金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

06

新聞購読のお申込み

2015年金型出荷額 前年比9.4%と大幅増に

鋳造・ダイカストで19.2%増加

金型の出荷額及び事業所数の推移
金型の出荷額及び事業所数の推移

 経済産業省がこのほど発表した経済センサス()活動調査(品目編)によると、2015年の日本の金型出荷額は1兆3977億円で前年比9.4%増加と大きく伸長し、リーマンショックの影響を受けた10年以降は着実に回復している。各自動車メーカーの新型需要に加え、直近では電気自動車(EV)や軽量化など新たな開発案件が増えていることが大きな要因。さらに、IoT関連で、センサーや医療機器など高度な金型加工技術も増加。一方で、事業数は5286事業所と前年比1.7%減少しており、後継者や人材不足が大きな課題として残っている。

 2015年の金型の出荷額は1兆3977億円と大きく伸長した。型種別でみると、プレス用金型は5093億円(前年比7.3%増)、鍛造用金型507億円(同4.0%増)、鋳造用金型(ダイカスト用含む)は1208億円(同19.2%増)、プラスチック用金型は4423億円(同10.6%増)、ゴム.ガラス用金型は415億円(同3.4%減)、その他の金型.同部部品.付属品は392億円(同11.7%増)となり、鋳造用金型(ダイカスト用含む)とプラスチック用金型、その他の金型.同部分品.付属品の3項目で2ケタ増加した。

 けん引役は自動車。ハイブリッドなど環境規制に対応した自動車の開発により、軽量化や燃費効率に関わる需要が豊富にあったことが要因。ターボチャージャなどエンジン部品や自動運転にもつながるセンサ、微細加工などを施したヘッドランプのレンズ金型ほか、医療関係のマイクロニードルなどの需要が活況だった。そのため、鋳造用金型(ダイカスト用含む)やプラスチック用金型、その他の金型.同部分品.付属品の出荷額が大きく伸ばしており、今後もEVや軽量化関連の金型需要は顕著と思われる。

 事業所数は5286事業所で、06年を日切りに年々減少。昨今は労働人口の減少により大手企業を中心とした人材確保の動きが活発で直近の有効求人倍率は1.59倍に上昇し、中小企業の多い金型業界への人材採用が難しくなっている。そのため、日本金型工業会や岐阜県金型工業組合などは金型を通じた学生との交流を図り、金型業界の認知度向上に取り組んでいる。

 ※経済センサス
 経済産業省が5年に一度調査する。工業統計は基本的に従業員数4人以上を対象とするが、経済センサスは3人以下も調査対象。工業統計の比較のため、本記事は4人以上の数字を採用。

金型新聞 平成30年(2018年)2月10日号

関連記事

メカトロテックジャパン2017<br>今回の見どころは

メカトロテックジャパン2017
今回の見どころは

製品651点が初披露 会場:ポートメッセなごや 会期:10月18〜21日  今年の国内最大の工作機械見本市であるメカトロテックジャパン2017(MECT)が10月18〜21日にかけ、名古屋市港区のポートメッセなごやで開か…

置き薬ならぬ置き工具
トラスコ中山

工具の在庫切れ防ぐ  機械工具商社のトラスコ中山は、金型製造業や部品加工業など超硬チップを多く消費する現場で、使った分だけ切削工具の費用を請求する置き薬のようなサービス「MROストッカー」の切削工具版を開始した。ユーザー…

OKK、新M工場が竣工

OKK、新M工場が竣工

5軸、横型、年産1200台に 大阪機工(兵庫県伊丹市、072・782・5121)はこのほど、猪名川製造所にある新M工場が完成し、竣工式を開いた。年内にも本格稼働させ、マシニングセンタ(MC)の年間の生産を今より20%多い…

愛知溶業 金型に優しい溶接修理【金型応援隊】

金型溶接補修を手掛ける愛知溶業は『金型に優しい溶接修理施工』をテーマに、溶接~機械加工の一気通貫体制で、品質向上と短納期化を図る。 創業は2005年と若い会社だ。市川修社長は「TIG溶接機2台を購入し、タウンページ片手に…

日本電産マシンツール 金属3Dプリンタの中型機を開発

JIMTOFで初披露 日本電産マシンツールは、パウダDED方式を採用した金属3Dプリンタ「LAMDAシリーズ」に中型機「LAMDA500」を追加、9月1日から販売を開始した。 最大造形サイズは、航空・宇宙、自動車、建設機…

トピックス

関連サイト