金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

23

新聞購読のお申込み

I‐PEX 金型棟新設

福岡2工場の設計・製造を集約

新設する金型棟

 電子部品や自動車部品を手掛けるI‐PEX(京都市伏見区、075-611-7155)は、技術部門の中核拠点I‐PEXキャンパス(福岡県小郡市)に金型棟を新設する。福岡県の2工場の金型開発と製造を集約し、品質や生産効率を高める。金型のマザー工場と位置付け、ここで開発した金型をグループの工場に供給するほか、その技術をほかの金型工場でも活用する。

 金型棟は敷地面積約6660㎡、1階建てで、I‐PEXキャンパスの敷地内に2020年12月に着工し22年12月に完成、22年春に操業を始める。主にコネクタを生産する小郡工場(福岡県小郡市)と自動車部品を製造する大野城工場(同県大野城市)の金型部門を移管する。金型生産用の設備も新たに導入する。建物や設備などの総投資額は約30億円。

 I‐PEXは1963年に創業(旧社名・第一精工)。電子機器などの精密金型を手掛け、電子機器用や車載用コネクタ、車載センサなどの量産へ事業を拡大。生産・営業拠点を世界11カ国に展開し、近年はスマートフォンや高機能化する自動車向けに販路を広げる計画。しかし国内の中核拠点の福岡2工場が手狭になりつつあった。

 2工場の金型部門を移管するI‐PEXキャンパスは九州情報大学小郡キャンパスの跡地。2019年に跡地を取得して校舎を改修し、管理部門(約70人)や技術部門(約330人)が異動。金型棟には2工場の金型部門(約135人)が勤務する計画。2工場の技術と製造部門が密接に連携し品質や生産性の向上、高度な金型の研究開発に取り組み、そこで培った技術を海外工場などで活かす。

 I‐PEX(当時・第一精工)は1990年代の半ばからコネクタなどのファブレス企業アイペックスと提携。アイペックスが開発した細線同軸コネクタ「CABLINE」など数々のコネクタを手掛け、2004年には子会社化した。5Gや自動車の電動化、IoTなどの市場の動きに挑む姿勢を示し、グローバルでの認知度を広げるため、2020年8月、社名をI‐PEXに変更した。

金型新聞 2020年11月10日

関連記事

広州丸順 中国金型メーカーと提携

受注拡大、相互補完を目指す 丸順の連結子会社・広州丸順汽車配件が中国四川省の金型メーカー成都普什汽車摸具と中国市場における金型及び自動車部品に関する戦略的業務提携契約を締結する。 市場拡大が続く中国自動車市場において、金…

平岡工業 精密部品加工・調達代行【特集:金型メーカーのコト売り戦略】

調達の効率化サポート 自動車のウェザーストリップのゴム金型や切断折曲機などを手掛ける平岡工業のもう一つの事業が、精密部品加工・調達代行サービスだ。金型や切断折曲機で培った技術や協力企業とのネットワークを活かし様々なニーズ…

七宝金型工業 焼き嵌め工具の自動交換装置を開発

人的ミス、作業時間を削減 ダイカスト金型メーカーの七宝金型工業(愛知県津島市、0567-24-8787)は工作機械や研削機の設計製造を手掛けるサンテック(滋賀県草津市)と共同で、焼き嵌めホルダと切削工具の着脱を自動化する…

TOWA 2020年4-12月期売上高10.2%増の207億円

TOWA 2020年4-12月期売上高10.2%増の207億円

5G向け半導体装置がけん引金型は11.8%増の62億7500万円 TOWAの2020年4-12月期の連結売上高は、前年同期比10.2%増の207億1500万円だった。次世代通信規格5G関連製品などの需要拡大に伴う半導体メ…

ものレボ TProjectと提携し「TULIP」の販売代理店に

製造現場の業務支援・改善プラットフォーム「TULIP」を販売するT Project(東京都江東区)と中小製造業のデジタル化を推進する工程管理SaaS「ものレボ」を提供するものレボ(京都市中京区)は業務提携し、ものレボが「…

トピックス

関連サイト