経済産業省は3月28日、金型を始めとした日本の素形材産業が今後進むべき方向性についてまとめた「素形材産業ビジョン」を12年ぶりに公表した。3代目となる2025年版ビジョンでは、日本の素形材産業の現状や課題をまとめ、204…
試作回数を半分に削減 大阪銘板【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】
自社商品の生産性アップ
大阪銘板は自動車などのプラスチック内外装製品などを中心に金型から成形、二次加工までを手掛ける。グループ全体で4つの生産拠点を持ち、型締め力100~2000tクラスのプラスチック製品を生産している。
同社がシミュレーションを活用し始めたのは20年ほど前。得意とする1m以上の大型品は不具合を事前に予測するのが困難で、何度も試作を繰り返しており、量産立ち上げまでのリードタイムの長さが課題だった。

こうした問題を解消するために同社が導入したのが、オートデスク社のプラスチック射出成形解析ソフトウエア「Moldflow」。現在、3ライセンスを導入し、各生産拠点で解析できる体制を構築している。
主に使用する場面は3つ。一つは受注する段階。シミュレーションで成形機の型締め力や、金型の難易度などを確認し、見積もりを算出する。もう一つは金型の設計段階。ランナーバランスなどを事前に検証し、金型設計に反映させている。

そして3つ目が製品完成後。成形品の反りやショートショットなど、事前検証で予測できなかった不具合が発生した際の対策検討に活用する。シミュレーションで成形品の形状や成形条件の変更などを行い、顧客に解決策を提案している。
同ソフトの導入によって、試作回数を大幅に削減できたという。「導入前と比べて、半分ほどに減らすことができた」(技術イノベーションセンターエンジニアの高原龍秀氏)。量産立ち上げまでのリードタイムを大幅に短縮し、試作にかかるコストの削減も実現した。
また、成形サイクルタイムの短縮にもつなげている。自社商品の足洗いブラシ「ヘルシーフットウォッシャー」ではシミュレーションを活用し、成形条件や金型を最適化。サイクルタイムを60%ほど短縮したという。
同社では今後、環境配慮材を使った製品や金型・成形技術の開発に取り組む。今年2月には環境配慮材を使用した自社商品を発売した。「今後、環境配慮材は工業用製品でも活用される可能性がある。シミュレーションを使い、こうした素材への対応にも取り組んでいきたい」(技術イノベーションセンターの山口莉嘉氏)。
会社概要
- 本社:大阪府東大阪市七軒家18-15
- 電話:06・6745・6309
- 代表者:山口徹社長
- 従業員数:290人(グループ全体)
- 事業内容:プラスチック製品の製造、超精密金型製作など
金型新聞 2023年5月10日
関連記事
ミスミグループ本社(東京都文京区、03- 5805-7050)はこのほど、オンライン機械部品調達サービス「meviy(メビィー)」の新機能をトヨタ自動車と共同で開発した。3DCAD上で設定した部品の穴情報を「meviy」…
大学を上手く活用し、技術開発につなげる場に 強み見つけ、競争力を強化 金型は集積技術です。機械加工や表面処理、材料、最近ではITなど、色々な技術が上手く組み合わさることによって、はじめて良い金型が出来上がる。大学では、…
プロテリアル(東京都江東区)は今年、日立金属から社名を変更し、新たな歴史に向けて再出発した。4月には金属材料と機能部材の2事業本部から特殊鋼、電線、自動車部品など9事業部に移行し、組織体制を強化。意思決定の迅速化など組織…
この人に聞く 2018 金型設計製造向けCAD/CAMシステム「VISI」などを手掛けるヴェロソフトウェア。創業からM&A(合併と買収)などによって製品ラインアップを拡大し、最近では「WorkNC」や「Edge…


