自動車の構造部品を大型のダイカストマシンで一体鋳造する「ギガキャスト」。部品点数の減少など、金型づくりに大きく影響する可能性があることから注目を集めている。すでにトヨタ自動車を始め、複数の自動車や部品メーカーらが参入を表…
試作回数を半分に削減 大阪銘板【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】
自社商品の生産性アップ
大阪銘板は自動車などのプラスチック内外装製品などを中心に金型から成形、二次加工までを手掛ける。グループ全体で4つの生産拠点を持ち、型締め力100~2000tクラスのプラスチック製品を生産している。
同社がシミュレーションを活用し始めたのは20年ほど前。得意とする1m以上の大型品は不具合を事前に予測するのが困難で、何度も試作を繰り返しており、量産立ち上げまでのリードタイムの長さが課題だった。

こうした問題を解消するために同社が導入したのが、オートデスク社のプラスチック射出成形解析ソフトウエア「Moldflow」。現在、3ライセンスを導入し、各生産拠点で解析できる体制を構築している。
主に使用する場面は3つ。一つは受注する段階。シミュレーションで成形機の型締め力や、金型の難易度などを確認し、見積もりを算出する。もう一つは金型の設計段階。ランナーバランスなどを事前に検証し、金型設計に反映させている。

そして3つ目が製品完成後。成形品の反りやショートショットなど、事前検証で予測できなかった不具合が発生した際の対策検討に活用する。シミュレーションで成形品の形状や成形条件の変更などを行い、顧客に解決策を提案している。
同ソフトの導入によって、試作回数を大幅に削減できたという。「導入前と比べて、半分ほどに減らすことができた」(技術イノベーションセンターエンジニアの高原龍秀氏)。量産立ち上げまでのリードタイムを大幅に短縮し、試作にかかるコストの削減も実現した。
また、成形サイクルタイムの短縮にもつなげている。自社商品の足洗いブラシ「ヘルシーフットウォッシャー」ではシミュレーションを活用し、成形条件や金型を最適化。サイクルタイムを60%ほど短縮したという。
同社では今後、環境配慮材を使った製品や金型・成形技術の開発に取り組む。今年2月には環境配慮材を使用した自社商品を発売した。「今後、環境配慮材は工業用製品でも活用される可能性がある。シミュレーションを使い、こうした素材への対応にも取り組んでいきたい」(技術イノベーションセンターの山口莉嘉氏)。
会社概要
- 本社:大阪府東大阪市七軒家18-15
- 電話:06・6745・6309
- 代表者:山口徹社長
- 従業員数:290人(グループ全体)
- 事業内容:プラスチック製品の製造、超精密金型製作など
金型新聞 2023年5月10日
関連記事
技能検定に挑む技術者の目は普段のそれと輝きが異なるという。レベルの違う課題に出会い、技術の海の広さと、自らを知る。「受検者のそうした『成長』の一端に携われることが嬉しい」。 岡山県の技能検定委員として機械加工や放電加工を…
目指すは「恒・高精度化」 それを見極められる人の育成が、より重要に 超精密金型の世界で目指すべきは「加工工程の『恒・高精度化』」だと考えています。どこで成形しても高い水準で同じ品質が得られること。つまり、高いレベルでの…
生産性の向上、人手不足への対応、人を介さないことによる品質向上—。目的や狙いは様々だが、金型メーカーにとって自動化は待ったなしだ。しかし、自動化には様々な変化が伴う。機械設備の内容もこれまでとは異なるし、自動化を進めるた…
三菱重工工作機械が金型加工向け販売を強化している。小型機から5面加工機までラインアップを揃え、より高精度を求められている金型をターゲットに、最適ソリューションを提案する。その背景、今後の展開を佐郷昭博取締役トータルソリュ…


