来年には移転拡張 パンチピンや薬剤用の金型を手掛けるヤマシタワークス(兵庫県尼崎市、06-4868-8477)は9月13日、タイ工場の創業15年を記念して、バンコク市内で記念式典を開いた。タイと日本の社員ら約100人が…
スリーアールブランド設立50周年
16年の売上高は過去最高
GFマシニングソリューションズ
自動化、トータルで提案
NC(数値制御)装置付き放電加工機が金型加工で広く使われ始めた1970年代。電極の調整は、高い技能を持った職人の手で行うのが当たり前だった。そうした時代に、誰もが簡単に精度良く電極を取り付けられるようにしたのが、システムスリーアールの電極取付用冶具だ。「放電加工の生産効率を飛躍的に向上させる画期的な製品だった」という池田実社長。設立から50年が経った現在では、放電加工には無くてはならないツールとして、スリーアールブランドの名前は広く市場に認知されるまでになった。
システムスリーアールは、67年にスウェーデンで創業し、その約10年後に日本にも上陸。80年代後半には、電極取付用冶具のほかに、マシニングセンタなどにも使えるワーク交換用冶具も開発した。さらに90年代後半には、電極やワークを搬送する自動化システムやロボット、またそれらを動かすソフトウェアも手掛け始め、機械加工の自動化を提案するメーカーへと発展した。
2001年に工作機械などを手掛けるGFグループ傘下に入り、14年にはGFマシニングソリューションズに社名を変更した。池田社長は、「50年の間に冶具、自動化装置、ソフトウェアと製品ラインナップを拡大し、工作機械メーカーの一員となったことで、自動化に対してトータルで、より具体的な提案ができるようになった」と話す。
最近では、自動化システムを多関節ロボット(ファナック製)にも対応させ、今まで数十㎏のワークしか搬送できなかったのを700㎏の大型ワークまで搬送可能にした。また、冶具では超高精度モデル「ナノシリーズ」を開発。繰り返し精度1μm以下を保証し、今まで精度上対応が難しかった研削分野にも提案の幅を広げている。
今後は、こうしたワーク搬送などの自動化に加え、設計からNCデータ作成、加工までの工程を全て自動で行えるシステムに取り組む。今年9月にドイツで開かれる工作機械見本市「EMO」では、CAD/CAMと連携した新しいシステムを披露する予定だ。
「世界的に自動化ニーズは高まっている」という池田社長。16年の売上高は過去最高となり、17年はそれをさらに上回る見通しだ。「自動化も万能ではない。我々は今後も金型メーカーを始めとしたユーザーと一緒になって、最適な方法を提案していく」。
金型新聞 平成29年(2017年)8月10日号
関連記事
環境負荷軽減について講演 型技術協会は4月22日、金型関係者交流会「金型サロンin大阪」をインテックス大阪(大阪市住之江区)で開催する。今回はパナソニックの山本英郎氏が環境問題に対するこれまでの活動を中心としたエコマテリ…
金型クリアランス 調整が不要に 三菱重工工作機械が大形高精度加工機「MVR・Fx」に搭載できる「空間誤差補正システム」が注目を集めている。経年変化や環境温度変化で生じるXYZ位置の空間誤差を自動的に検知し校正するもので…
サーボプレスや工場公開 放電精密加工研究所(横浜市港北区、045・277・0330)は9月22日、大和事業所(神奈川県大和市)でプライベートショーを開いた。プレス加工機やプレス部品の量産、金型などを手掛ける産業機械事業部…
付加価値生み差別化 金型メーカーのなかで、測定を重視する動きが広がっている。かつては「生産に貢献しないもの」とされてきた測定だが、測定技術の進歩によって品質の安定化や、生産性の向上など活用の領域が広がりつつあるからだ。…



