金型の魅力を届ける元タカラジェンヌ 元宝塚歌劇団男役で、昨年から「金型大使」として活動を始めた。静岡県内を中心に金型メーカーを訪問し、エンターテインメントの世界で培った研ぎ澄まされた感性を武器に新たな角度から金型の魅力を…
令和の金型産業ビジョン
日本金型工業会が策定
雇用と金型インフラ維持
日本金型工業会(小出悟会長)は9月17日、6年ぶりに「令和時代の金型産業ビジョン」を策定した。日本の金型業界の目指す姿を「新たな価値提供を通じ、国内雇用と金型インフラを維持する」と設定。それを実現する戦略として、発注スペック通りの金型を作る「工場」から、顧客の視点に立って価値を提供し、利益を追求する「企業」への転換が必要だとした。そのために、連携や統合、デジタル化・自動化など6つの戦術が必要と指摘した。
顧客視点で新たな価値を
6年ぶりの改訂となる今回は、目指すべき姿をビジョンとして示し、戦略(何をすべきか)、戦術(どうすべきか)を落とし込む形で提示した。
目指すべき姿を「日本の金型メーカーが総力を結集し、新たな価値を顧客に提供することで、国内の雇用と金型生産インフラの維持」と設定。外需を取り込み、金型生産額1兆5000億円の堅持を基本に据えた。また、規模や型種別に各社の強みを発揮し、連携しながら、顧客の課題解決など新しい価値を提供することが重要とした。
戦略については、まず発注スペック通りの金型づくりは終わりつつあると分析。ものを生産する単なる「工場」から、顧客にとっての価値を提供し、自らが利益を追求する「企業」への転換を促している。
特に、重きを置いたのが顧客の価値の最大化だ。顧客が求める価値はQCD(品質・コスト・納期)だけでなく、製品の価値提供向上、面倒の払しょく、作業や能率向上など幅広いと指摘。視野を広くし、顧客が求める価値を最大化することが必要とした。
戦略を実現していくための戦術として6つを提示。その一つが「連携・統合・協業」だ。部品での提供や、グローバル調達など、顧客の価値が多様化している中、顧客価値を最大化するには連携や統合が必要と指摘した。同業だけでなく、異業種や、川上、川下企業との連携、地域連携など様々なケースを例示した。
「IoT/デジタル化/自動化」も必要と言及。ただ、単にデータを集めて何をするかを考えるのではなく、解決したい課題を設定し、手段としてIoTやデジタルを活用することが重要とした。
「事業形態」では専業や兼業、国内特化型、海外に進出する場合を分類。それぞれの企業が、留意すべきことなどを紹介。「人材育成・確保」では、外部機関や、海外人材の活用、マネージャーや技術者など階層ごとの教育が必要だとした。
他には「事業継続計画(BCP)の策定」、「健全な取引慣行の実現」を挙げ、日本の金型業界の未来を提示した。なお、ビジョンをより分かりやすく伝えるために、工業会のホームページ上で、動画で紹介する予定。
金型新聞 2020年10月2日
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