機上計測で戻りない加工 自動車のエアコンの吹き出し口の「レジスター」や、ミリ波レーダーを透過できるエンブレムなどのプラスチック金型を手掛ける谷ダイ・モールド。2023年に機械加工専用の第2工場を稼働させた。狙いは「工場が…
短時間でプレス解析 南工【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】
トライ後の改修減らし生産性アップ
自動車の骨格部品などのプレス金型を手掛ける南工は昨年、解析速度の速いプレスシミュレーションソフトを導入した。短期間で高精度の塑性変形予測を割り出し、設計品質を高め、トライ後の改修時間も短縮。金型の生産効率を改善している。
南工が手掛けるのは、曲げや絞り、穴あけなど複数の加工を要する部品の金型。その中でも自動車で採用が進むハイテン材(超高張力鋼板)の部品は引張強度が高いためスプリングバックなど塑性変形を予測するのが難しい。

新たに導入した「オートフォーム」は解析速度が速いのが特長。解析1回に要する時間は長くても約1時間。最短だと僅か数秒でプレスした後の部品のシワや割れ、スプリングバックなどを高精度に予測できる。
それまでのソフトの解析時間は平均12時間。解析を20~30回と重ねると1カ月~1カ月半と時間がかかる。そのため生産計画の予定が迫り、良好な解析結果が出ないまま加工に取り掛かることも。解析は時間と精度が不安定なのが当たり前だった。

しかしオートフォームは解析時間が短く、何度もやり直し探究できる。「その結果を金型設計に活かすことで初回のトライで約90点の品質に。そのためトライ後の改修の回数と手間が大幅に減り、金型の生産効率が高まった」(CAD/CAE課:山田課長)。
それにより生産計画の確度も改善した。南工では金型を年約180型生産する。そのため常に数型の製作と改修作業が同時並行で進む。「計画の見通しが良くなり時間に余裕が生まれた。それにより新たな仕事を受注し、生産型数が増えた」(成本博光専務)。
さらに生産計画よりも早く金型が完成することもあり金型の設計変更などにも柔軟に対応できるようになった。また、解析結果でプレス工法が不成立と判断した仕事を正しく客先に提案できるようにもなったという。
金型設計を主力としていた南工は2005年頃から金型の設計製作に事業をシフト。品質にこだわり金型を手掛けてきた。解析の活用はその一貫。「この力を活かして自動車をはじめ幅広い分野の金型製作に挑戦したい」(成本聡社長)。
会社概要
- 本社:広島市佐伯区五日市町石内3293
- 電話:082・941・4440
- 代表者:成本聡社長
- 従業員数:36人
- 事業内容:自動車の骨格や足回り部品などのプレス金型設計製作
金型新聞 2023年5月10日
関連記事
放電加工機やマシニングセンタ(MC)、自動化システムなどを手掛けるスイス・GFマシニングソリューションズ。今年1月、日本法人(東京都品川区、03-5769-5010)の社長にローラン・キャステラ氏が就任した。今後、金型メ…
自動車やオートバイ用エンジンなどの金型を手掛けるフジは、金属積層造形(AM)と5軸複合加工ができるDMG森精機の「LASERTEC65 DED hybrid」を2022年6月に導入した。国内で約10台しか導入されていない…
平面研削加工はこれまで、加工条件の設定や砥石の管理に高い技能が必要なため熟練技能者の存在が不可欠だった。しかし近年、自動化技術をはじめとする様々な機能を搭載する平面研削盤の登場で、誰でも簡単に加工できるようになりつつある…
金型産業 発展へ 日本金型工業会 5つの施策 出席者 エムエス製作所社長 迫田 幸博氏 小出製作所社長 小出 悟氏 長津製作所会長 牧野 俊清氏 日進精機相談役 加藤 忠郎氏 野田金型社長 堀口 展男氏 2月号で…
