生産性高める技術提案 シナジー生むプロ集団に 昨年10月、兄の憲一会長から経営のバトンを受け継いだ。歯車などの精密冷間鍛造金型を手掛けるアカマツフォーシスが取り引きするのは、自動車部品などのメーカー。「金型を通じて顧客…
―スペシャリスト―吉備NCグループ
極める精密放電
障害者を技術訓練±1ミクロンの要望に応える手掛ける領域「何でも」
手掛ける領域「何でも」
経済産業省の統計によると、2013年の金型メーカーの事業所は15年前に比べ、6割強の8000社程度にまで減っている。金型の供給力低下も問題だが、それ以上に金型メーカーが困っているのが、協力先や外注先が減っていることだ。なかでも「精密加工の外注先となると余計に少ない」と嘆く声も多い。吉備NC能力開発センターを中核とする吉備NCグループは、放電加工のスペシャリストとして、精密部品に圧倒的な強みを持ち、金型メーカーのパートナーとして、複雑で高度な部品加工の要求に応えている。

特長は±1μmの加工精度に応える加工技術もさることながら、請け負う部品の多様さだ。噴射ノズル、ガスタービンの部品、順送プレスやゴム金型部品など何でも作る。
片山雅博社長も「サイズの規制がない限り、無理難題はなんでも聞く」と話す。その技術力の高さは広く認められており、大手電機メーカーや重工メーカーなど、全国から仕事を受注している。同社に放電加工機を販売するソディックの久田展生岡山営業所長は「放電のプロの我々から見ても治具の使い方など加工ノウハウは凄い」と技術の高さを認める。
同社には放電加工のスペシャリスト以外にもう一つの「顔」がある。それは社名に能力開発とあるように訓練施設であることだ。同社は1982年、身体障害者に先端技術習得訓練を行うことを目的に設立された第三セクターで、「先端技術を障害者に教えるセンターとしては国内初だった」(片山社長)という。
設立時から生産加工部門と訓練部門を持つ。生産加工部門は前述のように精密加工を強みとする。一方、訓練部門は、CAD/CAM科と精密加工科に分かれており、2年間かけて障害者に先端技術を教える。これまで30年で80人以上を産業界に送り出している。
1988年には「育成した人材の雇用先も必要」との考えから、放電加工を強みとする「オーニック」を設立。その後オーニックの子会社として、磨き加工などを行う「岡山ハーモニー」を立ち上げており、グループ全体で運営を進めている。


現在、3社合計の売上高は約4億円で収益性も高い。片山社長は「当社の目的は障害者の育成だが、当然手段としてお金も稼がなくてはならない」。第三セクターでありながら、収益性への意識が高いのも「民間企業はシビアで動きが早い。常に新しい情報や社会とダイレクトに接する必要がある」という、片山社長の言葉からもうかがえる。さらに同社の場合、そうした顧客企業は訓練生の受け入れ先ともなりえる。
最近では、金属3Dプリンタも導入し、放電や研磨だけでなく最新のものづくりを学べる体制も強化している。今後について片山社長は言う。「最先端のものづくりを学びたいという障害者を今以上に一人でも多く受け入れたい。そして、社会に出て活躍して欲しい」。
金型新聞 平成28年(2016年)2月10日号
関連記事
特殊鋼材料の販売や金型のメンテナンスを手掛ける商社の南海モルディ(22年9月に南海鋼材から社名変更)は、オリジナル製品「予熱くん」や「肉盛りくん」を開発、販売し好評を得ている。 「予熱くん」は、製造前の金型予熱、焼き嵌め…
米に工場、生産力強化 自動車ボディ向けプレス金型を手掛けるオギハラの社長が今年1月に交代した。新社長はアメリカ現地法人副社長の長谷川和夫氏。製造部門を経験し、長く海外畑を歩み、海外自動車メーカーの金型調達や開発にも携わ…
冷間鍛造金型などを手掛けるニチダイは2018年3月期、目標としていた売上高150億円を超え、19年3月期には売上高174億円と過去最高を更新。だが、昨年から続く米中貿易摩擦や新型コロナウィルスの感染拡大に加え、主要顧客…
粉末冶金金型メーカーの小林工業(秋田県由利本荘市)は、今年の6月に社長を交代。新社長として、佐藤正樹氏が就任した。佐藤社長に今の意気込みや注力していくこと、今後の目標などを聞いた。 ―これまでの経歴を教えてください 代表…
