中小製造業のグループ化事業に集中できる環境を整備優れた技術守り次代につなぐ 2006年に金型ベンチャー企業から父が経営するねじメーカーの由紀精密に入社しました。そこで感じたのは企業規模が小さすぎて、あらゆる機能が無さすぎ…
試作回数を半分に削減 大阪銘板【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】
自社商品の生産性アップ
大阪銘板は自動車などのプラスチック内外装製品などを中心に金型から成形、二次加工までを手掛ける。グループ全体で4つの生産拠点を持ち、型締め力100~2000tクラスのプラスチック製品を生産している。
同社がシミュレーションを活用し始めたのは20年ほど前。得意とする1m以上の大型品は不具合を事前に予測するのが困難で、何度も試作を繰り返しており、量産立ち上げまでのリードタイムの長さが課題だった。

こうした問題を解消するために同社が導入したのが、オートデスク社のプラスチック射出成形解析ソフトウエア「Moldflow」。現在、3ライセンスを導入し、各生産拠点で解析できる体制を構築している。
主に使用する場面は3つ。一つは受注する段階。シミュレーションで成形機の型締め力や、金型の難易度などを確認し、見積もりを算出する。もう一つは金型の設計段階。ランナーバランスなどを事前に検証し、金型設計に反映させている。

そして3つ目が製品完成後。成形品の反りやショートショットなど、事前検証で予測できなかった不具合が発生した際の対策検討に活用する。シミュレーションで成形品の形状や成形条件の変更などを行い、顧客に解決策を提案している。
同ソフトの導入によって、試作回数を大幅に削減できたという。「導入前と比べて、半分ほどに減らすことができた」(技術イノベーションセンターエンジニアの高原龍秀氏)。量産立ち上げまでのリードタイムを大幅に短縮し、試作にかかるコストの削減も実現した。
また、成形サイクルタイムの短縮にもつなげている。自社商品の足洗いブラシ「ヘルシーフットウォッシャー」ではシミュレーションを活用し、成形条件や金型を最適化。サイクルタイムを60%ほど短縮したという。
同社では今後、環境配慮材を使った製品や金型・成形技術の開発に取り組む。今年2月には環境配慮材を使用した自社商品を発売した。「今後、環境配慮材は工業用製品でも活用される可能性がある。シミュレーションを使い、こうした素材への対応にも取り組んでいきたい」(技術イノベーションセンターの山口莉嘉氏)。
会社概要
- 本社:大阪府東大阪市七軒家18-15
- 電話:06・6745・6309
- 代表者:山口徹社長
- 従業員数:290人(グループ全体)
- 事業内容:プラスチック製品の製造、超精密金型製作など
金型新聞 2023年5月10日
関連記事
自動車の電動化や軽量化ニーズの高まり、短納期化、熟練作業者の減少など、プレス加工を取り巻く環境は大きく変化している。プレス加工メーカーへの要求も高度化しており、これまで以上に技術革新を進め、変化するニーズに対応することが…
「設計の効率化は業務フロー全体を見直さないと意味がない」。そう話すのは、日本デザインエンジニアリングの岩壁清行社長。同氏は長年自身も金型づくりに携わり、近年ではフィリピンで設計支援を手掛ける。また、20年以上前から、日…
厳しくなる世界各国の燃費規制に対応するため電気自動車(EV)を始めとする、次世代自動車の浸透スピードは加速している。加えて、自動運転も次世代技術として注目を集めている。こうした自動車の変化は金型にどう影響するのか。電動…
デジタル技術の進化で、相次いで登場する新技術。次世代の匠はそれらの技術を金型づくりにどのように活かしているのか。また、それら能力を習得するには、どのようなスキルや育成が必要なのか。本特集では、様々ある新技術の中でも、次世…


