金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

03

新聞購読のお申込み

この人に聞く
DMG森精機 森 雅彦社長

 金型の大型化ニーズが進んでいる。電気自動車の開発や環境規制により車の軽量化を図るため、大型部品のアルミ化や樹脂化、超高張力鋼板の採用が増加しているからだ。工作機械メーカーの中でも、金型の動向から大型加工機に注力し始めている。DMG森精機は伊賀事業所(三重県伊賀市)に大型5軸加工機である「DMU 340 Gantry」を設置し、顧客へのテスト加工を始めた。同社では今後の大型金型の市場をどう見ているのかを森雅彦社長に聞いた。

大型5軸加工機のテスト加工始める

大型金型の動向は。

 電気自動車の開発が進み、車のボディ部などの樹脂化が増加しており、グリル金型やインパネなど内装部品の大型金型には注目している。また、ヘッドランプの金型も大型化が進んでいる分野だ。そのほか、バスやトラック、ヨーロッパでは大型家電も有望な市場と見ている。大型金型の市場は今後、ますます高効率化が求められるだろう。

大型5軸加工機のラインアップを強化しました。強みは。

 すでにドイツでは大型5軸加工機の導入が進んでおり、もっと日本市場を攻めていきたい。これまで大型金型向け加工機に注力してこなかったが、「DMU 340 Gantry」をはじめ、ラインアップを強化した。従来の門形加工機は主軸速度が遅く難点だったが、当社の主軸を使えば2万回転または3万回転にも対応でき加工時間を短縮できる。5軸加工なので切削工具の一番良い箇所で削るため、面品位向上につながり、磨き時間の短縮も期待できる。レーザ加工機でテクスチャー(シボ加工)のセット提案も強みだ。

加工速度や品質活かし
大型金型の需要に応える

アディティブにも力を入れています。

 アディティブでプラ型の複雑な冷却水管が作れれば、かなり面白くなるだろう。一方、「LASERTEC 65 3D hybrid」は肉盛りによる鍛造型の金型補修ニーズが増えている。これまで5台納入し、鍛造型やジェットエンジンの補修で使われている。アディティブ分野は今年11月にドイツで開かれる積層技術専門展である「Formnext」に集中して披露する。

「DMU 340 Gantry」のテスト加工も始まりました。

 現状3、4カ月待ちの状態だ。大型ワークなので時間も1~2週間かかる。納期も13、14カ月で月2台しか作れない。そのため、加工工場であるポーランドのファモット工場に「DMU 600」を2台導入し、ドイツのフロンテン工場との連携を強化しながら、大型加工機の量産に注力するつもりだ。

金型しんぶん 2019年10月10日

関連記事

【金型の底力】キヤノンモールド世界に誇れる「見通せる工場」

世界一の金型メーカーへ 新本社工場が本格稼働 キヤノンモールドは移転を進めていた「本社・友部事業所」を7月から本格稼働させた。市内に分散していた工場を1か所に集約。自動化や人・モノの移動を減らすなどして、従来比で1.5倍…

山崎 達博さん 玉成と保全の技能を次代に教える【ひと】

鉄の板を金型でプレスすると起こる想定外の歪みや割れ。その原因を見極め、溶接と研磨で補正し、目指す品質に導いていく。解析が進化した今も、自動車のドアや骨格部品の金型は人による玉成がカギを握る。その技能を次代に教えている。 …

金型取引改善分科会会長 渡辺隆範氏に聞く 金型業界で足並みそろえ、値上げを実現【特集:どうする値上げ】

業界の弱体化は顧客にマイナス ユーザーと金型メーカーはどちらかが欠けても成り立たない「イコールパートナー」だと訴えてきました。我々の事業を安定させるためにも、値上げは粘り強く要求していくべきで、そのためには足並みをそろえ…

金型磨きロボット開発<br>近畿大学・理工学部 原田 孝教授

金型磨きロボット開発
近畿大学・理工学部 原田 孝教授

パラレルで力制御、高速・高精度  金型を自動で磨くロボットはかねてから望まれ、機械メーカーや研究機関が開発に挑んできた。近畿大学理工学部の原田孝教授もそのひとり。昨年、パラレルリンクやDDモータにより微妙な力加減を緻密に…

【新春特別インタビュー④】ツバメックス代表取締役・多田羅 晋由氏「緩やかな連携が進む、経営者は思考の変革を」

もっと広義な意味に 緩やかな連携が進む 経営者は思考の変革を 〜M&A・企業連携〜  1959年生まれ、大阪府出身。82年サンスター技研に入社、2005年同社代表取締役、19年2月ツバメックス代表取締役に就任し、…

トピックス

関連サイト