金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

05

新聞購読のお申込み

高精度・長寿命
超硬エンドミルに新被膜
TOWA

受託加工も

 高硬度材を削りたい、ドライ環境下でもっと長寿命な超硬工具がほしいというユーザーに朗報。半導体樹脂封止金型や製造装置を手掛けるTOWA(京都市南区、075・692・0250)は独自のコーティング技術である「HARD STARType A(アルミナクロムナイトライド系)」を施した「THPL‐超硬エンドミルシリーズ」を発売した(写真)。硬い鋼材向けや過酷なドライ環境でも使用できるエンドミルの需要に応え、スパッタ方式による独自の成膜技術を駆使したコーティング「HARD STARType A」により、SKD11など高硬度材加工での長寿命化を実現した。さらに、需要が伸びるとされる金属3Dプリンタでのドライ切削においても長寿命・チッピングレスを可能にするなど、幅広い用途を視野に入れる。新事業推進部・緒方健二部長は「高硬度材を削りたい顧客からのニーズに応え、抜群の長寿命を誇るCBNエンドミルと共に、より低価格な超硬エンドミルでのコストダウンを訴求する」。同社は従来からのCBNエンドミルに加え、2017年に比較的軟らかい金属の切削に適した超硬エンドミル「HARD ionシリーズ」を販売している。

 5年前に新事業として切削工具事業に参入し、長年自社の金型加工用として内製してきたCBNエンドミルをシリーズ化し販売。φ0・1~φ6・0までのラジアスとボールエンドミルで工具径精度0~マイナス3μm、R精度±2μmという高精度化に加え、自社開発のセラミック系コーティング「BANCERA Coating」による長寿命化を図ると共に、特注品を7日以内に対応する短納期にも対応。今後は受託コーティングや受託加工にも注力し、半導体向け金型製造で培った超精密加工技術を活かしたミーリングや研削、放電などで受託加工を行う体制を構築。「当社の加工機は人工知能化を図っており、機械本体やワーク、工具に至るまで自動計測しフィードバック補正できる技術を確立している。機械自ら考えて動くことを当社では『自働化』と呼んでいる」と、設計から加工まで省人化を図ったほか、高精度測定の品質保証も充実させ、短納期で対応している。

 また、独自のセラミックスコーティング「BANCERA Coating」はHCrメッキに比べ、表面硬度が2倍以上かつ離型性にも優れ、光学成形金型やゴム成形金型、粉末打錠金型などに最適で金型の長寿命化につながる。そのほか、ナノ加工技術などコア技術を様々な分野に展開させ、ヘッドアップディスプレイなど車載用部品にも応用。緒方部長は「長年培ったコア技術を活かし、新事業へ展開することで当社とは異なる金型や加工分野などに目を向け、安定した経営基盤を築いていきたい」と話す。

関連記事

深穴座ぐりを工程短縮
ダイジェット工業

タイラードリル3D・5Dタイプ ダイジェットの公式製品紹介は、こちらから 現場の課題  金型への3L/Dや5L/Dなど深穴の座ぐりで、効率良く高精度に加工できる工具が求められていた。 提案・効果  「3Dタイプ」と「5D…

日比野工業 積層造形ダイカスト金型の冷却水路に防錆めっき処理【金型テクノラボ】

金属積層造形法により作製されるアルミダイカスト金型はその内部冷却の設計自由度の高さから注目され、実用展開されつつある。しかし、積層造形金型では内部冷却水路の腐食や表面粗さが課題となっている。本稿では積層造形金型の水路に防…

【金型テクノラボ】岡本工作機械製作所 大型プレートの高精度、高効率な平面研削技術

順送プレス金型などの大型プレートは、平面度を維持するために再研削によって何度も繰り返し使用されている。また、焼き入れ処理を行うため、反りが発生し、加工時間の増加や測定方法などが課題となっている。ここでは、このような金型プ…

亜鉛めっきハイテン材と樹脂の型内直接接合【金型テクノラボ】

自動車部品などにおいて、亜鉛めっき高張力鋼板(ハイテン材)と樹脂を直接接合する技術がひとつの大きな課題となっている。本稿では、亜鉛めっきハイテン材を熱水に浸漬するだけで、めっき層表層に微細なナノ構造を創製し、インサート成…

三共理化学 磨き用のブラスト研磨材

機械化図れ、作業時間短縮 三共理化学(埼玉県桶川市、048-786-2118)はこのほど、ブラスト研磨装置向け特殊研磨材「Lappin(ラッピン)」に粗磨き用(粒度♯220~600)を追加した。これまで人手をかけていた粗…

トピックス

関連サイト