金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

01

新聞購読のお申込み

〜特集〜 金型づくりをスマート化する

生産現場を訪ねて
三豊機工 鹿児島工場(南九州)

 5台のAIV(Autonomous  Intelligent  Vehicle)が10棟の工場を跨いで縦横無尽に運行する金型工場。冷間圧造用金型を材料から製品まで一貫生産する三豊機工(本社・愛知県春日井市)の鹿児島工場(鹿児島県南九州市川辺町)だ。

AIVで搬送を自動化
1日24時間を有効活用

 三豊機工は、月間24000〜25000点という少量多品種製造の典型である冷間圧造用金型を独自のシステムで自動化する。舟橋佳孝社長は「人の労働時間(8時間)以外の16時間を有効に活用して如何に生産効率を上げるかが重要」とし、AIVの他にATC、AWCはもちろんロボットの導入も増やしている。段取り替え頻度の低い加工機にもロボットを搭載する工程もある。

 AIVは、1年前に2台を導入し、早々に3台追加を決め、今年6月に稼働を始めた。次工程へのワーク搬送を人から代替することが主体で、3台の定期便と2台の呼出便で構成。運行はWi‐Fiで制御しており、人や障害物があれば自動的に回避しながら運搬する。充電は1日1回。隣棟へ移るときの扉の開閉も通信制御により自動。人がモノを運搬する時間を極力削減することで、人は持ち場での仕事に専念できる。

 同社では、形彫り放電加工機にATCやAWC、円筒研削盤のワークチェンジにミニ多関節ロボットを活用。8台ある高精度MCのうち、2台には60個のワークを搭載できるパレットチェンジャ—をセットし、夜間および休日の稼働を可能にしている。精度を確保するため、光学ラインセンサ方式の工具測定器を搭載し、高精度追求も欠かさない。万一異常が発生した場合は機械をストップさせると同時に、担当者の携帯電話にアラーム発信して知らせる。

 そして今年3月、放電加工機2台とワーク・電極ストッカーとロボット1台を組み合わせた自動化セルを構築した。ソフトは放電加工機メーカーが独自にプログラミング。ワークパレットを増設する場合はロボットをレール移動させることができるように拡張性を持たせた。ワークストッカーにはワーク20個と電極90個を収納し、24時間365日稼働を目指す。

 一方、生産管理は、加工曜日別の棚や納期別に色分けをした図面など、目で見る管理を徹底。完成品には製造ロットをレーザー刻印し、全数に検査票を添付している。「高品質、正確な納期、適正価格を維持する」(舟橋社長)ために、自動化は難しいと言われる多品種少量生産の金型づくりにおいて、約500台と人の最適な組み合わせを模索しながらスマート化追求の手を緩めない。

金型しんぶん 2019年8月10日

関連記事

加工現場でも対応進むカーボンニュートラル CO2排出量の見える化【特集:2022年金型加工技術5大ニュース】

金型づくりの世界では、自動化やAM、脱炭素向けなどの最新技術が数多く登場し続けている。その進化は止まることがなく、4年ぶりに開催されたJIMTOF2022でも多数の最新技術が披露され、注目を集めた。今年最後となる本特集で…

プラスチック射出成形品の離型抵抗評価金型【金型テクノラボ】

プラスチック製品を射出成形金型から突き出す際に生じる離型抵抗は、製品に変形や破損を引き起こすため、様々な抑止方法が提案されている。この抑止方法を検討する際には離型抵抗の定量的な評価が重要となる。本稿では、離型抵抗を評価す…

類似のCADを検索<br>NTTデータエンジニアリングシステムズ

類似のCADを検索
NTTデータエンジニアリングシステムズ

金型向けクラウド新版  NTTデータエンジニアリングシステムズ(東京都大田区、03-5711-5331)はこのほど、金型向けのクラウドサービス「Manufacturing—Space(MS)」の最新版のサービスを開始した…

刃先交換式工具を拡充
MOLDINO

荒、仕上げ用など3製品  MOLDINO(東京都墨田区、03-6890-5101)はこのほど、刃先交換式工具シリーズから高送りラジアスミルなど3製品を発売した。製品ラインアップを拡充し、金型加工の多様なニーズに対応する。…

特集 : 金型づくりを変える6大テーマ
関連技術編

注目技術7選!! 放電加工機を遠隔保守三菱電機  iQ Care Remote4U(アイキューケアリモートフォーユー)  IoT技術を活用して、放電加工機の様々な情報を収集・蓄積し、遠隔地からリアルタイムで確認・診断する…

トピックス

関連サイト