三菱マテリアル(東京都千代田区、03-5252-5200)はこのほど、高硬度鋼加工用エンドミルシリーズの2枚刃ロングネックボールエンドミル「VFR2XLB」にボール半径(RE)0.3㎜以下の小径サイズを追加し、発売した。…
高精度・長寿命
超硬エンドミルに新被膜
TOWA
受託加工も

高硬度材を削りたい、ドライ環境下でもっと長寿命な超硬工具がほしいというユーザーに朗報。半導体樹脂封止金型や製造装置を手掛けるTOWA(京都市南区、075・692・0250)は独自のコーティング技術である「HARD STARType A(アルミナクロムナイトライド系)」を施した「THPL‐超硬エンドミルシリーズ」を発売した(写真)。硬い鋼材向けや過酷なドライ環境でも使用できるエンドミルの需要に応え、スパッタ方式による独自の成膜技術を駆使したコーティング「HARD STARType A」により、SKD11など高硬度材加工での長寿命化を実現した。さらに、需要が伸びるとされる金属3Dプリンタでのドライ切削においても長寿命・チッピングレスを可能にするなど、幅広い用途を視野に入れる。新事業推進部・緒方健二部長は「高硬度材を削りたい顧客からのニーズに応え、抜群の長寿命を誇るCBNエンドミルと共に、より低価格な超硬エンドミルでのコストダウンを訴求する」。同社は従来からのCBNエンドミルに加え、2017年に比較的軟らかい金属の切削に適した超硬エンドミル「HARD ionシリーズ」を販売している。
5年前に新事業として切削工具事業に参入し、長年自社の金型加工用として内製してきたCBNエンドミルをシリーズ化し販売。φ0・1~φ6・0までのラジアスとボールエンドミルで工具径精度0~マイナス3μm、R精度±2μmという高精度化に加え、自社開発のセラミック系コーティング「BANCERA Coating」による長寿命化を図ると共に、特注品を7日以内に対応する短納期にも対応。今後は受託コーティングや受託加工にも注力し、半導体向け金型製造で培った超精密加工技術を活かしたミーリングや研削、放電などで受託加工を行う体制を構築。「当社の加工機は人工知能化を図っており、機械本体やワーク、工具に至るまで自動計測しフィードバック補正できる技術を確立している。機械自ら考えて動くことを当社では『自働化』と呼んでいる」と、設計から加工まで省人化を図ったほか、高精度測定の品質保証も充実させ、短納期で対応している。
また、独自のセラミックスコーティング「BANCERA Coating」はHCrメッキに比べ、表面硬度が2倍以上かつ離型性にも優れ、光学成形金型やゴム成形金型、粉末打錠金型などに最適で金型の長寿命化につながる。そのほか、ナノ加工技術などコア技術を様々な分野に展開させ、ヘッドアップディスプレイなど車載用部品にも応用。緒方部長は「長年培ったコア技術を活かし、新事業へ展開することで当社とは異なる金型や加工分野などに目を向け、安定した経営基盤を築いていきたい」と話す。
関連記事
「工場診断パック」も ゼネテック(東京都新宿区、03-3357-3044)はこのほど、工場設備の稼働モニタリングシステム「GCモニター」を発売した。新旧問わずどんなメーカーの機械設備でも簡単にIoT化が図れ、遠隔地から…
キャムツールの新版 C&Gシステムズは4月、効率的な干渉回避を自動で算出するなど、同時5軸加工に対応する機能を盛り込んだ「CAM‐TOOL(キャムツール)」の新版「V15・1」を発売した。 今回追加した「同…
精密金型の製造では、エンドミルでの切削やワイヤー放電加工の後に成型研削を行うのが一般的。しかし、研削量が少なく加工に時間がかかるのが課題だった。本稿では、ワンパスでミリ単位の材料除去を可能とする「クリープフィード研削技術…
管理、調達を効率化 近年の金型工場では人手不足が深刻化しており、デジタル技術の導入による製造工程や管理工程などの効率化に向けた取り組みが加速している。多くの企業がセンシング技術を活用した見える化をはじめ、ITツール導入に…


