金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

13

新聞購読のお申込み

現場の思いを尊重
天青会 野口 賢太郎 会長

企業見学会に注力

野口賢太郎会長

野口賢太郎会長

 日本金型工業会東部支部の若手経営者らが集まる天青会の会長に今年5月、就任した。現場至上主義を自身のテーマとして掲げ、「今年は、工場見学会など現場に足を運ぶということをメインに活動していきたい」と意気込む。

 大学卒業後、野口金型製作所に入社。当時、人手が足りなかったこともあり、入社後すぐに現場を任された。「教えてくれる人も少なかったので、加工の方法などは機械の説明書や他社の加工事例などを参考にしながら、ほとんど独学で覚えていった」という。

 苦労も多かった一方で、「積極的に新しい方法を採り入れられたので、加工精度を向上させたり、加工時間を短縮したりすることができ、社内の技術力の向上にも繋がった」と振り返る。こうした自身の経験から、現在も現場の考えを尊重し、作業手順など詳細な指示は出さない。「一人一人が自ら考えて仕事することで、自分自身そして会社の成長につながる」。

 天青会に入会したのは、20代前半。それまで社内か取引先の人間としか交流がなかったのが、「同業者やユーザー、異業種など普段関わることがない色んな人と交流することができ、一気に世界が広がった」。

 中でも勉強になったのが、企業見学会だったという。「どういう環境で、どんな人達が、どうやって作っているのか。実際に現場を見ることで分かることはたくさんあるし、どこかに必ず活きてくる」。今年は、できるだけ多くの企業見学会を開催していく予定だ。

 また、一昨年から開催している「事業承継」をテーマとしたディスカッションも継続する。「業界全体の課題となっており、できるだけ多くの人が参加できるように、とくにテーマを設けず、あらゆるケースを紹介したい」。

 また、20代、30代など若い世代の入会を積極的に呼びかける。「色んなことが学べる場。まずはお試しでもいいので参加してみてほしい」。

金型新聞 平成29年(2017年)8月10日号

関連記事

特別インタビュー 進恵技研 佐藤 倫幸社長
特集 僕らの展示会

先を予測し恐れず投資  自動車のボディやフレーム向けプレス金型を手掛ける進恵技研(栃木県足利市、0284-73-2135)は、ハイテン材(高張力鋼板)用の金型を得意とし、年間約600型を生産する。創業1987年という後発…

特集〜世界の需要どう取り込む〜
金型のサムライ世界で挑む –欧州–

 新天地を求めて、世界に進出していった日本の金型メーカーは、何を考え、どんな苦労や課題を乗り越えて、取り組みを進めてきたのか。また、さらなる成長に向け、どんな青写真を描いているのか。中国、タイ、メキシコ、アメリカ、欧州そ…

【新社長に聞く】アカマツフォーシス  稲波 孝 社長

【新社長に聞く】アカマツフォーシス 稲波 孝 社長

技術提案力磨き、生産効率高める 信頼されるパートナーに いなみ・たかし1968年生まれ、大阪府四条畷市出身。86年太成高校(現太成学院大学高校)卒、赤松合金工具に入社。2006年営業技術部長、19年総括本部長、20年12…

【鳥瞰蟻瞰】福井精機工業社長・清水一蔵氏「これからの金型の価値は、生産技術支えるプロデュース力」

金型の価値が変わる これからの価値とは、生産技術支えるプロデュース力  高度な技能や経験、専門知識がなくても金型が作れる環境になってきました。なぜなら、これまで職人技と言われた金型加工は工作機械や切削工具などの発達によっ…

「世界のオギハラ」再建<br>-長谷川 和夫社長に聞くー

「世界のオギハラ」再建
-長谷川 和夫社長に聞くー

米に工場、生産力強化  自動車ボディ向けプレス金型を手掛けるオギハラの社長が今年1月に交代した。新社長はアメリカ現地法人副社長の長谷川和夫氏。製造部門を経験し、長く海外畑を歩み、海外自動車メーカーの金型調達や開発にも携わ…

トピックス

関連サイト