金型加工技術の専門展示会「インターモールド2022」(主催:日本金型工業会)が4月20~23日、インテックス大阪(大阪市住之江区)で開催された。金型づくりの課題を解決する技術を探したり知見を広げたりしようと、4日間で金型…
がんばれ!日本の金型産業特集
名神精工 入野 晃一 社長
面白い金型(もの)を考えられる企業に
商品化まで可能な金型企業を目指す
「これからは自分たちで考えて金型を作っていかないと海外との競争には勝てない」と警鐘を鳴らす入野晃一社長は5年前にアイフォーンケースの自社商品化を目指し、翌年開発を成功させた。
同社は重量10tクラスの金型を製造し、主に自動車用のインパネ関連部品や内外装部品を手掛けていたが、自動車関連の受注が低下し、次世代を見据えた金型技術の開発に迫られた。「アイフォーンケースは時代のキーワードで、数年前まで中国製が高い値段で売られていた」と開発の経緯を説明し、ケース作成に着手。開発に必要な金型技術、成形技術を磨くなど技術向上に励み、「他社との差別化が必要だった。商品のデザイン性や筐体の割れにくさ、傷のつきにくい金型に取り組んだ」と金型加工では磨きを入れた1~2μの鏡面性に加え、厚肉成形技術を習得。ケースの枠の太さが部分的に異なるデザインに対し成形不良をなくすクール&ヒート成形を用い、成形時に起こりやすいウェルドレス化を実現させた。「製品の厚みが増すとヒケが起こりやすい」といった難題もクリア。ケース裏のデザインは漆職人とコラボレーションした日本風で白鳥が飛ぶ装飾のアイフォーンケースが誕生した。「商品化によりベンチャー企業からも技術的相談を持ちかけられる。直接声が聞けると金型の価値を高められる」。次なる開発を案件に取り組みながら、新たな金型技術の開発を目指す。
金型を変えていく創造性
「自分たちで考えて、金型を変えていかなければ海外との競争では勝てない」。入野社長が思い描く企業像は『面白い金型が作れる会社』で、考えて工夫し、これまで作ったことがなかった商品開発と、その商品を生み出す金型技術の向上との面でシナジー効果を生み出し、「自分たちが作っている物に対し、面白さややりがい。誇りを見つけてほしい」という。アイフォーンケースの商品開発もその一環で、若い社員も増えた今、平均年齢が30代に。若い社員が仕事でやりがいを感じるには常に新しいことに挑戦していかなければならない。「金型に対する要望として、短納期化、高品質は当たり前で珍しくないし、面白くない。そこと差別化しなくてはならない」。
そこで組織体制を変え、IT事業を立ち上げた。生産現場とは異なり、将来的な商品開発などの案件を探し、5~10年先の将来を見据えた活動を行う。「現場は現実、開発は夢だと思う。トヨタ自動車もシリコンバレーでAI(人工知能)に投資をしている」と、二つの部門を切り離して考え、独自の役割に集中する体制を構築した。
「グループ化、企業間ネットワークという考えはとても重要だ。現代はデザイナー主体の商品化が進んでいる。金型屋が自社商品を作るにしても外部のデザイナーと組んだりするなど、すべて自社で完結する必要はなく、柔軟性が求められる」と語る。すでに、いくつかの開発案件が進んでいるという同社だが、次はどんな商品を企画し、新たな金型を生み出していくのか注目だ。
会社メモ
代表者=入野 晃一社長
創立=1979年
本社住所=愛知県一宮市西萩原字若宮前98-1
海外拠点=中国(上海)
電話=0586・69・7571
FAX=0586・69・1304
URL=http://www.meishin-s.co.jp/
事業内容=プラスチック金型設計製造、小ロット成形、商品開発・販売、金型情報管理システムなど
従業員数=50人
主な設備=同時4軸横型マシニングセンタ(牧野フライス製作所A61)、立形マシニングセンタ(V-77)、そのほか立形マシニングセンタ(牧野フライス製作所、ファナックなど)、グラファイト電極加工機(牧野フライス製作所)、ワイヤーカット・放電加工機(ソディック)、CAD/CAM(倉敷機械、C&Gシステムズ、日本ユニシス、ダッソー・システムズなど)、射出成型機(名機製作所など)。
金型新聞 平成28年(2016年)7月4日号
関連記事
第28回日本国際工作機械見本市 機械、工具の最新技術一堂 「日本国際工作機械見本市(JIMTOF2016)」が東京都江東区の東京ビッグサイトで、11月17日に開幕する。出展者数は969社で、5518小間と過去最大での開催…
技術とその価値を理解し市場を創る人を育成企業と共に未来考える場に 三条市立大学は、4月に開学した、技術とマネジメントに特化した一学部一学科で「創造性豊かなテクノロジスト」の育成を目的としています。その定義は、技術が生み出…
手掛ける業種増やし、事業拡大 鋳造金型メーカーの田口型範(埼玉県川口市)は昨年12月、金属加工メーカーの最上製作所(埼玉県八潮市)を買収した。最上製作所は日用品や食品などに使われる紙箱を製造する機械の部品加工を主に手掛け…
金型の知的財産権、いわゆる特許、著作権問題は10年以上前より日本金型工業会でも対応を検討してきた。背景には金型図面あるいは加工データの流出にある。金型発注企業からメンテナンスなどを理由に金型図面や加工データの提出を要求さ…


