金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

09

新聞購読のお申込み

【特集】ダイカスト金型
アルミ使用量増加 構造部品など採用進む

自動車1台あたりのアルミ使用量

 北米のアルミニウム協会などの調査によると、自動車の1台当たりのアルミ使用量は軽量化のために増えていくという。プレスや押し出しもあり、アルミ=ダイカストと限らないが、アルミの動向はダイカスト型にとって影響は少なくない。では、何が増え、何が減るのか。同協会の資料や金型メーカーの声などをもとに動向を探る。

大型アルミニウム合金ダイカスト

大型アルミニウム合金ダイカスト

 北米アルミニウム協会などの調査によると、2015年段階で、自動車1台あたりに使われているアルミ使用量は397ポンド(約178㎏)で、自動車重量の約10%。それが20年には、466ポンド(約209㎏)で、13%にまで増加するという。その先は複数のシナリオが考えられるが、アルミは増加する見込みだ。

 重要なのは、どんな部品が増えて、何が減るかだ。大きな成長を期待されている分野はフードやドアなど。同調査でも、使用されるアルミ全体の重量ベースで15年の7%から20年には13%と倍近くになるとみている。ただ、ここはプレス化が進む可能性が高い。プレス型大手のオギハラでも「アルミ用プレス型は増加する」とみている。

亜鉛合金ダイカスト

亜鉛合金ダイカスト

 ダイカスト金型で増えそうなのがナックルなどの基幹構造部品だ。アルミ全体の重量ベースで15年は数%だったものが、20年には10%にまで増加するみている。

 既に、こうした動きに対応する金型メーカーも。ある大型ダイカスト型メーカーでは「電気自動車(EV)でも車体などで複雑な部品を一体成形する大型は増える。また、バッテリーカバーなどEV向けのダイカスト製品もある」とし、来年に工場を増設し、生産能力を1.5倍に引き上げるという。

 一方で、エンジンは減少するのか。15年と20年を比較すると、割合は30%から24%に減少すると分析。ただ、比率は減るものの、アルミの採用率が増えるので重量ベースではほぼ横ばいだ。

アルミニウム合金ダイカスト

アルミニウム合金ダイカスト

 しかし、今後どの程度減っていくのかについては、EVの普及などによって見通せない部分が多い。取材した多くの金型メーカーでも「世界的に自動車生産が増えるのでエンジン車も減らない」、「EV化が加速し、エンジンは減る」といった様々な意見が飛び交う。

 こうした不透明な状況でも、各社先手を打つ。大型を手掛ける金型メーカーでは「エンジンの減少も念頭に置きつつ、フレームなど増加が期待される分野に注力する」と話す。小型部品に強みを持つメーカーでも「ヒートシンクなど増えそうな分野や、他ユーザーに積極的に営業している」。また別のメーカーでは「自動車だけでなく、他分野のダイカスト製品に手を広げる」とし、各社マルチなシナリオで、将来への対応を進めている。

  続きは金型新聞12月10日で  

金型新聞 平成29年(2017年)12月10日号

関連記事

既存設備で増産に成功した南信精機製作所のAM活用術

金型や部品の造形で金属AMを活用する際、必ず指摘されるのがコスト。装置の価格はもとより、粉末材料が高価なことに加え、設計や解析などに多くの工数が発生するため、どうしても製造コストは高くなる。一方で、高い冷却効果による生産…

金型メーカー座談会<どうなる2014年 どうする今後の展開003>

金型メーカー座談会<どうなる2014年 どうする今後の展開003>

経営者が語る 精密加工や新分野に挑戦 2月10日号のつづき 司会 次年度には設備投資の一括償却が可能になるという話も出ていますが、投資計画に変更などありますか。 鈴木 毎年の積み重ねが重要ですからね。日本でどのようにもの…

金型メーカー座談会 若手経営者が語る
ー業界の魅力高めるためには 第二部ー

技術と経営 両輪が必要 理念貫き外需開始 金型メーカー座談会 若手経営者が語るー業界の魅力高めるためには 第一部ー 新春座談会・第二部は「海外展開」、「金型経営に必要な要素」がテーマ。「外需を取り込む」「内需に絞る」と各…

【特集】金属3Dプリンタ<br>金型づくりはどう変わるのか

【特集】金属3Dプリンタ
金型づくりはどう変わるのか

▶︎▶︎採用目指す動き広がる ▶︎▶︎金沢大学古本達明教授に聞く 金属3Dプリンタの未来「将来不可欠なツールに」 ▶︎▶︎事例①日産自動車 ダイカスト部品で活用探る ▶︎▶︎事例②J・3D ハイブリッド構造でコスト抑制 …

電動化3種の神器に挑む
〜生産現場を訪ねて〜 ニシムラ(愛知県豊田市)

特集  次世代車で変わる駆動部品の金型(バッテリー、モータ、電子部品)  「自動車向けの金型を手掛ける企業は今後、バッテリー、モータ、電子部品、この3部品に携わっていないと生き残れない時代になる」と話すのはプレ…

関連サイト