AI機能搭載の図面検索システムを導入 精密プラスチック金型を手掛けるキヤノンモールドは、キヤノン生産技術部門と共同で開発したAI機能搭載の「類似図面検索システム」を2022年に導入。これを活用し、誰でも簡単に見積もり算出…
【特集:2023年金型加工技術5大ニュース】4.AM活用の広がり
多様な活用方法や機器の進化
金属AMによる金型づくりが徐々に広がりを見せており、活用事例が増えている。金属AMの活用は、従来の金型づくりに付加価値をつけ、他社との差別化を図るための手段として有効。今後ギガキャストで、金属AMを活用した金型の採用が増える可能性もあり、注目度は高まっている。
金属AMを金型で活用する場合、敷き詰めた金属粉末にレーザーを照射し、造形するPBF(パウダーベッド・フュージョン)方式が主流。水管を自由に設計できるメリットを活かし、冷却効果の向上が可能だ。先行して導入した企業では、水とエアを冷却に使用することに加え、金型の一部にラティス(格子状)構造を採用。冷却効果を高めるだけでなく、材料費や造形時間も削減した。

ワイヤーを溶接しながら造形するDED(ダイレクト・エナジー・デポジション)方式を採用するケースもある。耐摩耗性が求められる形状面は工具鋼、内部は熱伝導率が高い銅合金といった異種材料を結合した金型づくりに取り組む企業が出てきた。
装置や周辺機器なども進化を続けている。DED方式で冷却水管の金型造形に成功した金属3Dプリンターが登場。水管内部を磨くための研磨液や、研磨装置の開発も進む。

連携の動きも見逃せない。関連異業種がそれぞれの知見を持ち寄り、協力してダイカスト金型部品を金属3Dプリンターで造形した。また、装置メーカーと金型メーカーが技術提携し、金属3Dプリンターを共同開発する動きもある。各社の強みを活かし、協業する企業が増えれば、金属AMによる金型づくりがさらに広がるかもしれない。
金型新聞 2023年12月10日
関連記事
人材育成の要諦 デジタルとアナログを融合 金型メーカー座談会 若手経営者が語るー業界の魅力高めるためには 第二部ー 最終回となる今回のテーマは「連携」と「人材育成」。戦略云々よりも、経営者同士の感性や考え方が合った連携の…
「SAIMS247」の推進役、藤木孝弘専務はその目的の一つに「次の50年を担う人材の育成」があるという。自らの体験を振り返りつつ、思いを語ってもらった。 金型の魅力をもっと社員に知って欲しい SAIMS247のもう一つの…
国際金型協会(ISTMA)の統計によると、2008年以降の10年近くで金型生産額は約3割増加した。新興国の経済発展に伴う消費財の需要増や、自動車の生産台数の増加などを背景に金型需要が拡大したからだ。ただ、かつて日本が金…
岐阜大学が2018年に3カ年の研究開発である「スマート金型開発拠点事業」を始めた。労働人口減少時代を想定し、従来にはない高効率な生産システムの確立を目指し、金型を使った量産システムの不良率ゼロを目標に掲げる。同事業は文…


