金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

28

新聞購読のお申込み

短時間でプレス解析 南工【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

トライ後の改修減らし生産性アップ

自動車の骨格部品などのプレス金型を手掛ける南工は昨年、解析速度の速いプレスシミュレーションソフトを導入した。短期間で高精度の塑性変形予測を割り出し、設計品質を高め、トライ後の改修時間も短縮。金型の生産効率を改善している。

南工が手掛けるのは、曲げや絞り、穴あけなど複数の加工を要する部品の金型。その中でも自動車で採用が進むハイテン材(超高張力鋼板)の部品は引張強度が高いためスプリングバックなど塑性変形を予測するのが難しい。

最短数秒でシワや割れを解析できる

新たに導入した「オートフォーム」は解析速度が速いのが特長。解析1回に要する時間は長くても約1時間。最短だと僅か数秒でプレスした後の部品のシワや割れ、スプリングバックなどを高精度に予測できる。

それまでのソフトの解析時間は平均12時間。解析を20~30回と重ねると1カ月~1カ月半と時間がかかる。そのため生産計画の予定が迫り、良好な解析結果が出ないまま加工に取り掛かることも。解析は時間と精度が不安定なのが当たり前だった。

解析結果を金型設計に活かし初回のトライで約90点の品質に

しかしオートフォームは解析時間が短く、何度もやり直し探究できる。「その結果を金型設計に活かすことで初回のトライで約90点の品質に。そのためトライ後の改修の回数と手間が大幅に減り、金型の生産効率が高まった」(CAD/CAE課:山田課長)。

それにより生産計画の確度も改善した。南工では金型を年約180型生産する。そのため常に数型の製作と改修作業が同時並行で進む。「計画の見通しが良くなり時間に余裕が生まれた。それにより新たな仕事を受注し、生産型数が増えた」(成本博光専務)。

さらに生産計画よりも早く金型が完成することもあり金型の設計変更などにも柔軟に対応できるようになった。また、解析結果でプレス工法が不成立と判断した仕事を正しく客先に提案できるようにもなったという。

金型設計を主力としていた南工は2005年頃から金型の設計製作に事業をシフト。品質にこだわり金型を手掛けてきた。解析の活用はその一貫。「この力を活かして自動車をはじめ幅広い分野の金型製作に挑戦したい」(成本聡社長)。

会社概要

  • 本社:広島市佐伯区五日市町石内3293
  • 電話:082・941・4440
  • 代表者:成本聡社長
  • 従業員数:36人
  • 事業内容:自動車の骨格や足回り部品などのプレス金型設計製作

金型新聞 2023年5月10日

関連記事

三菱電機 誰でも簡単に高品位加工【特集:放電加工〜最新技術はこう使え〜】

ワイヤ放電加工機「MGシリーズ」、加工条件設定にAI活用 ワーク形状によって微妙な加工条件の設定が必要になるため、技能者によって加工レベルに差が出るワイヤ放電加工。三菱電機が13年ぶりに刷新したワイヤ放電加工機「MGシリ…

切削油をオーダーメイド
サンコーオイル

 「お客様が求める油を作りたい」と語るのは、サンコーオイルの菅大祐専務。同社ではユーザーが求める価格帯や性能、さらには環境への影響まで考慮し、オーダーメイドで切削油の製造を行い、好評を得ている。  切削油のオーダーメイド…

シミュレーションソフト【Breakthrough!】

金型のユーザーニーズとして普遍的なものが短納期化。昨今は開発期間の短縮など金型生産に費やす時間が短くなっているほか、コスト削減のため工数削減(手戻り削減)が大きな課題となっている。そこで重要なのがCAEの有効活用だ。近年…

日本特殊光学樹脂 高精度・高品質の樹脂レンズ【特集:ものづくりを変えるレンズ金型】

支える3つのコア技術、大型機導入、 新分野の提案も フレネルレンズをはじめとする特殊なプラスチックレンズの金型製造から成形までを手掛ける日本特殊光学樹脂。同社は分解能10ピコメートル(1000億分の1メートル)の加工機を…

【金型の底力】キヤノンモールド世界に誇れる「見通せる工場」

世界一の金型メーカーへ 新本社工場が本格稼働 キヤノンモールドは移転を進めていた「本社・友部事業所」を7月から本格稼働させた。市内に分散していた工場を1か所に集約。自動化や人・モノの移動を減らすなどして、従来比で1.5倍…

トピックス

関連サイト