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金型保全技術者育成講座
20年度、受講者が成果発表
大分の金型技術底上げへ

大分県で操業する自動車部品メーカーの技術者が金型の保全技術を学ぶ「金型保全技術者育成講座」の2020年度のカリキュラムが終了した。12月12日、大分県立工科短期大学校(大分県中津市)で修了式が開かれ、受講者は講習での成果や体験を発表。主催者や講師は、保全マンとして活躍し北部九州の自動車産業振興に貢献して欲しいとエールを送った。
「経験が浅く溶接は難しかった。けれど丁寧に指導を受け、金型のバリの原因を修理できた。達成感を得ることができた」。修了式に先立ち開かれた成果報告会。射出成形金型の保全を学ぶコースを受講した富双シートの植杉さんは、講習での体験や感想をこう話した。
射出成形金型のコースは、バリの出るコップの金型を教材として、その補修の基礎を学ぶ。5~12月までの計7回、金型補修の大阪精密が講師をつとめ、同工科短期大学校の実習室で、座学や実習で金型の精密肉盛溶接と手仕上げを講習した。
指導にあたった大阪精密の北野綱一社長は、「金型に不具合が出ると生産活動が滞る。金型保全は欠かせない。この講座で習得した技術を日々の仕事に生かし、そして次世代に継承してものづくり業界に貢献して欲しい」と受講者に呼び掛けた。
講座は、射出成形金型(4人・4社)のほか、プレス金型の保全(8人・7社)、溶接と仕上げの技能を学ぶ(6人・5社)の計3コース。半年の間、プレス金型はダイハツ九州の技術者が自社工場で、溶接と仕上げはプレス金型メーカー明星金属工業の技術者が同工科短期大学校で講義を開いた。
今年度で11年を迎えるこの講座の目的は、大分県で不足している金型保全技術者の育成。この十数年、大分にはダイハツ工業をはじめ自動車部品メーカーが生産拠点を新設。しかし地元の部品メーカーには保全の経験が乏しく、関西や関東の企業に依頼することが多かった。
そこで大分県や同工科短期大学校、大分県自動車関連企業会は、ダイハツ九州や明星金属工業、大阪精密の協力を得て、講座を2010年にスタート。この11年で延べ164人(140社)が学び、保全の現場で活躍する。
保全技術者育成で目指すのは、大分など北部九州の自動車産業の発展。ダイハツ九州の泉谷卓司社長は、「金型はものづくりの生命線。技能を磨き続けて欲しい」、同工科短期大学校の台博治校長は、「この講座で生まれた人のネットワークを実務で生かして欲しい。自動車産業の振興に貢献することを期待している」とエールを送った。
大分県立工科短期大学校 台博 治校長に聞く
競技会でレベル底上げ
技能が品質保証の基準に
技能が品質保証の基準に

大分県をはじめ北部九州の自動車産業の振興を目標に掲げる「金型保全技術者育成講座」。主催する大分県立工科短期大学校の臺博治校長に、今後目指していることを聞いた。
今年はコロナ禍での講習となりました。実習では密になりかねない場面は多いですが、検温、マスク着用、消毒を徹底しました。誰一人感染することなく無事、全てのカリキュラムを終えました。
受講者は現在、部品メーカーで金型に携わる技術者が殆どです。けれど実際の生産現場で金型を使うのはオペレータです。今後はオペレータにも参加してもらい保全の技術を身につけて欲しい。
この講座は今年度で11年を迎えました。今では県の自動車や部品メーカーで、講座を修了した経験が技能レベルの評価の一つの物差しになっているようです。
その物差しは技術者にとどまらず、大分県などこの北部九州地域の自動車産業に関わる企業で、金型保全の技能の品質を保証する一つのスタンダードとなることを願っています。
そして、いつか金型保全の競技会も開きたい。技術交流の場となるだけでなく、保全マンにとって一つの目標となれば、この地域の保全レベルやそれに関するマネジメント力も底上げするのでは、と思っています。
金型新聞 2020年12月23日
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