金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

20

新聞購読のお申込み

【特集】ダイカスト金型
アルミ使用量増加 構造部品など採用進む

自動車1台あたりのアルミ使用量

 北米のアルミニウム協会などの調査によると、自動車の1台当たりのアルミ使用量は軽量化のために増えていくという。プレスや押し出しもあり、アルミ=ダイカストと限らないが、アルミの動向はダイカスト型にとって影響は少なくない。では、何が増え、何が減るのか。同協会の資料や金型メーカーの声などをもとに動向を探る。

大型アルミニウム合金ダイカスト

大型アルミニウム合金ダイカスト

 北米アルミニウム協会などの調査によると、2015年段階で、自動車1台あたりに使われているアルミ使用量は397ポンド(約178㎏)で、自動車重量の約10%。それが20年には、466ポンド(約209㎏)で、13%にまで増加するという。その先は複数のシナリオが考えられるが、アルミは増加する見込みだ。

 重要なのは、どんな部品が増えて、何が減るかだ。大きな成長を期待されている分野はフードやドアなど。同調査でも、使用されるアルミ全体の重量ベースで15年の7%から20年には13%と倍近くになるとみている。ただ、ここはプレス化が進む可能性が高い。プレス型大手のオギハラでも「アルミ用プレス型は増加する」とみている。

亜鉛合金ダイカスト

亜鉛合金ダイカスト

 ダイカスト金型で増えそうなのがナックルなどの基幹構造部品だ。アルミ全体の重量ベースで15年は数%だったものが、20年には10%にまで増加するみている。

 既に、こうした動きに対応する金型メーカーも。ある大型ダイカスト型メーカーでは「電気自動車(EV)でも車体などで複雑な部品を一体成形する大型は増える。また、バッテリーカバーなどEV向けのダイカスト製品もある」とし、来年に工場を増設し、生産能力を1.5倍に引き上げるという。

 一方で、エンジンは減少するのか。15年と20年を比較すると、割合は30%から24%に減少すると分析。ただ、比率は減るものの、アルミの採用率が増えるので重量ベースではほぼ横ばいだ。

アルミニウム合金ダイカスト

アルミニウム合金ダイカスト

 しかし、今後どの程度減っていくのかについては、EVの普及などによって見通せない部分が多い。取材した多くの金型メーカーでも「世界的に自動車生産が増えるのでエンジン車も減らない」、「EV化が加速し、エンジンは減る」といった様々な意見が飛び交う。

 こうした不透明な状況でも、各社先手を打つ。大型を手掛ける金型メーカーでは「エンジンの減少も念頭に置きつつ、フレームなど増加が期待される分野に注力する」と話す。小型部品に強みを持つメーカーでも「ヒートシンクなど増えそうな分野や、他ユーザーに積極的に営業している」。また別のメーカーでは「自動車だけでなく、他分野のダイカスト製品に手を広げる」とし、各社マルチなシナリオで、将来への対応を進めている。

  続きは金型新聞12月10日で  

金型新聞 平成29年(2017年)12月10日号

関連記事

田岡秀樹氏

【プレス型特集】
本田技研工業 田岡 秀樹氏に聞く
プレス型メーカーの目指すべき方向性

自分の強み生かす道を 本田技研工業 完成車新機種推進部 主任技師 田岡 秀樹氏に聞く 高級車か、低価格車か、2極化も 金型なくして新車開発ならず 自動運転、ライドシェア、電気自動車(EV)の進化―。自動車業界では急激な変…

【特集:技能レス5大テーマ】4.磨きレス

新被膜やPCDでサブミクロン 仕上げや組付けなど金型の品質を決める領域には人の手は欠かせない。磨き工程もその一つ。しかし、磨きには時間や人手がかかることから、できるだけ機械加工で追い込み、磨きを減らしたいという声は多い。…

金型メーカー座談会 若手経営者が語る<br>ー業界の魅力高めるためには 第三部ー

金型メーカー座談会 若手経営者が語る
ー業界の魅力高めるためには 第三部ー

人材育成の要諦 デジタルとアナログを融合 金型メーカー座談会 若手経営者が語るー業界の魅力高めるためには 第二部ー 最終回となる今回のテーマは「連携」と「人材育成」。戦略云々よりも、経営者同士の感性や考え方が合った連携の…

約40億円投じ新工場設立 超ハイテン技術を核に事業展開[プレス加工技術最前線]

自動車の電動化や軽量化ニーズの高まり、短納期化、熟練作業者の減少など、プレス加工を取り巻く環境は大きく変化している。プレス加工メーカーへの要求も高度化しており、これまで以上に技術革新を進め、変化するニーズに対応することが…

中辻金型工業 切削工具を自社開発

培った技術活かす 自動車の電動化、医療関連や半導体関連需要の拡大などで、国内のものづくり産業に求められるものも大きく変化している。自動車の電動化ではモータやバッテリーなどの電動化部品や材料置換による軽量化部品などが増えて…

トピックス

関連サイト