金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

05

新聞購読のお申込み

令和の金型産業ビジョン
日本金型工業会が策定

雇用と金型インフラ維持

 日本金型工業会(小出悟会長)は9月17日、6年ぶりに「令和時代の金型産業ビジョン」を策定した。日本の金型業界の目指す姿を「新たな価値提供を通じ、国内雇用と金型インフラを維持する」と設定。それを実現する戦略として、発注スペック通りの金型を作る「工場」から、顧客の視点に立って価値を提供し、利益を追求する「企業」への転換が必要だとした。そのために、連携や統合、デジタル化・自動化など6つの戦術が必要と指摘した。

顧客視点で新たな価値を

 6年ぶりの改訂となる今回は、目指すべき姿をビジョンとして示し、戦略(何をすべきか)、戦術(どうすべきか)を落とし込む形で提示した。

 目指すべき姿を「日本の金型メーカーが総力を結集し、新たな価値を顧客に提供することで、国内の雇用と金型生産インフラの維持」と設定。外需を取り込み、金型生産額1兆5000億円の堅持を基本に据えた。また、規模や型種別に各社の強みを発揮し、連携しながら、顧客の課題解決など新しい価値を提供することが重要とした。

 戦略については、まず発注スペック通りの金型づくりは終わりつつあると分析。ものを生産する単なる「工場」から、顧客にとっての価値を提供し、自らが利益を追求する「企業」への転換を促している。

 特に、重きを置いたのが顧客の価値の最大化だ。顧客が求める価値はQCD(品質・コスト・納期)だけでなく、製品の価値提供向上、面倒の払しょく、作業や能率向上など幅広いと指摘。視野を広くし、顧客が求める価値を最大化することが必要とした。

 戦略を実現していくための戦術として6つを提示。その一つが「連携・統合・協業」だ。部品での提供や、グローバル調達など、顧客の価値が多様化している中、顧客価値を最大化するには連携や統合が必要と指摘した。同業だけでなく、異業種や、川上、川下企業との連携、地域連携など様々なケースを例示した。

 「IoT/デジタル化/自動化」も必要と言及。ただ、単にデータを集めて何をするかを考えるのではなく、解決したい課題を設定し、手段としてIoTやデジタルを活用することが重要とした。

 「事業形態」では専業や兼業、国内特化型、海外に進出する場合を分類。それぞれの企業が、留意すべきことなどを紹介。「人材育成・確保」では、外部機関や、海外人材の活用、マネージャーや技術者など階層ごとの教育が必要だとした。

 他には「事業継続計画(BCP)の策定」、「健全な取引慣行の実現」を挙げ、日本の金型業界の未来を提示した。なお、ビジョンをより分かりやすく伝えるために、工業会のホームページ上で、動画で紹介する予定。

金型新聞 2020年10月2日

関連記事

【特集:2024年 金型加工技術5大ニュース】3.デジタル

管理、調達を効率化 近年の金型工場では人手不足が深刻化しており、デジタル技術の導入による製造工程や管理工程などの効率化に向けた取り組みが加速している。多くの企業がセンシング技術を活用した見える化をはじめ、ITツール導入に…

さくさく 切削工具販売サイトをオープン

さくさく 切削工具販売サイトをオープン

低価格で、欲しい工具探しやすく小規模工場の需要に応える  独自ブランド「さくさく」の切削工具などを販売するウェブサイト「さくさく」がオープンした。低価格帯の汎用的な工具を豊富に取り揃え、通販初心者にも欲しい工具を探しやす…

【金型テクノラボ】金沢大学設計製造技術研究所 金属3Dプリンタによる離型剤浸透金型の製作

金属3Dプリンタを用いた金型製作は、冷却水管の自由設計や複合工作機械による製造工程の短縮など、航空宇宙や医療と並ぶ3Dプリンタの特長が活かせる有力な分野だ。本稿では、3Dプリンタによる微細穴の造形技術を応用し、内部から離…

C&Gシステムズ キャムツール新版

大型金型の磨き削減 C&Gシステムズは、5軸マシニングセンタ(MC)対応CAD/CAM「キャムツール」の新版「V17.1」を発売した。切削痕を抑え、磨き工程の削減につながる機能などを強化した。 CL制御点を曲率に…

金型テクノラボ
熊本精研工業「金型製作の現場が生んだ、カメラによる機上測定」

 ワークの形状を測定するため加工機から取り外し、再び同じ状態に戻すのは極めて難しい。しかしその課題を解決する技術の一つとして近年、注目されているのが機上測定だ。今回の金型テクノラボは、金型メーカーが測定時間の短縮や加工ミ…

トピックス

関連サイト