プロテリアル(東京都江東区)は今年、日立金属から社名を変更し、新たな歴史に向けて再出発した。4月には金属材料と機能部材の2事業本部から特殊鋼、電線、自動車部品など9事業部に移行し、組織体制を強化。意思決定の迅速化など組織…
【鳥瞰蟻瞰】碌々産業社長・海藤満氏「優れた人材の発掘と育成が新たな世界の創出につながる」

重要なのは加工技術者優れた人材の発掘・育成が、新たな世界の創出につながる
いまや我々の日常生活に不可欠なものとなったスマートフォンや極小な電子機器。これらは微細加工技術があったからこそ生まれました。ミクロンやナノといった精度が求められる微細加工では、機械や工具の進化も重要ですが、何より大事なのは、それらを駆使する加工技術者の存在です。
当社は微細加工を行うマシニングセンタを製造しています。「微細加工機のリーディングカンパニー」を目指し、高精度かつ高性能な機械を提供して微細金型や微細部品の加工に貢献しています。
しかし近年は要求精度が高度化し、機械の性能だけでその要求に応えるのが難しくなってきました。「機械」に加え、ワークを削る「工具」、加工プログラムを作る「ソフトウエア」、加工現場の「環境」を適切に組み合わせないと質の高い微細加工はできません。そこで当社は、この4つを合わせた「四位一体(よんみいったい)」での提案に注力するようになりました。
ただ、この取り組みを進めていくと、今度はこれらを組み合わせて操る加工技術者の重要性に気付きました。微細加工は卓越した技術力と並々ならぬこだわりを持った彼らがいて初めて可能になります。その結果、現在は「四位一体」に加工技術者を加えた「四位一体+One(ワン)」というコンセプトで最先端の微細加工を提案しています。
製造業の多くが「人材不足」を課題に挙げています。若い人材はITのような華やかな業界に行き、製造業には集まらない。また、加工技術者は表舞台に立つことが少なく、認知度や地位が高くない。もっと若い人たちが注目し、憧れる職業にするにはどうすれば良いか。そこで考えたのが、職業名を変えることでした。
自らの豊かな感性と創造性を働かせて物を作る加工技術者の姿は、「アーティスト」そのもの。そこに「マシニング」を組み合わせて、「マシニングアーティスト」と呼ぶことにしました。格好いい仕事だというイメージが発信できれば、若い人たちも振り向いてくれるのではないか。そう考えて、ロゴやステッカー、認定制度を作り、普及活動に取り組んでいます。
「マシニングアーティスト」に求められるものは何か。それは「データを駆使して分析できる力」です。これまでの職人は自らの手で機械や工具を操ることに長けた人でした。しかし、これからは工場のデジタル化が進み、現場に溢れるデータをいかに活用するかが重要になります。このデジタルデータを操り、微細加工を実現できる人、そして自らが得たスキルを後人に伝承できる人。これこそが新しい職人の姿ではないでしょうか。
今後、ITやAIなどを活用することで、金属加工の生産性は飛躍的に向上します。反面、人の介在する余地が無くなり、イノベーションは起きにくくなります。加工技術でのイノベーションは感性豊かな「マシニングアーティスト」にしか起こせません。こうした人材を発掘し、育てていくことが、また新たな技術や世界を作り出すことにつながるはずです。
金型新聞 2020年8月10日
関連記事
ササヤマが今期スタートした新中期経営計画「SAIMS247」。その中核事業となるのが金型製作期間の半減だ。デジタル技術や経験を駆使し金型づくりの大改革が進む。 全ての部品をQRで管理 材料に書かれたシリアルナンバー。入力…
自動車のボデー部品や排気系部品など手掛けるフタバ産業は1470MPa超ハイテン材の冷間プレス部品の量産を確立、今年1月に発売した新型プリウスに採用された。先代プリウスはホットスタンプを用いた部品を採用していたが、冷間プレ…
金型以外にも視野 原点から新たな発見 日本金型工業会東部支部天青会の会長に今年5月、就任した。「原点に立ち返って、色々な視点から根本を見直せるような活動をしていく」と今年度のテーマに「原点回帰」を掲げる。 天青会に入…
ミスミ(東京都文京区、03・5805・7050)は2022年9月、システム開発を手掛けるコアコンセプト・テクノロジー(東京都豊島区、以下CCT)との合弁会社「DTダイナミクス」を設立した。ミスミが提供するオンライン機械部…


