金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

07

新聞購読のお申込み

試作回数を半分に削減 大阪銘板【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

自社商品の生産性アップ

大阪銘板は自動車などのプラスチック内外装製品などを中心に金型から成形、二次加工までを手掛ける。グループ全体で4つの生産拠点を持ち、型締め力100~2000tクラスのプラスチック製品を生産している。

同社がシミュレーションを活用し始めたのは20年ほど前。得意とする1m以上の大型品は不具合を事前に予測するのが困難で、何度も試作を繰り返しており、量産立ち上げまでのリードタイムの長さが課題だった。

今年1月発売の環境配慮材を使用した自社製品

こうした問題を解消するために同社が導入したのが、オートデスク社のプラスチック射出成形解析ソフトウエア「Moldflow」。現在、3ライセンスを導入し、各生産拠点で解析できる体制を構築している。

主に使用する場面は3つ。一つは受注する段階。シミュレーションで成形機の型締め力や、金型の難易度などを確認し、見積もりを算出する。もう一つは金型の設計段階。ランナーバランスなどを事前に検証し、金型設計に反映させている。

解析結果で顧客に解決策を提案する

そして3つ目が製品完成後。成形品の反りやショートショットなど、事前検証で予測できなかった不具合が発生した際の対策検討に活用する。シミュレーションで成形品の形状や成形条件の変更などを行い、顧客に解決策を提案している。

同ソフトの導入によって、試作回数を大幅に削減できたという。「導入前と比べて、半分ほどに減らすことができた」(技術イノベーションセンターエンジニアの高原龍秀氏)。量産立ち上げまでのリードタイムを大幅に短縮し、試作にかかるコストの削減も実現した。

また、成形サイクルタイムの短縮にもつなげている。自社商品の足洗いブラシ「ヘルシーフットウォッシャー」ではシミュレーションを活用し、成形条件や金型を最適化。サイクルタイムを60%ほど短縮したという。

同社では今後、環境配慮材を使った製品や金型・成形技術の開発に取り組む。今年2月には環境配慮材を使用した自社商品を発売した。「今後、環境配慮材は工業用製品でも活用される可能性がある。シミュレーションを使い、こうした素材への対応にも取り組んでいきたい」(技術イノベーションセンターの山口莉嘉氏)。

会社概要

  • 本社:大阪府東大阪市七軒家18-15
  • 電話:06・6745・6309
  • 代表者:山口徹社長
  • 従業員数:290人(グループ全体)
  • 事業内容:プラスチック製品の製造、超精密金型製作など

金型新聞 2023年5月10日

関連記事

金型経営者アンケート 次の10年を勝ち残るために取り組むこととは?【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

自動車の電動化などによる金型需要の変化、少子高齢化による人手不足、アディティブ・マニファクチャリング(AM=付加製造)を始めとした新たな製造技術や技術革新―。金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型…

トップインタビュー 立松モールド工業 立松  宏樹社長<br>全ては人材育成のため

トップインタビュー 立松モールド工業 立松 宏樹社長
全ては人材育成のため

冶具、成形、部品… ポートフォリオ構築  今年6月に創業60周年を迎えた大型プラスチック金型を手掛ける立松モールド工業。60年を機に、事業部制を採用し、成形の強化、冶具や部品の販売など金型をコアに事業ポートフォリオを構築…

三恵技研工業 増肉加工、超ハイテン冷間プレス【特集:プレス加工の未来】

自動車用マフラーやボディ部品などを手掛ける三恵技研工業(東京都北区、03・3902・8200)は近年、プレス加工の技術開発に力を入れる。主要顧客である自動車産業でEV化や現地生産化が進み、事業環境が大きく変化する中、増肉…

進む自動化・見える化 複数の加工工程を集約する生産システムの構築【特集:2022年金型加工技術5大ニュース】

金型づくりの世界では、自動化やAM、脱炭素向けなどの最新技術が数多く登場し続けている。その進化は止まることがなく、4年ぶりに開催されたJIMTOF2022でも多数の最新技術が披露され、注目を集めた。今年最後となる本特集で…

加工現場でも対応進むカーボンニュートラル CO2排出量の見える化【特集:2022年金型加工技術5大ニュース】

金型づくりの世界では、自動化やAM、脱炭素向けなどの最新技術が数多く登場し続けている。その進化は止まることがなく、4年ぶりに開催されたJIMTOF2022でも多数の最新技術が披露され、注目を集めた。今年最後となる本特集で…

トピックス

関連サイト