金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

07

新聞購読のお申込み

2015年金型出荷額 前年比9.4%と大幅増に

鋳造・ダイカストで19.2%増加

金型の出荷額及び事業所数の推移
金型の出荷額及び事業所数の推移

 経済産業省がこのほど発表した経済センサス()活動調査(品目編)によると、2015年の日本の金型出荷額は1兆3977億円で前年比9.4%増加と大きく伸長し、リーマンショックの影響を受けた10年以降は着実に回復している。各自動車メーカーの新型需要に加え、直近では電気自動車(EV)や軽量化など新たな開発案件が増えていることが大きな要因。さらに、IoT関連で、センサーや医療機器など高度な金型加工技術も増加。一方で、事業数は5286事業所と前年比1.7%減少しており、後継者や人材不足が大きな課題として残っている。

 2015年の金型の出荷額は1兆3977億円と大きく伸長した。型種別でみると、プレス用金型は5093億円(前年比7.3%増)、鍛造用金型507億円(同4.0%増)、鋳造用金型(ダイカスト用含む)は1208億円(同19.2%増)、プラスチック用金型は4423億円(同10.6%増)、ゴム.ガラス用金型は415億円(同3.4%減)、その他の金型.同部部品.付属品は392億円(同11.7%増)となり、鋳造用金型(ダイカスト用含む)とプラスチック用金型、その他の金型.同部分品.付属品の3項目で2ケタ増加した。

 けん引役は自動車。ハイブリッドなど環境規制に対応した自動車の開発により、軽量化や燃費効率に関わる需要が豊富にあったことが要因。ターボチャージャなどエンジン部品や自動運転にもつながるセンサ、微細加工などを施したヘッドランプのレンズ金型ほか、医療関係のマイクロニードルなどの需要が活況だった。そのため、鋳造用金型(ダイカスト用含む)やプラスチック用金型、その他の金型.同部分品.付属品の出荷額が大きく伸ばしており、今後もEVや軽量化関連の金型需要は顕著と思われる。

 事業所数は5286事業所で、06年を日切りに年々減少。昨今は労働人口の減少により大手企業を中心とした人材確保の動きが活発で直近の有効求人倍率は1.59倍に上昇し、中小企業の多い金型業界への人材採用が難しくなっている。そのため、日本金型工業会や岐阜県金型工業組合などは金型を通じた学生との交流を図り、金型業界の認知度向上に取り組んでいる。

 ※経済センサス
 経済産業省が5年に一度調査する。工業統計は基本的に従業員数4人以上を対象とするが、経済センサスは3人以下も調査対象。工業統計の比較のため、本記事は4人以上の数字を採用。

金型新聞 平成30年(2018年)2月10日号

関連記事

六面研磨の超硬ブロック 規格品を発売 (ジーシステム )

六面研磨の超硬ブロック 規格品を発売 (ジーシステム )

金型部品の研磨加工を手掛けるジーシステム(福岡県直方市、0949・22・8188)は、六面を精密研磨した超硬ブロックの寸法規格品を1月中にも販売を始める。電子部品の金型などに使われる小さなパンチやダイ向けで、受注から3日…

久野功雄氏

【プレス型特集】
久野金属工業 久野 功雄専務に聞く
飽き性を夢中にさせたプレス金型の魅力

自動車を中心に高精度かつ複雑形状な部品の開発、金型製造、量産まで手掛ける久野金属工業。EVなど次世代自動車の部品を生産する一方、ITを活用した改善活動など社内改革も積極的に行っている。その改革を推進してきたのが入社19年…

迫る金型の技術革新
岐阜大学 三田村一広特任教授に聞く

 「CASE」(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に代表されるように、「百年に一度の変革期」と言われる自動車業界。金型にとってもその影響は大きく、舵取り次第では将来の成長を左右しかねない。特に、金型へのインパ…

金型メーカー座談会 若手経営者が語る
ー業界の魅力高めるためには 第一部ー

変貌する経営環境 順応の精神がカギ 座談会出席者(50音順) エムアイモルデ 宮城島 俊之社長  ヘッドライトなど自動車関連が主力のプラスチック金型メーカー。従業員は5人。本社は静岡県富士市だが工場は中国蘇州にあり、日本…

中古機械をサブスクで提供【金型応援隊】

中古機械を販売する小林機械は今年からリース会社と提携し、中古機械のサブスクリプション(定額課金)サービスの提供を開始した。一般的なリース契約(7年)よりも短い2年で使用可能。短期的な受注や、試験的な導入などのニーズに対応…

トピックス

関連サイト