自動化と人材育成—。自動車産業に関わらず、あらゆる製造現場において共通の課題となっている。人手不足は深刻化しており、課題解消に自動化、省力化は欠かせない。いかに若手に技能を伝承していくかも喫緊の課題となっている。一方で、…
【検証】変わる金型基金 新たな船出
解散後、新制度に移行
今年11月をめどにいったん解散し、新制度への移行を進める日本金型工業厚生年金基金(上田勝弘会長)。なぜ制度移行なのか。加入者にどんな影響があるのか。基金の存在意義や、制度移行を連載企画で検証する。1回目は年金制度の仕組みや課題についてまとめた。
年金制度の体系は3階建てといわれる(表参照)。1階は全国民が加入する国民年金。2階は事業者と従業員が折半で支払う厚生年金保険。3階には中小企業が任意で加入する「厚生年金基金」や、大企業などが加入し、給付額が一定で不足すれば企業が補填する「確定給付型年金」、個人が運営し元本割れのリスクもある「確定拠出型年金」などがある。いずれにせよ、3階まである企業や個人のほうが、退職金を年金化した部分を含めると、多くの年金を受給することができる。
今回制度移行を進める金型基金は3階部分のひとつ。一般に厚生年金基金の加入者は中小企業が多く、基金だけでは大きな運用益が見込めないことなどから、2階部分の厚生年金から一部の金額を預かって(代行部分)運用し、その部分の給付も代行してきた。しかし、リーマンショックなどで、代行部分の給付すべき資産を確保できない基金が続出(代行割れ)した。
これを重くみた政府は基金解散を前提に2013年に基金制度の見直しに関する法律を改正。代行割れしている基金は自主解散、代行割れしていない基金でも、代行返上しほかの制度への移行を促してきた。これが資産余力のない年金基金の多くが解散に踏み切る契機になり、13年には560あった基金が16年には256まで急減した。
金型基金はどうか。代行部分に対する積み立てが1.08倍(17年3月予測)で「1.23倍で運用可能なレベル」(荒木健太郎常務理事)なほど、健全な基金。しかし、国が求める1.5倍に満たないため「解散の選択肢もあった」(荒木常務理事)という。だが「会員から今の範囲内で運用はできないか」という意見も多く、移行の方針を固めた。
では、いったん解散し、制度移行するとどんな利点があり、何が変わるのか。次号では、金型基金の課題や、移行する理由などについてまとめる。
金型新聞 平成30年(2018年)1月10日号
関連記事
自動車のシートや骨格部品などのプレス金型を手掛けるササヤマは金型の競争力を高めるため、金型づくりのDXとベトナム子会社のデータ製作力の強化に取り組む。デジタル技術で金型づくりを効率化し、ベトナム子会社を同社グループのデー…
自動車用マフラーやボディ部品などを手掛ける三恵技研工業(東京都北区、03・3902・8200)は近年、プレス加工の技術開発に力を入れる。主要顧客である自動車産業でEV化や現地生産化が進み、事業環境が大きく変化する中、増肉…
日本の金型業界にとって外需の取り込みは重要課題。海外の金型事情に明るい元牧野フライス製作所の山本英彦氏は「今ほど日本の金型技術が求められている時はない」と指摘する。しかし、金型メーカーにとって海外展開は簡単ではない。そこ…
100年に一度の変革期と言われる自動車業界。それを語るときに欠かせないキーワードが「CASE」だ。「C=コネクテッド(つながる)」、「A=オートノマス(自動運転)」、「S=シェア(共有)」、「E=エレクトリック(電動化…

