金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

22

新聞購読のお申込み

リョーエイ ダイカスト向け離型剤塗布システムを開発

産業用設備の設計・製作やアルミダイカスト製品の検査サービスを手掛けるリョーエイ(愛知県豊田市、0565-29-6060)はダイカスト向け離型剤塗布システムである「小型エコスプレーシステム」を開発した。従来システムより離型剤の塗布量を削減し、金型にムラなく均一に塗布することで、コスト削減や環境に配慮したカーボンニュートラルに貢献する。

従来の連続スプレー式は離型剤の塗布を阻害するライデンフロスト現象により、大量の離型剤の塗布が必要になったが、同システムは噴霧と空気を同時に高速で吹き付けるパルス方式を採用し、離型剤の使用量を従来比2/3に低減できるほか、飛沫削減により作業環境の改善や廃液処理といったリスクも低減できる。また、圧送装置、制御盤、スプレーカセットと部品点数も少なくコンパクトな設計で、省スペース化や低コストで導入できる。ノズルは最大8本まで搭載でき、ニーズに応じてノズル先端形状やパルスパターンの変更も可能だ。

同社はこれまで離型剤使用量を低減する「パルススプレーシステム」を開発。自動車メーカーを中心に累計300台以上を販売。2015年にはトヨタ自動車の技術開発賞を受賞した実績を持つ。昨今はカーボンニュートラルなど環境改善や生産性向上のニーズが高まり、コンパクトかつ環境改善につながる同システムを開発した。

今後は自動車のEV化に伴い、モータやインバータケースなど150~800tクラスの中・小型のダイカスト部品の需要が高まると言われる。営業部の野口吉敬係長は「標準品だけでなく、ロボットによる自動化や導入前シミュレーションなどオプションも豊富に揃えており、需要が高まるダイカスト部品の生産ラインへ提案を強化したい」と話す。初年度の販売目標は10台としている。

金型新聞 2022年8月10日

関連記事

【金型テクノラボ】金沢大学設計製造技術研究所 金属3Dプリンタによる離型剤浸透金型の製作

金属3Dプリンタを用いた金型製作は、冷却水管の自由設計や複合工作機械による製造工程の短縮など、航空宇宙や医療と並ぶ3Dプリンタの特長が活かせる有力な分野だ。本稿では、3Dプリンタによる微細穴の造形技術を応用し、内部から離…

糸引き防ぎ、成形効率向上
フィーサ

シャットオフノズル 40年ぶりフルモデルチェンジ  フィーサ(東京都大田区、03・3754・0661)はこのほど、射出成形時の「糸引き」や「タレ落ち」を防ぐ「プラゲートシャットオフノズル」を40年ぶりにフルモデルチェンジ…

プロトラブズ 切削加工の当日出荷を開始

オンデマンド受託製造を手掛けるプロトラブズ(神奈川県座間市、046-203-9100)はこのほど、CNC切削加工サービスで「当日出荷オプション」の提供を開始した。これまで標準3日、最短翌日だった出荷をさらに短縮する。 午…

日立金属 ハイテン向け冷間金型用鋼を量産化

被削性3.5倍に 日立金属(東京都港区、03-6774-3001)はこのほど、被削性を従来品よりも約3.5倍に高めた冷間ダイス鋼「SLD‐f」を開発、8月から量産を開始した。自動車部品のハイテン化が進む中、金型の寿命向上…

C&Gシステムズ CAM-TOOL新版の販売開始

AIで切削条件を決定支援 C&Gシステムズは4月、AI技術でマシニングセンタの切削条件の決定を支援する機能を持つ、CAD/CAM「CAM-TOOL」の新版「V20・1」の販売を開始する。熟練ノウハウが必要な工具や…

トピックス

関連サイト