金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

10

新聞購読のお申込み

短時間でプレス解析 南工【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

トライ後の改修減らし生産性アップ

自動車の骨格部品などのプレス金型を手掛ける南工は昨年、解析速度の速いプレスシミュレーションソフトを導入した。短期間で高精度の塑性変形予測を割り出し、設計品質を高め、トライ後の改修時間も短縮。金型の生産効率を改善している。

南工が手掛けるのは、曲げや絞り、穴あけなど複数の加工を要する部品の金型。その中でも自動車で採用が進むハイテン材(超高張力鋼板)の部品は引張強度が高いためスプリングバックなど塑性変形を予測するのが難しい。

最短数秒でシワや割れを解析できる

新たに導入した「オートフォーム」は解析速度が速いのが特長。解析1回に要する時間は長くても約1時間。最短だと僅か数秒でプレスした後の部品のシワや割れ、スプリングバックなどを高精度に予測できる。

それまでのソフトの解析時間は平均12時間。解析を20~30回と重ねると1カ月~1カ月半と時間がかかる。そのため生産計画の予定が迫り、良好な解析結果が出ないまま加工に取り掛かることも。解析は時間と精度が不安定なのが当たり前だった。

解析結果を金型設計に活かし初回のトライで約90点の品質に

しかしオートフォームは解析時間が短く、何度もやり直し探究できる。「その結果を金型設計に活かすことで初回のトライで約90点の品質に。そのためトライ後の改修の回数と手間が大幅に減り、金型の生産効率が高まった」(CAD/CAE課:山田課長)。

それにより生産計画の確度も改善した。南工では金型を年約180型生産する。そのため常に数型の製作と改修作業が同時並行で進む。「計画の見通しが良くなり時間に余裕が生まれた。それにより新たな仕事を受注し、生産型数が増えた」(成本博光専務)。

さらに生産計画よりも早く金型が完成することもあり金型の設計変更などにも柔軟に対応できるようになった。また、解析結果でプレス工法が不成立と判断した仕事を正しく客先に提案できるようにもなったという。

金型設計を主力としていた南工は2005年頃から金型の設計製作に事業をシフト。品質にこだわり金型を手掛けてきた。解析の活用はその一貫。「この力を活かして自動車をはじめ幅広い分野の金型製作に挑戦したい」(成本聡社長)。

会社概要

  • 本社:広島市佐伯区五日市町石内3293
  • 電話:082・941・4440
  • 代表者:成本聡社長
  • 従業員数:36人
  • 事業内容:自動車の骨格や足回り部品などのプレス金型設計製作

金型新聞 2023年5月10日

関連記事

メンテナンスに革命を 清水一蔵氏(福井精機工業社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められてい…

5年で売上高30億円
ジェービーエム 小谷 幸次社長に聞く

 Mastercamの世界販売1位を記録するジェービーエムは今年、創業50周年を迎えた。同社は近年、CAD/CAMのほか、ロボットシミュレーション、計測、積層技術など幅広い分野のソフトウェアを拡充し、生産現場の自動化・省…

リーダーの条件Part2
金型メーカーアンケート

52人が考える、リーダーが持つべきもの  自動車の電動化や市場のグローバリズムが加速する混沌とした時代。金型メーカーの経営者は、この新時代にどのような能力が必要と感じているのか。進むべき方向を示す「決断力」か、恐れず挑戦…

ナガセインテグレックス 超精密加工を自動で、軽く強い機械だから可能に【特集:金型づくりを自動化する】

スマートシステム ナガセインテグレックスは、超精密化・省人化を実現する各種加工ソフト「スマートシステム」をオプションで提供している。「IGTARP DESIGN(イグタープデザイン)」をコンセプトに製作したSGDシリーズ…

KMC 社長 佐藤 声喜氏
〜鳥瞰蟻瞰〜

IOTの狙いはスピード 現場の正しい情報捉え、瞬時に改善することが重要  金型メーカーが今より儲けるためには、受注を増やすか、製造原価を下げるかの2つ。では、どうやってそれを実現するか。私は「スピード」だと考えています。…

トピックス

関連サイト