課題はさらなる顧客開拓 金型新聞はこのほど、国内の金型メーカー112社に「足元の業況と未来を拓く次の一手」についてアンケート調査を実施した。その結果、60%を超す会社が、自動車業界の好調などを背景に、好調だったリーマン…
金型が足りない?
2015年の工業統計(品目編)によると、金型出荷額は前年比で3・5%伸び、リーマンショック後と比べても15%増加するなど回復を示している。だが、20年間でみるとピークだった98年の7割弱でしかない。
それでも景況に明るさが感じられるのは、事業所も同程度減り、需給バランスが改善しているからだ。しかし、国内回帰も言われるなかで、事業所の減少は、潜在的に金型が足りないという別の問題も生まれさせかねない。将来的に高品質の金型を供給し続けることが課題となる可能性もある。
2015年の金型出荷額は1兆2284億円と前年比で3・5%伸びた。1兆627億円だったリーマンショック前と比べても15%増加しており、地道に回復を続けている。
しかし回復しているとはいえ、過去20年で見ると戻っているとは言い難い。いまだにピークの1998年の1兆8672億円と比べると66%でしかない。この20年で業界はどう変わったか。
節目は大きく2つあった。ITバブル崩壊とリーマンショックだ。ITバブル崩壊は01年。景気減速の直接的な影響もあったが、電機メーカーを中心に海外展開が始まり、金型メーカーも海外に目を向けざるを得なくなったのもこの時期だ。
そして、世界が一変した08年のリーマンショック。金型は5割近くまで一気に減少した。円高が続き、海外移転も活発になったこともあり、プラスチック金型はいまだにピーク時の半分強にとどまっている。
それだけ市場が縮小しても、最近忙しいという声が増えている要因のひとつは、事業所も同程度減っているからだ。98年は8743あったが、13年には5494で、67%にまで減少した。需要に合わせて供給も減ってきたのだ。今後さらに国内回帰が進み、需要が増えれば景況感は良くなる可能性は高い。
しかし事業所の減少は供給能力の低下を意味し、潜在的には高品質な金型不足という別の問題も生まれつつある。
実際に全ての型種ではないが、一部の大型金型などでは世界中で金型メーカーの取り合いが起きている。今年の金型展で金型を探し回るユーザー企業が多かったのもその兆候かもしれない。ただ「自社の加工技術を高められる金型を探しに来た」という来場者もいたようにどんな金型でも良いわけではない。
国内回帰といっても全ての金型が戻ることはないだろう。しかし、高品質な日本の金型が足りなくことも考えられ、将来的には安定した供給力を維持することが課題となる可能性もある。
金型新聞 平成27年(2015年)6月4日号
関連記事
100年に一度の変革期と言われる自動車業界。それを語るときに欠かせないキーワードが「CASE」だ。「C=コネクテッド(つながる)」、「A=オートノマス(自動運転)」、「S=シェア(共有)」、「E=エレクトリック(電動化…
プレス用金型は2.5%増、プラ用金型は15.6%増 2022年7月の金型生産は、前年同月比3.5%増の304億2,800万円となった。前月比では4.7%増。数量は前年同月比12.8%減、前月比でも10.7%減の3万4,5…
プレス型は30.6%減、プラ型は9.2%減 2020年10月の金型生産は、前年同月比24.3%減の259億8,000万円と大幅に減少した。前月比でも16.7%の減少。数量は前年同月比2.8%減の4万1,617組、重量は…
需要戻り、社数減少 金型業界に激震が走ったリーマン・ショック(2008年)から約8年半経ち、金型メーカーの業績が回復している。自動車や半導体向けの需要が回復した一方で社数が減り、勝ち残った会社に仕事が集まっている。ただ…

