プレス・プラスチック用金型、量産、生産設備などを手掛ける山岡製作所。1938年に創業して以来、精密プレス加工を柱にさまざまな技術を培い、競争力を高めてきた。自動車や半導体・電子部品、医療関連などミクロンレベルの加工要求に…
ゼノー・テック AIで切削条件の選定支援【特集:尖った技術を使いこなせ】
最適な条件探索や人材育成
金型メーカーのゼノー・テックはC&Gシステムズ(CGS)の3次元CAD/CAM「CAMTOOL」の「AI切削条件決定支援システム」を活用し、最適な切削条件の探索や若手技能者の育成につなげている。同システムはCGSと岡山大学、モルディノ、ゼノー・テックと共同で開発した。
新しい被削材を加工する際、工具の回転数や送りなど切削条件の設定はベテラン技能者でも難しく、試行錯誤が必要となる。若手であればなおさらだ。「そのノウハウは記録した過去の切削条件などを使いながら教えているが、加工音など定性的な要素も多く難しい」(近藤隆太郎主席技師)。

その課題に対応したのが、4者で共同開発した「CAMTOOL」に実装している「AI切削条件決定支援システム」だ。モルディノが持つ工具情報や切削条件を基礎データとし、ユーザーが工具と被削材を指定することでAIシステムが適切な切削条件を導出する。なお、材料の物性値を入力することでカタログに未登録の被削材にも対応している。また、自社で蓄積した切削条件をフィードバックすることで独自の加工ノウハウの構築が可能だという。
AIの推奨条件について、近藤主席技師は「完璧でなくて十分」と話す。「若手が参考になればいい。ベテラン技術者でも、工具や被削材が進化する中で、100点の条件は出せない」(近藤氏)からだ。だが、若手の育成にとどまらず、100点を目指すための新たな条件の探索にもつなげている。

例えば、突出し量が長い加工では、安全を考慮し大きく切削条件を落とすのが一般的だ。突出し量15㎜で加工していた工具を37㎜に置き換えた際、AIは15㎜での加工時より10%だけ低い条件を提示してきた。加工すると削り残し20μm以下で従来と変わらなかったいう。「我々ではこれほど『攻めた』条件設定はしなかった。新たな気づきが得られた」(近藤氏)。この条件をAIにフィードバックし、さらなる切削条件のデータベース構築につなげる考えだ。
今後については「他のメーカーの工具にも適用範囲を広げていく予定だ。将来は切削条件だけでなく、工具の最適選定にまでつなげたい」(近藤氏)。
会社概要
- 本社:岡山県岡山市南区豊浜町12-8
- 電話:086・262・0294
- 代表者:岸本耕一社長
- 創業:1974年
- 従業員:163人(単体)
- 事業内容:粉末冶金金型、冷間鍛造、プレス金型の設計製作。
金型しんぶん2026年7月10日号
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