金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

29

新聞購読のお申込み

久野金属工業 全業務の見える化でDX【特集:金型メーカーのコト売り戦略】

生産性向上やペーパーレス化

モノづくりのDX化が叫ばれて早数年、様々なデジタルサービスが開発されてきた。その中で、ひと際目を引いたのがプレス金型及びプレス加工を手掛ける久野金属工業(愛知県常滑市)とシステム開発のマイクロリンク(愛知県名古屋市)が共同開発した生産設備の稼働状況を可視化するIoTクラウドサービス「IoT GO」だ。初期費用ゼロのサブスクサービスで、費用を抑えつつ現場のDX化を推進し、生産性向上に貢献。「稼働状況の見える化による改善は生産性向上につながると実証できた。コロナ禍で仕事に余裕がある時に、次は個々の仕事を見える化すれば、さらに大きな成果が得られると考えた」と久野功雄副社長。

IoT GO DX

同社は新たに全業務の仕事とノウハウを見える化するリアルタイムチェックリスト型クラウドサービス「IoT GO DX」を開発。これは会社全体の全業務を標準化、マニュアル化、進捗状況の見える化(共有化)を図り、タブレットやスマートフォンで把握できる。作業内容(マニュアル)が画面上に記載され、作業忘れや確認ミスを未然に防ぎ、業務の効率化やペーパーレス化のみならず技能伝承も促進させる。

例えば、営業担当の1日の業務内容(顧客訪問や確認事項)など87項目のチェックリストがあり、正午の時点で40項目にチェックがされていると1日の進捗度が分かる。品質管理なら、部品の検査項目と規定値(公差など)がリストに記され、チェック漏れや規定値から外れた結果であれば、赤色に表示され、指摘される前に気づくことができる。「まずは普段のチェックシートを電子化するだけでペーパーレス化になる」と久野副社長。すでに、月3000枚あった紙出力をゼロにし関連業務の改善につなげた。

作業内容(マニュアル)が画面上に記載され、作業忘れや確認ミスを未然に防げる

さらに、職人技など技能(ノウハウ)を言語化、見える化することで金型の組付など匠の技を若手に引き継ぐことも可能だ。例えば、組付手順や気を付けるべき注意事項を、画面上の写真やコメントで学べる。「技能者は長年培った経験をもとに作業を進める。例えば、組立前にプレートのバリや凹凸の確認・調整など職人ならではノウハウがある。それを言語化し、分かりやすく伝え共有すれば、技能伝承もスムーズにできる」と久野副社長は期待感を膨らませる。同社は2年前から社内でIoT GO DX運用を開始。すでにサービスの販売も始めた。久野副社長は「毎月IoT GOの説明会を兼ねてバーチャル工場見学会を開催している。毎回10数社の申し込みがあり、今後も金型業界のDX化に貢献したい」。

会社概要

  • 本社:愛知県常滑市久米字池田174
  • 電話:0569・43・8801
  • 代表者:久野 忠博社長
  • 創業:1947年
  • 従業員数:352人
  • 事業内容:自動車用及び産業用部品の設計・開発、金型製作、プレス加工、溶接、組立、機械加工、表面処理など。

金型新聞 2024年2月10日

関連記事

横田悦二郎氏

【プレス型特集】強みを維持し続けるには…
日本金型工業会 学術顧問 横田 悦二郎氏に聞く
プレス金型の強みと未来

ゼロベースで知恵絞る 得意な分野で連携を 顧客の生産技術をサポート  日本金型工業会の学術顧問を務める、日本工業大学大学院の横田悦二郎教授は、日本のプレス金型の強みを「他の型種に比べ、技術の蓄積が生かせる部分が大きい」と…

電動化3種の神器に挑む
〜生産現場を訪ねて〜 ニシムラ(愛知県豊田市)

特集  次世代車で変わる駆動部品の金型(バッテリー、モータ、電子部品)  「自動車向けの金型を手掛ける企業は今後、バッテリー、モータ、電子部品、この3部品に携わっていないと生き残れない時代になる」と話すのはプレ…

伊藤製作所 プレス加工ライン増設

次世代車載部品に対応 プレス金型やプレス加工を手掛ける伊藤製作所(三重県四日市市、059・364・7111)は増設したプレス工場に次世代車載部品向けの順送プレス加工ラインを増設。プレス加工から洗浄、検査まで自動化すること…

オオイテック 拡大する需要に対応し、ハイテン材向け金型に特化【Innovation〜革新に挑む〜vol.5】

自動車の骨格部品のプレス金型を手掛けるオオイテック。特に高張力鋼板(ハイテン材)向け金型を得意とし、豊富な実績を持つ。軽量化ニーズによってハイテン材の需要が増加する中、生産性のさらなる向上を図り、ビジネスの拡大を狙う。M…

試作回数を半分に削減 大阪銘板【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

自社商品の生産性アップ 大阪銘板は自動車などのプラスチック内外装製品などを中心に金型から成形、二次加工までを手掛ける。グループ全体で4つの生産拠点を持ち、型締め力100~2000tクラスのプラスチック製品を生産している。…

トピックス

関連サイト