金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

20

新聞購読のお申込み

高精度・長寿命
超硬エンドミルに新被膜
TOWA

受託加工も

 高硬度材を削りたい、ドライ環境下でもっと長寿命な超硬工具がほしいというユーザーに朗報。半導体樹脂封止金型や製造装置を手掛けるTOWA(京都市南区、075・692・0250)は独自のコーティング技術である「HARD STARType A(アルミナクロムナイトライド系)」を施した「THPL‐超硬エンドミルシリーズ」を発売した(写真)。硬い鋼材向けや過酷なドライ環境でも使用できるエンドミルの需要に応え、スパッタ方式による独自の成膜技術を駆使したコーティング「HARD STARType A」により、SKD11など高硬度材加工での長寿命化を実現した。さらに、需要が伸びるとされる金属3Dプリンタでのドライ切削においても長寿命・チッピングレスを可能にするなど、幅広い用途を視野に入れる。新事業推進部・緒方健二部長は「高硬度材を削りたい顧客からのニーズに応え、抜群の長寿命を誇るCBNエンドミルと共に、より低価格な超硬エンドミルでのコストダウンを訴求する」。同社は従来からのCBNエンドミルに加え、2017年に比較的軟らかい金属の切削に適した超硬エンドミル「HARD ionシリーズ」を販売している。

 5年前に新事業として切削工具事業に参入し、長年自社の金型加工用として内製してきたCBNエンドミルをシリーズ化し販売。φ0・1~φ6・0までのラジアスとボールエンドミルで工具径精度0~マイナス3μm、R精度±2μmという高精度化に加え、自社開発のセラミック系コーティング「BANCERA Coating」による長寿命化を図ると共に、特注品を7日以内に対応する短納期にも対応。今後は受託コーティングや受託加工にも注力し、半導体向け金型製造で培った超精密加工技術を活かしたミーリングや研削、放電などで受託加工を行う体制を構築。「当社の加工機は人工知能化を図っており、機械本体やワーク、工具に至るまで自動計測しフィードバック補正できる技術を確立している。機械自ら考えて動くことを当社では『自働化』と呼んでいる」と、設計から加工まで省人化を図ったほか、高精度測定の品質保証も充実させ、短納期で対応している。

 また、独自のセラミックスコーティング「BANCERA Coating」はHCrメッキに比べ、表面硬度が2倍以上かつ離型性にも優れ、光学成形金型やゴム成形金型、粉末打錠金型などに最適で金型の長寿命化につながる。そのほか、ナノ加工技術などコア技術を様々な分野に展開させ、ヘッドアップディスプレイなど車載用部品にも応用。緒方部長は「長年培ったコア技術を活かし、新事業へ展開することで当社とは異なる金型や加工分野などに目を向け、安定した経営基盤を築いていきたい」と話す。

関連記事

冷間鍛造で新市場開拓
ニチダイ

電池ケースなど視野  冷間鍛造金型などを手掛けるニチダイは独自の鍛造技術を駆使して新たな市場の開拓に乗り出す。まずは、電気自動車などで脚光を浴びる電池ケースやバッテリー市場向けに鍛造技術を応用して、ケースの強度向上や生産…

レーザパンチングで金属箔に連続穴あけ ワイヤード【金型テクノラボ】

自動車の電動化などによって、金属箔、樹脂フィルムへの穴あけ加工のニーズが増している。今後、量産化を実現していくためには、より高速に加工できる技術が求められている。レーザ開発ベンチャー企業のワイヤードは、金型レスによる金属…

C&Gシステムズ キャムツール新版

大型金型の磨き削減 C&Gシステムズは、5軸マシニングセンタ(MC)対応CAD/CAM「キャムツール」の新版「V17.1」を発売した。切削痕を抑え、磨き工程の削減につながる機能などを強化した。 CL制御点を曲率に…

倉敷機械 5軸MCに横中ぐり機能を追加

干渉防ぎ深部まで加工 倉敷機械(新潟県長岡市、0258-35-3040)はこのほど、5軸マシニングセンタ(MC)に横中ぐり盤の機能を搭載した新型工作機械「KTR‐1200」を発売した。航空機のエンジンケースや金型など複合…

【金型テクノラボ】倉敷機械 AI活用による金型・加工見積の自動化

金型・部品加工の見積作成における最大の課題は、相応の専門知識がないと見積作成が困難であるという点だ。そのため、熟練者の経験への依存度が高く、さらに加工業者間での金額差異の問題も発生している。これらの課題に対して、半自動化…

トピックス

関連サイト