金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

30

新聞購読のお申込み

金型が足りない?

電機など国内回帰
需要増、生産能力オーバー

 2015年の工業統計(品目編)によると、金型出荷額は前年比で3・5%伸び、リーマンショック後と比べても15%増加するなど回復を示している。だが、20年間でみるとピークだった98年の7割弱でしかない。

それでも景況に明るさが感じられるのは、事業所も同程度減り、需給バランスが改善しているからだ。しかし、国内回帰も言われるなかで、事業所の減少は、潜在的に金型が足りないという別の問題も生まれさせかねない。将来的に高品質の金型を供給し続けることが課題となる可能性もある。

金型の出荷額・事業所数 20年の推移
金型の出荷額・事業所数 20年の推移(工業統計)

生産額20年前の7割

 2015年の金型出荷額は1兆2284億円と前年比で3・5%伸びた。1兆627億円だったリーマンショック前と比べても15%増加しており、地道に回復を続けている。

 しかし回復しているとはいえ、過去20年で見ると戻っているとは言い難い。いまだにピークの1998年の1兆8672億円と比べると66%でしかない。この20年で業界はどう変わったか。

 節目は大きく2つあった。ITバブル崩壊とリーマンショックだ。ITバブル崩壊は01年。景気減速の直接的な影響もあったが、電機メーカーを中心に海外展開が始まり、金型メーカーも海外に目を向けざるを得なくなったのもこの時期だ。

 そして、世界が一変した08年のリーマンショック。金型は5割近くまで一気に減少した。円高が続き、海外移転も活発になったこともあり、プラスチック金型はいまだにピーク時の半分強にとどまっている。

 それだけ市場が縮小しても、最近忙しいという声が増えている要因のひとつは、事業所も同程度減っているからだ。98年は8743あったが、13年には5494で、67%にまで減少した。需要に合わせて供給も減ってきたのだ。今後さらに国内回帰が進み、需要が増えれば景況感は良くなる可能性は高い。

 しかし事業所の減少は供給能力の低下を意味し、潜在的には高品質な金型不足という別の問題も生まれつつある。

実際に全ての型種ではないが、一部の大型金型などでは世界中で金型メーカーの取り合いが起きている。今年の金型展で金型を探し回るユーザー企業が多かったのもその兆候かもしれない。ただ「自社の加工技術を高められる金型を探しに来た」という来場者もいたようにどんな金型でも良いわけではない。

 国内回帰といっても全ての金型が戻ることはないだろう。しかし、高品質な日本の金型が足りなくことも考えられ、将来的には安定した供給力を維持することが課題となる可能性もある。

金型新聞 平成27年(2015年)6月4日号

関連記事

1月の金型生産実績

1月の金型生産実績

前年同月比 7.1%増の309億1,900万円 プレス型は14.1%増、プラ型は1.9%増 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による2016年1月の金型生産実績をまとめた。それによ…

【金型生産実績】2021年3月 0.1%増の417億4,200万円

プレス型は3.5%増、プラ型は6.9%増 2021年3月の金型生産は、前年同月比0.1%増の417億4,200万円となった。前月比では62.4%増と大きく伸長した。数量は前年同月比0.6%増、前月比では12.3%の大幅増…

2023年1月金型生産実績 前年同月比 5.7%増の286億8,400万円

プレス用金型は4.5%増、プラ用金型は10.9%増 2023年1月の金型生産は、前年同月比5.7%増の286億8,400万円、前月比では14.2%の減少となった。数量は前年同月比43.4%増、前月比でも21.1%増の4万…

12月金型生産実績 前年同月比 6.6%増の334億2,900万円

プレス用金型は5.3%増、プラ用金型は21.2%増 2022年12月の金型生産は、前年同月比6.6%増の334億2,900万円、前月比でも14.0%の増加となった。数量は前年同月比7.6%減、前月比でも8.8%減の4万4…

2023年6月金型生産実績 前年同月比 10.0%減の259億4,000万円

プレス用金型は15.3%減、プラ用金型は13.8%減 2023年6月の金型生産は、前年同月比10.0%減の259億4,000万円、前月比では6.0%の増加となった。数量は前年同月比7.2%増、前月比では22.3%の大幅増…

トピックス

関連サイト