この人に聞く 2018 ソディックは今年1月、創業者の古川利彦氏が名誉会長に、金子雄二社長が会長に就く人事を発表。3月29日付で、古川名誉会長の子息でもある古川健一副社長が社長に就任した。「顧客の要望に『できない』と言…
山崎 達博さん 玉成と保全の技能を次代に教える【ひと】

鉄の板を金型でプレスすると起こる想定外の歪みや割れ。その原因を見極め、溶接と研磨で補正し、目指す品質に導いていく。解析が進化した今も、自動車のドアや骨格部品の金型は人による玉成がカギを握る。その技能を次代に教えている。
鹿児島・奄美黄島出身。ものづくりが好きで、自らの腕で作り上げる金型に熱中した。30代で韓国や台湾など海外取引先の量産立ち上げ支援を経験。工場長を務め、ダイハツ九州の金型工場開設にも携わった。金型づくりの高度な技能が認められ『なにわの名工』に選ばれた。
10年前に定年を迎えた。これまで培った熟練技能を活かし、社内でメンテナンスの技術者に玉成を、社外では大分県内の自動車部品メーカーの技術者を対象とする『金型保全技術者育成講座』で保全の技能を指導する。
重んじるのは自主性。玉成も保全も大切なのは自ら考え、一生懸命取り組むこと。「知恵を絞り試行錯誤することが経験となり糧となる。そして一生懸命集中して励んだら良い金型ができる」。だから余計に口を出さない。聞かれた時だけ丁寧にそっと教える。
趣味は家庭菜園。毎日、出勤前と帰宅後、畑で30種類の野菜の成長を確かめ世話をする。「野菜も金型と同じ。工夫し、手間をかけて育てると美味しい野菜ができる。何ごとも、考えることと一生懸命が大事です」。
金型新聞 2023年6月10日
関連記事
令和元年に新社長に就任したオークマ・家城淳社長。市場が不透明化している中、「機電情知一体」「日本で作って世界で勝つ」を掲げるオークマの今後について家城社長の思いを聞いた。 家城淳社長愛知県出身。85年大隈鉄工所(現オ…
「金型づくりへのパッションが強い」—。今年4月、キヤノンモールドの社長に就いた畠山英之氏が抱いた同社への第一印象だ。その情熱を武器に、超精密金型など同社でしかできない型づくりを進める一方、海外拡大や外販強化など「事業ポー…
新天地を求めて、世界に進出していった日本の金型メーカーは、何を考え、どんな苦労や課題を乗り越えて、取り組みを進めてきたのか。また、さらなる成長に向け、どんな青写真を描いているのか。中国、タイ、メキシコ、アメリカ、欧州そ…
徹底して顧客の声を聞く 高温の射出成形用金型を得意とするケイ・エス・エムは医療機器分野への参入やロボット販売など事業の多角化を進めている。新事業の立ち上げで苦労する企業が多い中、成功しているのは「金型技術をコアにものづく…


