金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

13

新聞購読のお申込み

短時間でプレス解析 南工【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

トライ後の改修減らし生産性アップ

自動車の骨格部品などのプレス金型を手掛ける南工は昨年、解析速度の速いプレスシミュレーションソフトを導入した。短期間で高精度の塑性変形予測を割り出し、設計品質を高め、トライ後の改修時間も短縮。金型の生産効率を改善している。

南工が手掛けるのは、曲げや絞り、穴あけなど複数の加工を要する部品の金型。その中でも自動車で採用が進むハイテン材(超高張力鋼板)の部品は引張強度が高いためスプリングバックなど塑性変形を予測するのが難しい。

最短数秒でシワや割れを解析できる

新たに導入した「オートフォーム」は解析速度が速いのが特長。解析1回に要する時間は長くても約1時間。最短だと僅か数秒でプレスした後の部品のシワや割れ、スプリングバックなどを高精度に予測できる。

それまでのソフトの解析時間は平均12時間。解析を20~30回と重ねると1カ月~1カ月半と時間がかかる。そのため生産計画の予定が迫り、良好な解析結果が出ないまま加工に取り掛かることも。解析は時間と精度が不安定なのが当たり前だった。

解析結果を金型設計に活かし初回のトライで約90点の品質に

しかしオートフォームは解析時間が短く、何度もやり直し探究できる。「その結果を金型設計に活かすことで初回のトライで約90点の品質に。そのためトライ後の改修の回数と手間が大幅に減り、金型の生産効率が高まった」(CAD/CAE課:山田課長)。

それにより生産計画の確度も改善した。南工では金型を年約180型生産する。そのため常に数型の製作と改修作業が同時並行で進む。「計画の見通しが良くなり時間に余裕が生まれた。それにより新たな仕事を受注し、生産型数が増えた」(成本博光専務)。

さらに生産計画よりも早く金型が完成することもあり金型の設計変更などにも柔軟に対応できるようになった。また、解析結果でプレス工法が不成立と判断した仕事を正しく客先に提案できるようにもなったという。

金型設計を主力としていた南工は2005年頃から金型の設計製作に事業をシフト。品質にこだわり金型を手掛けてきた。解析の活用はその一貫。「この力を活かして自動車をはじめ幅広い分野の金型製作に挑戦したい」(成本聡社長)。

会社概要

  • 本社:広島市佐伯区五日市町石内3293
  • 電話:082・941・4440
  • 代表者:成本聡社長
  • 従業員数:36人
  • 事業内容:自動車の骨格や足回り部品などのプレス金型設計製作

金型新聞 2023年5月10日

関連記事

ウエブサイトやSNS活用し、見込み顧客発掘 【特集:営業ってどうする?】

金型メーカーの新規顧客の開拓方法が変わりつつある。これまでの直接訪問やテレアポといった手法から、インターネットやスマホの普及、コロナ禍で急速に進展した非対面活動の拡大によって、ウエブサイトやSNSなどを使って情報を発信し…

自動車の電動化想定し、大型で複雑・高精度なプレス技術を開発[プレス加工技術最前線]

自動車の電動化や軽量化ニーズの高まり、短納期化、熟練作業者の減少など、プレス加工を取り巻く環境は大きく変化している。プレス加工メーカーへの要求も高度化しており、これまで以上に技術革新を進め、変化するニーズに対応することが…

【特集:新春金型座談会2026】日本の金型メーカーが勝ち残るカギは何か(Part2)

山中社長が考える勝ち残るカギ 「市場拡大」 技術力で多大な開拓の余地 司会 国内需要が縮小するなかで海外市場の開拓は多くの金型メーカーの課題です。山中社長(ヤマナカゴーキン)は勝ち残るカギに「市場拡大」を挙げられました。…

【新春特別インタビュー②】大垣精工会長・上田 勝弘氏「他社よりも一歩先へ、好循環生まれる体制を」

勝負は中身だ 他社よりも一歩先へ 好循環生まれる体制を 〜技術開発の必要性〜  1939年生まれ、滋賀県出身。立命館大学法学部卒、61年に大垣市内にある会社に就職したのち、68年に同社(大垣精工)を創業。超精密プレス金型…

この人に聞く
ニチダイ 伊藤 直紀 副社長

 冷間鍛造金型などを手掛けるニチダイは2018年3月期、目標としていた売上高150億円を超え、19年3月期には売上高174億円と過去最高を更新。だが、昨年から続く米中貿易摩擦や新型コロナウィルスの感染拡大に加え、主要顧客…

トピックス

関連サイト