金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

17

新聞購読のお申込み

がんばれ!日本の金型産業特集
名神精工 入野 晃一 社長

面白い金型(もの)を考えられる企業に

商品化まで可能な金型企業を目指す

名神精工 技術 「これからは自分たちで考えて金型を作っていかないと海外との競争には勝てない」と警鐘を鳴らす入野晃一社長は5年前にアイフォーンケースの自社商品化を目指し、翌年開発を成功させた。

同社は重量10tクラスの金型を製造し、主に自動車用のインパネ関連部品や内外装部品を手掛けていたが、自動車関連の受注が低下し、次世代を見据えた金型技術の開発に迫られた。「アイフォーンケースは時代のキーワードで、数年前まで中国製が高い値段で売られていた」と開発の経緯を説明し、ケース作成に着手。開発に必要な金型技術、成形技術を磨くなど技術向上に励み、「他社との差別化が必要だった。商品のデザイン性や筐体の割れにくさ、傷のつきにくい金型に取り組んだ」と金型加工では磨きを入れた1~2μの鏡面性に加え、厚肉成形技術を習得。ケースの枠の太さが部分的に異なるデザインに対し成形不良をなくすクール&ヒート成形を用い、成形時に起こりやすいウェルドレス化を実現させた。「製品の厚みが増すとヒケが起こりやすい」といった難題もクリア。ケース裏のデザインは漆職人とコラボレーションした日本風で白鳥が飛ぶ装飾のアイフォーンケースが誕生した。「商品化によりベンチャー企業からも技術的相談を持ちかけられる。直接声が聞けると金型の価値を高められる」。次なる開発を案件に取り組みながら、新たな金型技術の開発を目指す。

金型を変えていく創造性

名神精工 人 「自分たちで考えて、金型を変えていかなければ海外との競争では勝てない」。入野社長が思い描く企業像は『面白い金型が作れる会社』で、考えて工夫し、これまで作ったことがなかった商品開発と、その商品を生み出す金型技術の向上との面でシナジー効果を生み出し、「自分たちが作っている物に対し、面白さややりがい。誇りを見つけてほしい」という。アイフォーンケースの商品開発もその一環で、若い社員も増えた今、平均年齢が30代に。若い社員が仕事でやりがいを感じるには常に新しいことに挑戦していかなければならない。「金型に対する要望として、短納期化、高品質は当たり前で珍しくないし、面白くない。そこと差別化しなくてはならない」。

そこで組織体制を変え、IT事業を立ち上げた。生産現場とは異なり、将来的な商品開発などの案件を探し、5~10年先の将来を見据えた活動を行う。「現場は現実、開発は夢だと思う。トヨタ自動車もシリコンバレーでAI(人工知能)に投資をしている」と、二つの部門を切り離して考え、独自の役割に集中する体制を構築した。

「グループ化、企業間ネットワークという考えはとても重要だ。現代はデザイナー主体の商品化が進んでいる。金型屋が自社商品を作るにしても外部のデザイナーと組んだりするなど、すべて自社で完結する必要はなく、柔軟性が求められる」と語る。すでに、いくつかの開発案件が進んでいるという同社だが、次はどんな商品を企画し、新たな金型を生み出していくのか注目だ。


会社メモ

代表者=入野 晃一社長
創立=1979年
本社住所=愛知県一宮市西萩原字若宮前98-1
海外拠点=中国(上海)
電話=0586・69・7571
FAX=0586・69・1304
URLhttp://www.meishin-s.co.jp/
事業内容=プラスチック金型設計製造、小ロット成形、商品開発・販売、金型情報管理システムなど
従業員数=50人
主な設備=同時4軸横型マシニングセンタ(牧野フライス製作所A61)、立形マシニングセンタ(V-77)、そのほか立形マシニングセンタ(牧野フライス製作所、ファナックなど)、グラファイト電極加工機(牧野フライス製作所)、ワイヤーカット・放電加工機(ソディック)、CAD/CAM(倉敷機械、C&Gシステムズ、日本ユニシス、ダッソー・システムズなど)、射出成型機(名機製作所など)。


金型新聞 平成28年(2016年)7月4日号

関連記事

「計測、CAD/CAM、CAE技術生かし、DX化を推進」Hexagon先端技術開発室・立石源治室長【この人に聞く】

Hexagon(東京都千代田、03-6275-0870)は、計測やCAE、CAD/CAM技術を生かして製造プロセスのDX化を推進する「Smart Manufacturing(スマートマニュファクチャリング)ソリューション…

ミスミグループ本社 ガス抜き部品を強化

樹脂の高機能化に対応 無料モニターキャンペーンも  ミスミグループ本社(東京都文京区、03-5805-7050)がガス抜き部品の品揃えを強化している。3年ほど前から取り組み始め、「フィルター付きピン」や「スリット入れ子」…

藤本敏樹氏著「金型産業連関表作成の試み」

金型の現状、データで俯瞰 日本の金型の動きを統計データに基づいて分析した論述は少なくない。そのデータベースとしてたびたび使われるのは政府が日本の金型生産をまとめた機械統計(従業員30人以上を対象に調査)や工業統計(同4人…

サンワ金型 量試一貫のサポート体制構築【金型の底力】

シェアリングで新たなモノづくりを プレス金型やプラスチック金型などを手掛けるサンワ金型は同じく安城市内に新工場を建設し、11月に稼働する予定だ。同社はプレスやプラスチック金型で培った高硬度材加工や3次元形状加工を強みに、…

【金型応援隊】植田機械 オンリーワンのヒントに出会う場に

オンリーワンのヒントに出会う場に  「来場者が未来を切り拓く技術に出会える場にしたい」と話すのは、金型設備総合商社・植田機械の植田修平社長。来年1月28~29日にインテックス大阪で開催する工作機械総合展示会「UMモールド…

トピックス

関連サイト