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がんばれ!日本の金型産業特集
光金型製作所 光久 一広 専務

10tクラスの金型を製造
写真①_R
トライ&メンテの少ない金型

「ある自動車用ユニット部品の金型構造は複雑で、最初は赤字だった」と光久専務は話す。
創業時パナソニックやシャープなど弱電メーカーの樹脂金型を製作し成長してきた同社は長年培った金型技術を自動車関係に活かし受注を伸ばしている。自動車関係の他社が製作しづらい製品に対し、真摯に取り組む姿勢が顧客から評価され、継続した受注につながった。その1つが自動車用ユニット部品だ。
この自動車用ユニット部品は主に中国、中東向けに需要があり、国内では各自動車メーカーが輸出車にユニット部品を備え付ける。この金型は4~6tクラスで、同クラスの金型を製造できる企業が減り、同社が請け負った。「最初は断るつもりだった」と光久専務。同製品は成形条件・冷却条件によって、変形が多く、修正・改造を頻繁に行う、いわゆる「手間のかかる」金型。内部構造が複雑で穴加工が非常に多く、一つの穴精度が狂うとバリの原因、一か所に高温ガスが溜まると金型が溶けるなどゲート孔の位置調整も含めトライ&メンテナンスを頻繁に行う必要があった。「CAEの予測と私の予測がよく食い違い大変だった」と完成に半年以上を要した。
継続は力なりという。数回金型製作後、ノウハウも蓄積され修正も減った。今ではトライ回数は半減している。「大型の国内金型需要は高まっているが、土日返上のコツコツとしたサービス精神も大切」と、顧客に喜ばれる金型メーカーを目指す。

写真②_R
考える力と冒険心

「人材で一番大切なのは自分がどうやって楽をしたいかを考えること」と光久専務は金型製作に携わる人材に必要な能力を表現した。
現場7人で金型を製造していくのは大変な作業。高卒などの新入社員はまず組立からスタートする。金型に必要な部品、公差など構造を理解することに重点を置いた教育だ。金型の製作の流れ、構造を理解すれば、機械加工担当になった場合に後工程で手間を省くためにどうすべきか知識を習得できる。「現状仕上げ担当は1人しかおらず、忙しくなれば機械担当が助けるようにしている」と多能工を育成しながら、チームワークで仕事をこなす。
「多能工を育成していくことは今後通常になっていくだろう」と、同社のような小人数の現場体制なら各人が何でもこなせることが大前提だろう。さらに工程を短縮するには、各自の考える力を養うことが必要だ。「当社にはマニュアルがないので、仕事の段取りなどは各自が考えて行う」とし、工程の入れ替え、組み替えを柔軟に行える裁量権もあり、自由度、冒険心を重んじる。「ISOを導入する企業は増えたが、責任者が明確になり、ものづくりの現場で冒険心が減っている」とものづくりの情勢を嘆きつつ、“そうはなるまい”とする光久専務の思いが伝わる。「課題はどう若手人材を確保するか」。募集しても、なかなか応募が集まらない現状を打ち破ろうと考えている。


光久専務_R
会社メモ

代表者=光久 広海社長
創業=1961年
資本金=2500万円
所在地=兵庫県伊丹市森本7-141
従業員数=10人
事業内容=プラスチック射出成形用金型設計製造(家電製品・自動車部品など10tまで製造可能)
電話=072・775・0589
FAX=072・775・0794
ホームページ=www.hikarimold.com/
E-mail: info@hikarimold.com
その他フェイスブック(http://www.facebook.com/hikarikanagata)などに掲載。
主要設備=マシニングセンタV77L(牧野フライス製作所)など2台、NC倣いフライス(牧野フライス製作所)など計7台、NCフライスなど型彫NC放電加工機(ソディック)2台、ワイヤー放電加工機(ソディック)、平面研削盤(日立精工)、3次元CAD/CAM(日本ユニシス、ヴェロジャパン、セスクワなど)。


金型新聞 平成27年(2015年)3月10日号

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