金型づくりの世界では、自動化やAM、脱炭素向けなどの最新技術が数多く登場し続けている。その進化は止まることがなく、4年ぶりに開催されたJIMTOF2022でも多数の最新技術が披露され、注目を集めた。今年最後となる本特集で…
【検証】変わる金型基金 新たな船出
解散後、新制度に移行
今年11月をめどにいったん解散し、新制度への移行を進める日本金型工業厚生年金基金(上田勝弘会長)。なぜ制度移行なのか。加入者にどんな影響があるのか。基金の存在意義や、制度移行を連載企画で検証する。1回目は年金制度の仕組みや課題についてまとめた。
年金制度の体系は3階建てといわれる(表参照)。1階は全国民が加入する国民年金。2階は事業者と従業員が折半で支払う厚生年金保険。3階には中小企業が任意で加入する「厚生年金基金」や、大企業などが加入し、給付額が一定で不足すれば企業が補填する「確定給付型年金」、個人が運営し元本割れのリスクもある「確定拠出型年金」などがある。いずれにせよ、3階まである企業や個人のほうが、退職金を年金化した部分を含めると、多くの年金を受給することができる。
今回制度移行を進める金型基金は3階部分のひとつ。一般に厚生年金基金の加入者は中小企業が多く、基金だけでは大きな運用益が見込めないことなどから、2階部分の厚生年金から一部の金額を預かって(代行部分)運用し、その部分の給付も代行してきた。しかし、リーマンショックなどで、代行部分の給付すべき資産を確保できない基金が続出(代行割れ)した。
これを重くみた政府は基金解散を前提に2013年に基金制度の見直しに関する法律を改正。代行割れしている基金は自主解散、代行割れしていない基金でも、代行返上しほかの制度への移行を促してきた。これが資産余力のない年金基金の多くが解散に踏み切る契機になり、13年には560あった基金が16年には256まで急減した。
金型基金はどうか。代行部分に対する積み立てが1.08倍(17年3月予測)で「1.23倍で運用可能なレベル」(荒木健太郎常務理事)なほど、健全な基金。しかし、国が求める1.5倍に満たないため「解散の選択肢もあった」(荒木常務理事)という。だが「会員から今の範囲内で運用はできないか」という意見も多く、移行の方針を固めた。
では、いったん解散し、制度移行するとどんな利点があり、何が変わるのか。次号では、金型基金の課題や、移行する理由などについてまとめる。
金型新聞 平成30年(2018年)1月10日号
関連記事
今なおリーマン・ショック前の7割の生産額―。プラスチック金型は、リーマン前の水準に戻った鍛造型や8割のプレス金型などと比べると回復していない。技術力、そして生産力でも圧倒的に世界をリードした「日本のお家芸」の復活のカギ…
金型や部品の造形で金属AMを活用する際、必ず指摘されるのがコスト。装置の価格はもとより、粉末材料が高価なことに加え、設計や解析などに多くの工数が発生するため、どうしても製造コストは高くなる。一方で、高い冷却効果による生産…
激化する競争に勝ち残る 2017年がスタートして早や3カ月が過ぎたが、不安定な世界情勢の中で日本の金型メーカーは各社各様の課題に取り組んでいる。インターモールド・金型展の開幕を前に関西の金型メーカー様にお集まり頂き、現…
PART1:金型メーカーアンケート「次世代に必要な匠の技は?」PART2:「自動化の匠」 アイジーエヴァースPART3:「5軸加工の匠」 エフアンドエムPART4:「金属3Dプリンタの匠」 三光合成PART5:「現代の名…



