金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

SEPTEMBER

22

新聞購読のお申込み

この人に聞く
碌々産業 海藤 満社長

1954年生まれ、新潟県出身。78年青山学院大学経済学部経済学科卒業後、碌々産業入社。2009年常務取締役、10年取締役副社長、11年代表取締役社長に就任し、現在に至る。

加工技術者に新たな呼称

 ミクロン台の誤差に収まる精度、鏡のように美しい仕上げ面—。こうした加工は、卓越した技術力と並々ならぬこだわりを持った技術者が高精度な機械を駆使して初めて実現する。この職人と呼ばれる人たちを「マシニングアーティスト」と称するのが、微細加工機メーカー・碌々産業の海藤満社長。「若い人が憧れる職業にしたい」として、今年2月に「マシニングアーティスト」を商標登録申請。独自の認定制度を設立し、加工技術者の地位向上に向けた取り組みを進める。狙いや今後の展開などを聞いた。

認知度・地位向上を目指す

 なぜ、「マシニングアーティスト」という言葉を作ったのか。

 今、我々の身近にあるスマートフォンや微細な電子機器などは、優れた加工技術者がいたからこそ生まれた。その一方で、こうした技術者は表舞台に出ることが少なく、認知度や地位があまり高くない。こうした人たちにリスペクトを表するとともに、プライドを持ってもらうために、このネーミングを作った。

 ネーミングの由来は。

 高精度な機械や工具、ソフトウエアを駆使し、自らの豊かな感性と創造性を働かせて微細な加工を手がける技術者は、私の目には「アーティスト」のように映る。そこに「加工」を意味する「マシニング」を組み合わせた。格好いい仕事だというイメージを発信し、若い人たちにも興味を持ってもらいたいという思いを込めて名付けた。

 具体的にどんな活動をするのか。

 認定制度を設ける。当社で独自に認定委員を作り、全国から毎年50人ほどの加工技術者を選定する。認定者には、認定証と記念品を贈呈する予定だ。

 また、当社の静岡工場(静岡県焼津市)にあるショールームは、「MAラボ」に改称した。「マシニングアーティスト」たちが集う研究室という意味で名付け、一角には認定者のネームプレートを飾るつもりだ。

 微細加工は、日本の得意分野とされている。

 微細加工は、寸法精度だけでなく、面品位も求められる。鏡面性などは、見た目によるところが大きく、技術者の感性が重要。当社でも微細加工を実現する条件として、「機械」「工具」「加工環境」「ソフトウエア」に「技術者」を加えた「四位一体(よんみいったい)+one(ワン)」を提唱し、顧客に提案している。今後、次世代自動車やIoTなどで微細な部品が増え、微細加工技術者の需要は益々高まるはずだ。

 今後の展開は。

 まずは「マシニングアーティスト」という言葉を広めていく。ロゴやステッカーを作ったりして、認知度の向上に努める。最終的には、技能検定などと同等の価値まで引き上げたい。そして、何よりも加工技術者を志す若い人を1人でも多く増やしたい。

金型新聞2019年3月10日号

関連記事

中村精工 DXで年間20社以上の新規開拓を実現

新たに福岡工場が稼働 射出成形事業を強化 自動車向けプラスチック金型の設計・製作を手掛ける中村精工(岐阜県岐阜市、058-388-3551)は1月、成形事業及び金型メンテナンスを行う福岡工場(福岡県飯塚市)を立ち上げ、1…

ナガセインテグレックス 新藤良太新社長インタビュー

とんでもない良い会社に 超精密のナガセインテグレックス(岐阜県関市)で画期的なイグタープ(IGTARP)デザインの導入など開発部門を率いてきた新藤良太常務が、昨年10月、代表取締役社長COOに就任した。長瀬幸泰社長は、代…

新日本工機・中西 章社長「ものづくり力向上を支援」

「30年間お客様とものづくりを改善し続けられる存在でありたい」—。そう話すのは一昨年に新日本工機の社長に就任した中西章氏。ライフサイクルの長い大型機械が強みなだけに、「長期間にわたって、顧客のものづくりをサポートするのは…

ブルーム‐ノボテスト 自動化へステップアップ提案

ゴール設定まで体系化 金型産業を含め日本の製造業は自動化・省人化への対策が遅れていると言われる。この10年間、多様な自動化製品、ソリューションが誕生したものの、導入を躊躇するユーザーも少なくない。そうした状況で測定機器や…

新たな金型産業ビジョンを
日本金型工業会 小出悟会長

ウェブを最大限活用  令和2年の総会がウェブ会議システムになるとは想像もしていませんでしたが、コロナ禍(新型コロナウイルス感染拡大が招いた危機的、災厄的な状況)の総会であることを正会員並び賛助会員の皆様にはご理解を頂き、…

トピックス

AD

「安かろう悪かろう」を覆す「Autodesk® Fusion®」の実力 応用技術(株)がウ...

応用技術株式会社(大阪市北区、06・6373・0440)は7月8日、ウェビナーイベント「Fusion DAY」を開催した。 応用技術はオートデスク代理店の最上位資格である「... 続きを読む

関連サイト