コスト低減、用途開発進む 金型分野でも金属粉末を使った付加製造(AM)技術の活用が広がりつつある。背景には、装置を始めとしたAM技術の進化やユーザーの改善などによって、これまで課題とされていた製造コストが低下していること…
【特集】ダイカスト金型
アルミ使用量増加 構造部品など採用進む
北米のアルミニウム協会などの調査によると、自動車の1台当たりのアルミ使用量は軽量化のために増えていくという。プレスや押し出しもあり、アルミ=ダイカストと限らないが、アルミの動向はダイカスト型にとって影響は少なくない。では、何が増え、何が減るのか。同協会の資料や金型メーカーの声などをもとに動向を探る。
北米アルミニウム協会などの調査によると、2015年段階で、自動車1台あたりに使われているアルミ使用量は397ポンド(約178㎏)で、自動車重量の約10%。それが20年には、466ポンド(約209㎏)で、13%にまで増加するという。その先は複数のシナリオが考えられるが、アルミは増加する見込みだ。重要なのは、どんな部品が増えて、何が減るかだ。大きな成長を期待されている分野はフードやドアなど。同調査でも、使用されるアルミ全体の重量ベースで15年の7%から20年には13%と倍近くになるとみている。ただ、ここはプレス化が進む可能性が高い。プレス型大手のオギハラでも「アルミ用プレス型は増加する」とみている。
ダイカスト金型で増えそうなのがナックルなどの基幹構造部品だ。アルミ全体の重量ベースで15年は数%だったものが、20年には10%にまで増加するみている。既に、こうした動きに対応する金型メーカーも。ある大型ダイカスト型メーカーでは「電気自動車(EV)でも車体などで複雑な部品を一体成形する大型は増える。また、バッテリーカバーなどEV向けのダイカスト製品もある」とし、来年に工場を増設し、生産能力を1.5倍に引き上げるという。
一方で、エンジンは減少するのか。15年と20年を比較すると、割合は30%から24%に減少すると分析。ただ、比率は減るものの、アルミの採用率が増えるので重量ベースではほぼ横ばいだ。
しかし、今後どの程度減っていくのかについては、EVの普及などによって見通せない部分が多い。取材した多くの金型メーカーでも「世界的に自動車生産が増えるのでエンジン車も減らない」、「EV化が加速し、エンジンは減る」といった様々な意見が飛び交う。こうした不透明な状況でも、各社先手を打つ。大型を手掛ける金型メーカーでは「エンジンの減少も念頭に置きつつ、フレームなど増加が期待される分野に注力する」と話す。小型部品に強みを持つメーカーでも「ヒートシンクなど増えそうな分野や、他ユーザーに積極的に営業している」。また別のメーカーでは「自動車だけでなく、他分野のダイカスト製品に手を広げる」とし、各社マルチなシナリオで、将来への対応を進めている。
続きは金型新聞12月10日で
金型新聞 平成29年(2017年)12月10日号
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