている。進化を遂げる注目の高硬度材向…
冨士ダイス 加工性に優れた新材料を発売
超硬合金に近い耐摩耗性、レアメタルの使用量大幅削減
冨士ダイス(東京都大田区、03・3759・7181)はこのほど、新材料「サステロイ STN30」を発売した。コバルト、タングステンの使用量を9割削減。鋼程度の比重のため軽く、加工性に優れることに加え、超硬合金に近い耐摩耗性を実現した。
同社は2023年に「サステロイ ST60」を発売。超硬合金の特性を維持しながら、コバルト、タングステンの使用量を9割削減したが、加工性や耐摩耗性に課題があった。
ST60で課題だった加工性や耐摩耗性についてSTN30は改善。主成分にはニオブカーバイド(NbC)を採用した。非常に硬く、優れた耐摩耗性を持つ一方で、加工性にも優れる。研削加工では、汎用の超硬合金と同等の加工性を発揮し、放電加工も可能だ。

重量についても軽量化を実現。比重は超硬合金の約5分の3となり、鋼程度の軽さとした。軽量化により、装置への負荷を軽減し、取り扱いも容易だ。超硬合金と比べ、腐食もしにくく、耐食性も向上している。
さまざまな使用条件の中でも、混錬や粉砕の条件下で、高い耐摩耗性を発揮する。そのため、混錬工具や粉砕工具を主な用途として見込む。
また、販売方法について、篠宮護取締役は「材料単体での販売でなく、工具などの完成品として顧客に提案する」と話した。
同材料の開発背景の一つはレアメタル(希少金属)の調達リスクだ。レアメタルの主要産地である中国の輸出規制が強まった場合、超硬合金の原料粉末の入手が困難になり、納期の長期化などの懸念が出てくる。これらのリスクに対し、同材料は対応策の一つとなる。
今後について篠宮取締役は「顧客から出てくる課題やニーズに対し、カテゴリー別でラインアップを増やしていきたい」と話した。25年度の販売目標は1000万円としている。
金型しんぶん2026年1月10日号
関連記事
高精度と5軸で高度な金型培った技術生かし量産部品へ ゴム金型を主力に、月産30~40型を生産する富窪精機。試作用金型から量産用金型までトータルでサポートする。主要顧客は自動車の防振ゴムや吸気マニホールド、燃料ホースなど…
部品事業が好調を維持 鈴木の2021年7—12月期決算は、売上高117億4100万円(前年同期159億3100万円)となった。「収益認識に関する会計基準」の適用で、前期とは単純比較できないが、金型事業は低調な一方、部品事…
パンチ工業(東京都品川区、03-6893-8007)の2022年4‐9月期売上高は、11%増の216億6500万円だった。営業利益は13.1%減の15億3700万円で、原材料・資源価格の高騰が大きく影響し、増収減益となっ…
Youtubeなど情報発信 トグロンハードドリルなど高硬度材穴加工用工具で有名なイワタツール(名古屋市守山区、052−739-1090)は新型コロナウイルスの影響でユーザーへの技術支援が難しくなったことに対し、タブレッ…


