金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

25

新聞購読のお申込み

がんばれ!日本の金型産業特集
東洋ガラス機械  五味淵 忠 社長

プラ容器金型の技術集団
技術_R
独自の表面処理で特殊形状の金型も

東洋ガラス機械は東洋製罐グループの東洋ガラスの子会社で、ガラスびん用金型やプラスチックボトル用金型などを手掛けるメーカーだ。金型のほか、成形機械などの製造・販売もしており、「包装容器において、幅広い提案ができる技術力が強み」と五味淵忠社長は話す。
技術力とは、「顧客のあらゆる要求に対して応えられる」ことだ。プラスチック金型事業部長の足立伸雄氏は「ペットボトルの形状が複雑になってきているが、当社はどんな形状の金型でも製造できる」と強調する。それを実現するひとつが表面処理の内製化だ。凹凸が多い複雑な形状は離型性が悪く、サンドブラストなどで表面処理を施す必要があり、包装容器の金型には高い面品位が求められるため独自の技術やノウハウが必要となる。内製する高い表面処理技術を活かし、デザイン性の高い特殊な形状の金型製造に力を入れ、少量の成形品も製造するなど高付加価値化を図っている。
また、加工技術の機械化・自動化を進めている。ガラス金型事業部長の松尾秀則氏は「熟練工が減っているので、従来手作業で行っていた磨きなどをしなくていいように機械加工を行ない、製品のバラつきを無くしている」と話す。今春には、1チャッキングで全加工ができるAPC搭載の複合加工機を導入した。自動化を図り、生産性を向上することで、納期やコストに対して柔軟に対応ができる。技術や納期などあらゆる要求に応え、常に顧客の立場に立った金型づくりを目指している。

人_R
多能工化し、考え行動する人材を

「多能工化し、自分で考えて行動できる人材を育成している」と話す五味淵社長。そうするのは、時代の流れからだ。五味淵社長は「同じものを作り続ける時代は終わり、今は多品種少ロット生産といわれるように、多種多様な製品づくりが求められている」。こうした製品づくりを実現するには、様々な機械を扱え、幅広い作業ができる人材が必要となる。ただ、多能工化をするには、「難しい時代になっているのも事実だ」という。多様化しすぎて、常に違う仕事を行い、ひとつひとつの工程を覚えきれずに別のステップに進み、なかなか技術やノウハウが身につかない。そうした問題があるからこそ、「基礎知識の充実」と「OJT」に力を入れる。「基礎知識の充実」では、例えば機械加工担当者に、位置決めの仕方はもちろん、その重要性など基礎的な知識から徹底して伝える。また、実務の中でノウハウや技術を習得させるために、ベテラン従業員とペアを組ませるなど「OJT」を積極的に取り入れ、根気強く育成を行う。
そのほか、会社全体が一つの方向性を持って仕事に取り組めるようにと、品質管理や環境活動などにも力を入れている。作業現場の掲示板に活動の目標や進捗状況を掲示し、従業員一人一人が常に取り組むべきことを意識させ、自分で考えて行動のできる人材を育成する。
こうした取り組みによって、多能工で自ら考え行動できる人材を育て、あらゆる要望に対して応えられる高いレベルの技術集団を目指していく。

五味淵忠社長_R
会社メモ

代表者=代表取締役社長 五味淵忠氏
創立=1959年
所在地=神奈川県横浜市旭区川井本町76
TEL=045・953・8831
FAX=045・953・5137
URL=http://www.tgmm.co.jp/
資本金=1億円
従業員数=139人
事業内容=ガラス容器、プラスチック容器などの意匠設計、金型設計、金型製造販売。びん、プラスチック容器などの製造用機械の設計、製造販売など。
主な設備=NC旋盤25台、立型マシニングセンタ13台、高速マシニングセンタ11台、表面処理装置7台、複合旋盤6台、プラノミラー3台、NC放電加工機3台、NC横フライス2台、NC彫刻機2台、NC立フライス、ワイヤーカット各1台など。

金型新聞 平成26年(2014年)10月20日号

関連記事

この人に聞く
ニチダイ 伊藤 直紀 副社長

 冷間鍛造金型などを手掛けるニチダイは2018年3月期、目標としていた売上高150億円を超え、19年3月期には売上高174億円と過去最高を更新。だが、昨年から続く米中貿易摩擦や新型コロナウィルスの感染拡大に加え、主要顧客…

【ひと】住友電工焼結合金金型開発室長 ・栢野正治さん 技能検定への功労が瑞宝単光章に

技能検定に挑む技術者の目は普段のそれと輝きが異なるという。レベルの違う課題に出会い、技術の海の広さと、自らを知る。「受検者のそうした『成長』の一端に携われることが嬉しい」。 岡山県の技能検定委員として機械加工や放電加工を…

2023年9月金型生産実績 前年同月比29.4%減の245億円

プレス用金型は49.7%減、プラ用金型は14.8%減 2023年9月の金型生産は、前年同月比29.4%減の245億円と大幅に前年を下回った。前月比では1.7%の微増。数量は前年同月比8.5%減、前月比では11.4%の増と…

金型経営者アンケート 次の10年を勝ち残るために取り組むこととは?【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

自動車の電動化などによる金型需要の変化、少子高齢化による人手不足、アディティブ・マニファクチャリング(AM=付加製造)を始めとした新たな製造技術や技術革新―。金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型…

南海モルディ 新型プランジャーシステム開発

成形不良を防ぎ、製品寿命4倍向上 南海モルディ(大阪府堺市堺区、072・233・1525)は、ダイカスト成形用の新型プランジャーシステム「MOHF(モフ)」を開発した。従来比で約4倍(同社調べ)の製品寿命を実現。カジリや…

トピックス

関連サイト