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FEBRUARY

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―成形をゆく―
ツルミプラ(大阪市鶴見区)

金型は射出成形の「命」
2色成形のパイオニア

 2色成形やエンプラ成形(エンジニアリングプラスチック)、スーパーエンプラ成形を得意技術にしている。また、近年はユーザーニーズに応じ、2次加工や組み立て、金属部品の取り付け(インサート成形)なども「喜んで」(安間正知会長)受け入れ、業種拡大を図っている。

常時取引するユーザーは、100社を超す。これは同業他社に比べ圧倒的に多く、材料も毎月数百種類に及び、1000点の成形品を納める。

その仕事量は、子会社まで含む従業員30人と協力会社を含む射出成形機30台で品質・納期・コストに応えるところにあり、安間会長曰く「こじんまりした企業」だが、「小さくてもキラリ光る会社」を目指すとしている。2色成形のパイオニア、多品種少量生産を志向するツルミプラを訪ねた。

自動化された2色成形機
自動化された2色成形機
2色成形品(ゴーグル、プラスチックニッパなど)
特意技術、高機能樹脂加工

 高度な射出成形技術を支える金型製作は、100%外注し、金型は全て社内外で「5000型預かっている」。

 「金型メーカー数社との長い付き合い」(安間会長)を聞くと、「自分は金属を加工する能力がない。また、内製すると修理工場になる可能性がある」と前置きし、「良い金型を管理すること。良い金型とは図面の要求事項を満たし、トラブルのない成形ができ、なおかつ製品の品質が安定している」ことに尽きるときっぱり。

 また、「金型を射出成形の命」としている。金型の出来栄えで製品の良し悪しが決まるからで、金型メーカーの選定は、「製品サイズ、形状、外観レベル、寸法精度などユーザーの要求レベル」で決める。

また、自社技術は「金型の構成(パーティングライン)や突出し位置、ゲート位置の確認」など金型製作のノウハウに特化するところに置いている。

型内組立ての自動車内装品
型内組立ての自動車内装品
スーパーエンプラの医療機器

創業時の苦労
 創業は、1962年。日本経済が高度経済成長の第1期と第2期の谷間、その転換期の時だった。「総合樹脂メーカーが暇になり、思う存分仕事ができなくなった」ことが独立の背中を押した。もう一つは、「工場は綺麗でないが、外注先の社長がクラウンに乗って会社にくる。頑張れば車が買える」ことが起業を強くした。

 「3年半勤めた会社を卒業し、父親に30万円を出してもらい射出成形機1台を購入。家の花畑に15㎡のトタン屋根の小屋を建てた」のがスタートだった。まさか、現在の会社規模まで来ることは予想もしていなかった。

 最初の成形品は、お菓子のおまけ付きフィギヤ。次第に欲が出て来て、自動車内装品の灰皿の蓋を成形する。大手企業が受けない半自動のインサート成形品も受ける。「人の倍働き、人の倍給料を取ること」を目指した。20年くらい毎月200時間は残業をした。

守ったことは、「納期通りにきっちり納める」。真面目にやっていれば、面白いように儲かることはなかったが、高度経済成長の波に乗った。工場を拡大する、射出成形機を1台、1台と増やしていった。

2色成形例
 2色成形品が、売上高の50%超しを占めている。自動車部品から携帯端末部品、最近は医療機器部品、スポーツ用品など多種多彩な成形加工実績を上げている。

 2色成形とは、異なる材質の製品を1工程で合体させる。あるいは塗装や印刷のように有機溶射を使用せず、マークや文字を表現する技術。2色成形機は120t4台、200t3台の計7台を有する。

 導入して約18年、2色成形のパイオニアとして、ノウハウを蓄積し、最近では各種エラストマー(ゴム弾性を持つ熱可塑性プラスチック)との2色成形や自動車のヒータコントロールのスイッチノブ(夜間にノブのシンボルマークが光る光透過型ノブ)なども行っている。

 また、工具のグリップにPP×エラストマーを使用し、手触りが良く、作業性も抜群でスマートなデザイン製工具を納品している。

 スーパーエンプラのPES成形(ポリエーテルサルホン)やPPS成形(ポリフェニレンサルファイド)、PSF成形(ポリサルホン)の需要も多くなっている。

 PES(樹脂温度360℃カラ80℃、金型温度150℃~190℃)は、琥珀色の強靭性に優れ、寸法安定性と熱水生を有し、無機酸に対する耐薬品性を併せ持っており、医療器などに使われている。月平均約400㎏の使用は、断トツの実績である。

 ますます高機能樹脂が求められる時代、ツルミプラの更なる出番が待っている。


会社メモ

写真1.安間正知会長_R
安間会長

住 所:大阪市鶴見区鶴見1-6-95
創 業:1962年10月
設 立:1970年4月
資本金:3,000万円
従業員数:30人
社長:安間正晃氏、会長:安間正知氏
事業内容:自動車内外装及び電装部品、携帯端末部品、家電・音響部品、電子機器部品、OA部品、電器絶縁部品、機械部品、医療器用部品、文具、工具、プラスチックボール、水回り部品など多数。
主要製品:2色成形、エンプラ成形、スーパーエンプラ成形、異材質成形、インサート成形、2次加工(印刷、塗装、メッキ、切削加工、超音波加工など)。
子会社:ワイム(鶴見区今津北5-1-10)


金型新聞 平成27年(2015年)6月4日号

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