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チバダイスが基幹システム刷新 一気通貫で業務削減

プラスチック歯車の金型などを手掛けるチバダイス(東京都葛飾区、千葉英樹社長)はこのほど、基幹システムを刷新した。顧客管理(CRM)や生産管理、経理などの業務システムを連携。分断していた情報を一気通貫で共有し、無駄な間接業務を削減する。

刷新後は、システム間でのデータ連携が実現。CRMで見積もりした案件が受注に至ると、登録した図面や仕様などのデータはワンクリックで生産管理システムへ自動的に引き継がれる。従来は生産担当者へ仕事を手配する際、見積もり時に入力した情報を再度手入力していたが、この連携によって二重入力の手間がなくなった。また、CRMで見積もりした案件と生産管理システムの型番は自動で紐付くため、金型納品後の作業フローも簡潔。生産管理システム→CRM→経理に情報が流れ、対象案件の請求書発行までをスムーズに行える。「営業から生産、納品、請求書発行までの一覧の流れの間接業務時間が従来比で半分以下になると見込む。最終的には1/3にすることが目標だ。属人化をなくすため、技能承継も意識して作り込んだ」(千葉社長)。

刷新した基幹システムの全体像

商談ごとに顧客管理、見積もりの属人化を解消

CRMは会社単位でなく、商談ごとに管理できるのが特長だ。担当者や打ち合わせ履歴、メールのやり取りなどの全ての情報が商談ごとに紐づく仕組みとなり、全員が現在の状況を把握できる。「なぜこの価格にしたのか」といった見積もりの意図などが記録として残るため、属人化の解消にも役立つという。商談ごとに「タグ付け」し、情報を付与することも可能。基本的な情報から図面に載っていない業種などの情報まで、様々なタグを付与することで、探したい商談を簡単に見つけられるようになった。

CRMは担当者や打ち合わせ履歴、メールなどの全情報が商談ごとに紐づく

詳細な進捗状況を一目で把握、トラブル時のナレッジも蓄積

生産管理システムでは、誰が今何に着手しているかなど、画面を見れば一目で進捗状況が分かる。「一般的な生産管理システムでは、状況は分かっても、遅れている理由までは把握することが難しい。新システムでは、前工程待ちで着手できないといった理由も含め、詳細部分まで把握できるのが大きな利点だ」(千葉社長)。現場では、タブレット端末で作業の着手・完了をボタン一つで記録する。作業時間を手動で入力する手間が減るだけでなく、正確な作業時間が分かるようになった。

これに加え、加工不良や機械の故障など、現場で問題が起きた際は、「トラブルボタン」を押す仕組みを取り入れた。ボタンを押すだけで、工場長などの管理者にすぐ通知が届くため、早急な対応が取れるようになる。千葉社長は「口頭での報告が苦手な人もいるが、ボタンを押すだけであれば、ハードルが下がる」と話す。また、トラブルボタンを押した場合、問題が発生した原因や今後の対策などを記入後、次の作業に進む仕組みとした。これにより、トラブルの内容や対策のノウハウが会社のナレッジとして蓄積されていくのも特長だ。

作業工程を自動組立、定型パターンは工程登録不要

生産スケジュールの組み立ても効率化。従来は、10個の工程がある場合、その全てをExcelなどに書き出し、どの順番で進めるかを人が一つずつ考えて割り振っていた。新システムでは、案件ごとの納期や優先度をあらかじめ設定しておけば、システム側が自動的に順序を組み立て、その日にやるべき仕事を担当者に割り当ててくれる。人がやるべきことは、その割り当てが妥当かを確認したり、急な案件が発生した際に対応したりするだけになったという。「人が作業する前に考えたり、悩んだりする時間を極力なくすようにした」(千葉社長)。

工程登録を簡略化できる機能も取り入れた。以前は、決まったパターンの工程であっても、案件ごとに同じ設定を繰り返し入力する必要があり、手間がかかっていた。新システムでは、決まったパターンの工程を登録しておけば、ドラッグ&ドロップの操作だけで、自動的に入力される。また、同じ金型を製造する際も、その都度工程を作り直していたが、過去手がけた型番号を参照し、ドラッグ&ドロップするだけで、工程登録が手間なく完了するようになった。蓄積された工程登録データは、技能伝承の側面も持つ。「登録するデータが増えるにつれ、製造方法や手順などのノウハウが蓄積されていく。この金型の場合、この手順で作れば良いといったことが誰でも分かるようになっていく」(千葉社長)。

過去のプログラムや案件の履歴を辿れる機能も導入した。「何を参考に作られたかが分かるだけでなく、参考にした案件がさらに何を参考にしたか、といった過去の経緯を家系図のようにさかのぼって確認できる」(千葉社長)。

CRM、生産管理システムにAI機能搭載、社員がアプリ開発も

刷新したCRMや生産管理システムで収集したデータを基に、同社独自のAI(人工知能)機能を使用できる点も大きな特長だ。CRMに搭載されているAIは、蓄積された商談・見積もり情報や、案件ごとに付与された「タグ」を基に、類似案件を即座に検索することが可能。検索だけでなく、「このような案件も参考になります」といった提案もしてくれるという。ChatGPTやClaudeなどの生成AIと連携し、蓄積されたデータから、グラフ作成や資料をまとめることも可能だ。「人がデータを集計して、会議で発表していた内容も、今は自動的に表やグラフを表示できる」(千葉社長)。

生産管理システムにもAI機能を搭載。例えば、電極の高さはどれくらいで仕上げれば良いか?とAIに聞くと、過去の実績データに基づいた目安を答えてくれる。これに加え、電極加工に関連するファイルも提示してくれるという。動画データを保存しておけば、関連動画を紐づけることも可能だ。「めったに行わない難しい段取り作業などは録画しておくことで、熟練者の技術を残すことができる」(千葉社長)。

刷新した基幹システムでカバーできない領域の業務は、社員がClaudeを活用し、アプリを開発する。見積もりに必要な条件やオプションなどを選択すると、最終的な見積もり金額が自動的に算出できるアプリなど、必要に応じ、ツールを作成している。「従来はシステムベンダーに外注する必要があったが、自分達に合ったツールを自ら作成・改良できるようになった点は大きい。間接業務を削減した時間は、アプリ開発などにリソースを割き、さらなる業務改善を進めている」(千葉社長)。

今後はAIを金型作りの領域にも展開、AIの活用方法が重要なテーマに

同社は今後、加工条件や加工ノウハウなどのデータを蓄積し、AIを活用した金型作りの自動化を進めていく予定だ。その一方で、人の手だけで最初から最後まで完結させる仕事を意図的に残す方針も掲げる。「イメージとして、5型のうち1型は効率が悪くても人の手で作業し、スキルと知識を維持していく。全てをAIに任せてしまうと、なぜそれができるのかが誰にも分からなくなってしまう恐れがある」(千葉社長)。

千葉社長は近年のAIの進化の速さに目を見張る。「今は無理だと考えていることも、1年後には可能になっていても不思議ではない。AIの進化により、人員のリソースの割き方や働き方は今後変わっていくだろう。人間がやらないといけない領域を考え、AIをどのように活用するかが重要なテーマとなる」と話した。

会社概要

  • 本社:東京都葛飾区高砂1-26-2
  • 電話: 03-3696-4441
  • 代表者:千葉英樹社長
  • 設立: 1966年
  • 従業員:25人
  • 事業内容:歯車設計・製作、金型設計・製作など

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