金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

21

新聞購読のお申込み

入野機工が内面研削の新機種を発売

初心者でも使い易い汎用機

内面研削盤メーカーの入野機工(埼玉県川口市、046・874・7444)はこのほど、「汎用精密内面研削盤IIGシリーズ」を発売した。累積販売台数が3100台超の実績を誇る「YIGシリーズ」をリニューアル。ミクロン単位の高精度加工が可能なことに加え、タッチパネル式制御盤やドレッサー装置のデジタル位置決め機能などを標準搭載し、使い勝手を向上させた。

同製品は、三菱電機のシーケンサーを搭載し、タッチパネルから直感的に操作できる。熟練者でないと難しい汎用機の操作をデジタル化することで、初心者でも分かりやすい設計とした。切り込み位置と電流値のログを残すことができるため、生産管理や品質管理で必要なログ保存も可能だ。

 

また、ドレッサー位置と砥石の位置決めが1ミクロン単位で簡単に調整できる。手作業で目盛り設定を行う際、バックラッシュによるハンドル数値との誤差をなくすことが難しく、調整作業には熟練者の技能が必要だった。しかしドレッサー装置のデジタル位置決め機能により、ボタンを押すだけで誰でも簡単に位置決めができる。

砥石軸インバーターも搭載。砥石軸の回転スピードを調整し、最適な砥石軸の回転数を探りながら研削できる。

「YIGシリーズ」は、ミクロン単位の高精度加工が可能で、超硬などの難削材加工に適している。自動車部品や産業用機械、航空機産業など幅広い用途で利用されており、特に歯車メーカーでの導入実績が多い。一方で熟練者以外が使うには、ハードルが高い汎用機だった。「未来にこの機械を残すため、デジタル機能などを標準搭載し、若い世代にも使ってもらえるようにした」(入野紀子社長)。

今後について入野社長は「NC機能を搭載した内面研削盤のラインアップを増やす予定だ。ロボットと組み合わせた自動化で、大量生産にも対応できるようにしたい」と話した。

金型新聞 2023年8月10日

関連記事

主軸アンバランスの原因解明と対策【金型テクノラボ】

工作機械主軸(スピンドル)のアンバランスは、機械全体に大きな振動をもたらし、加工精度の悪化や機械寿命の低下などさまざまなトラブルにつながる。そのため、加工現場の多くはバランサを用いて、アンバランス量を計測し、補正を行って…

金属3Dの新技術開発 大型部品の造形可能に
 三菱重工工作機械

加工条件を最適化  三菱重工グループの三菱重工工作機械(滋賀県栗東市、077・553・7700)はこのほど、金属3Dプリンタに関する新技術を開発したと発表した。自動で最適な造形条件を最適化できるほか、チャンバー不要で大型…

【金型テクノラボ】オートフォームジャパン ロバスト性の高いシミュレーション技術

製品の開発サイクルが短くなる中、シミュレーション技術に注目が集まっている。不具合を事前に予測でき、部品や金型の短納期化やコスト削減を実現できるからだ。中でも、量産時のパラメータ変動を考慮したシミュレーション手法であるRE…

瑞穂工業 SurmoX処理を販売

摩擦低減で長寿命化 超硬合金・工具メーカーの瑞穂工業(大阪市西淀川区、06・6471・4721)は独自の超硬合金への表面改質技術である「SurmoX処理」を販売している。冷間鍛造金型や伸線ダイスなどの長寿命化や粉末成形金…

阪村エンジニアリング 鏡面加工のロボシステムを販売

多品種少量生産向け 冷間鍛造金型を製造する阪村エンジニアリング(京都市伏見区、075-631-5560)は、鏡面加工のロボットシステムの販売を始めた。協働ロボットとブラスト機を活用し、従来の手仕上げによる研磨工程を自動化…

トピックス

AD

FARO 樹脂成型品や自動車シートの測定での3次元測定アームの活用と新製品Qua...

樹脂成型品の工程管理・不具合解析 樹脂成型品の工程管理や不具合解析の現場では、実際の製品や試作品と設計図との差異把握や、製品や金型の工程ごとの変化量把握、不具合解析や要因分... 続きを読む

関連サイト