金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

27

新聞購読のお申込み

【検証】変わる金型基金 新たな船出
解散後、新制度に移行

 今年11月をめどにいったん解散し、新制度への移行を進める日本金型工業厚生年金基金(上田勝弘会長)。なぜ制度移行なのか。加入者にどんな影響があるのか。基金の存在意義や、制度移行を連載企画で検証する。1回目は年金制度の仕組みや課題についてまとめた。

変わる金型基金 新制度

 年金制度の体系は3階建てといわれる(表参照)。1階は全国民が加入する国民年金。2階は事業者と従業員が折半で支払う厚生年金保険。3階には中小企業が任意で加入する「厚生年金基金」や、大企業などが加入し、給付額が一定で不足すれば企業が補填する「確定給付型年金」、個人が運営し元本割れのリスクもある「確定拠出型年金」などがある。いずれにせよ、3階まである企業や個人のほうが、退職金を年金化した部分を含めると、多くの年金を受給することができる。

 今回制度移行を進める金型基金は3階部分のひとつ。一般に厚生年金基金の加入者は中小企業が多く、基金だけでは大きな運用益が見込めないことなどから、2階部分の厚生年金から一部の金額を預かって(代行部分)運用し、その部分の給付も代行してきた。しかし、リーマンショックなどで、代行部分の給付すべき資産を確保できない基金が続出(代行割れ)した。

 これを重くみた政府は基金解散を前提に2013年に基金制度の見直しに関する法律を改正。代行割れしている基金は自主解散、代行割れしていない基金でも、代行返上しほかの制度への移行を促してきた。これが資産余力のない年金基金の多くが解散に踏み切る契機になり、13年には560あった基金が16年には256まで急減した。

 金型基金はどうか。代行部分に対する積み立てが1.08倍(17年3月予測)で「1.23倍で運用可能なレベル」(荒木健太郎常務理事)なほど、健全な基金。しかし、国が求める1.5倍に満たないため「解散の選択肢もあった」(荒木常務理事)という。だが「会員から今の範囲内で運用はできないか」という意見も多く、移行の方針を固めた。

 では、いったん解散し、制度移行するとどんな利点があり、何が変わるのか。次号では、金型基金の課題や、移行する理由などについてまとめる。

金型新聞 平成30年(2018年)1月10日号

関連記事

「5軸加工の匠」 エフアンドエム

デジタル技術の進化で、相次いで登場する新技術。次世代の匠はそれらの技術を金型づくりにどのように活かしているのか。また、それら能力を習得するには、どのようなスキルや育成が必要なのか。本特集では、様々ある新技術の中でも、次世…

トヨタの型づくりはどう変化していくのか?モビツー・大澤部長×モノエン・堀田部長インタビュー【変わるトヨタの型づくり】

PART4:モノエン・モビツーのトップに聞く金型メーカーに期待すること 技能絶やさぬ取り組み / 型にとらわれぬ柔軟な視点 人の動き、 カンコツを定量化 次世代車の中でも、やはり電動化へのインパクトは大きい。金型への影響…

低廉化金型を開発 魚岸成光氏(魚岸精機工業社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められてい…

〜特集〜 金型づくりをスマート化する

生産現場を訪ねて三豊機工 鹿児島工場(南九州)  5台のAIV(Autonomous  Intelligent  Vehicle)が10棟の工場を跨いで縦横無尽に運行する金型工場。冷間圧造用金型を材料から製品まで一貫生産…

【特集】金型企業年金新制度へ 3氏に聞く、新制度の背景とメリット〜「経営」と「社員の人生」支える仕組み〜

【特集】金型企業年金新制度へ 3氏に聞く、新制度の背景とメリット〜「経営」と「社員の人生」支える仕組み〜

掛け金率選択制に 税控除など利点大きく 社員の第2の人生豊かに 日本金型工業厚生年金基金は昨年11月2日、いったん解散し「日本金型工業企業年金基金」として生まれ変わった。高い予定利率などの旧制度の課題を解決するとともに、…

トピックス

関連サイト