金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

06

新聞購読のお申込み

福井精機工業がPC付MCなど6台設備

樹脂リテーナー金型を柱

丸モノ・角モノ 何でも挑戦!

 「丸モノ金型」の福井精機工業(大阪市大正区)は昨年10月、パレットチャンジャ―付き立形マシニングセンタなど6台を設備し、新たな挑戦に入った。主力のトヨタ自動車グループ、ジェイテクトの樹脂リテーナー金型生産が好調で、「老朽化が進み生産性の悪い機械をパレットチェンジャー付きMC機2台はじめ放電加工機2台、NC旋盤、汎用旋盤などの最新鋭機に入れ替えた」(山下喜久雄社長)。山下社長の次期青写真が描かれていた。

パレットチェンジャー付きMC

パレットチェンジャー付きMC

 数年前から山下社長は、毎朝実行していることがある。朝礼をした後、30人の従業員と“ハイタッチ“をしながら「今日も頼むぞ!」と声を掛けて回る。動機は、年々、金型生産が増え「従業員の安全と髙品質を保つ」ところにある。

 同社は、「丸モノ」部品を得意とする。車のパワステアリング用トルクセンサ部品、ベアリング樹脂保持具、アイドリングストップ用電動ポンプはじめ産業用ロボット、建設機械、文具など丸は多岐にわたる。主力は、トヨタ自動車グループのジェイテクトのベアリング用樹脂リテーナー金型。売上の約5割強を占めるほどジェイテクトの信頼が高い。

 今回、同社が「さらなる品質を高め、顧客に安心してもらえる体制を整えた」(山下社長)のは、海外向け金型が急増していること。金型の増産や効率を上げるだけでなく、ジェイテクトの世界12カ国の生産拠点の現地従業員に使い易い金型を供給するボルトの取り付け取外しを写真で見せるなど「微に入り細に入った」(清水一蔵専務)マニュアルを作成し、分かりやすくした。さらには測定データーを付ける、成形品も付ける、メンテナンスと金型部品の差し替えも容易にするなど金型の出戻りをゼロにする手を打った。

山下喜久雄社長

山下喜久雄社長

 さらに今回、異業種進出を視野に新規設備を図った。6台の機械は、牧野フライス製作所の立形MCⅤ56ⅰ、Ⅴ33ⅰ(金型メーカーでは珍しいパレットチェンジャー付き)、同ワイヤ放電加工機U53J、同NC放電加工機EDAF3、DMG森精機のCNC旋盤、大日金属工業の汎用旋盤DL530。パレット付きは、「これまで丸に拘ってきたが、今後は丸をコアに三角も四角も何でもできる」(山下社長)部品加工への進出を始めた。

 また、現在、100tの成形機を2台設備しているが、大型成形機のニーズがあり、「金型検証」として200t以上の成型機の導入も考えている。「あまりのめり込まず、満遍なく自分の城を守る。われわれの範疇でいろんなことに挑戦する」とは、山下社長。ハイタッチが今日も行われている。

金型新聞 平成29年(2017年)1月10日号

関連記事

工業統計から読む 日本の金型の競争力

 かつて世界一の生産額を誇り、“金型大国”と呼ばれていた日本の金型産業。ピーク時には、年間で2兆円近い金型を日本で生産していた。しかし2000年以降、自動車や電機といったセットメーカーの相次ぐ海外移転による国内需要の減少…

【鳥瞰蟻瞰】福井精機工業社長・清水一蔵氏「これからの金型の価値は、生産技術支えるプロデュース力」

金型の価値が変わる これからの価値とは、生産技術支えるプロデュース力  高度な技能や経験、専門知識がなくても金型が作れる環境になってきました。なぜなら、これまで職人技と言われた金型加工は工作機械や切削工具などの発達によっ…

パンチ工業 3Dスキャナ計測サービスを開始

不具合の原因究明 パンチ工業(東京都品川区、03-6893-8007)は今年1月、3Dスキャナを活用した新サービス「3D計測パートナーズ」の提供を開始した。従来の測定では難しかった製品の形状を測定し、測定データを加工・分…

4月の金型生産実績

4月の金型生産実績

前年同月比 9.0%増の309億5,200万円 プレス型は23.9%増、プラ型は4.9%増   日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による2016年4月の金型生産実績をまとめた。それ…

この人に聞く
DMG森精機 森 雅彦社長

 金型の大型化ニーズが進んでいる。電気自動車の開発や環境規制により車の軽量化を図るため、大型部品のアルミ化や樹脂化、超高張力鋼板の採用が増加しているからだ。工作機械メーカーの中でも、金型の動向から大型加工機に注力し始めて…

トピックス

関連サイト