金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

07

新聞購読のお申込み

TCTJapan2024総集編 最新のAM技術が一堂

金型関連技術も多数展示

2024年1月31日~2月2日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で3Dプリンティングや付加製造(AM)技術の専門展「TCTJapan2024」が開催された。装置や周辺機器メーカーなど108社・団体が出展。最新のAM技術が披露される中、金型づくりに活用できる技術も多数展示された。

日本ミシュランタイヤは、鋳造技術を用いたコンフォーマル冷却金型の製造方法「iTechMold(アイテックモールド)」を展示した。同工法は仏IPC(射出成形および複合材国立産業技術センター)で開発された独自技術。最適な冷却回路を設計し、中子を砂型積層造形で製造する。レーザーパウダーベッド方式(LPBF)では難しい中~大型金型に適しており、ホットスタンプ向け金型などに活用できる。

中〜大型コンフォーマル冷却金型のサンプル(日本ミシュランタイヤ)

ソディックは、大型金属3Dプリンタ「LPM450」で造形したギガキャスト向け金型の入れ子サンプルを展示した。同サンプルは金型鋼「SKD61」相当の独自粉末材「SVM」を用いて、金型メーカーの日本精機(名古屋市守山区)によって製作された。

また、山陽特殊製鋼もダイカスト金型に適した熱間工具鋼粉末「S‐MECシリーズ」を展示した。高い熱伝導性と造形性を特長とし、造形時の割れや歪みを抑えることができるため、大型ワークの造形にも対応する。

ギガキャスト向け金型の入れ子サンプル(ソディック)

造形技術や材料の他、周辺技術も多くみられた。スギノマシンは独自の表面処理技術「CASF」を活用し、冷却回路の内部表面を処理する技術を紹介。ショットピーニングなどの他工法に比べ、均一に綺麗な面に仕上げることができる。マテリアライズはAIを活用し、レイヤー画像から欠陥箇所を自動検出するソフトウエア「マテリアライズレイヤーアナリシス」を展示。早期に不良を検知できるため、損失を最小限に抑えることが可能になる。

「TCTJapan」は前身の展示会を含めて今年で10回目。今回は併催展と合わせて昨年比1・5倍の4万2032人(速報値)が来場した。次回は来年1月29~31日に東京ビッグサイトで開催されることが発表されている。

金型新聞 2024年3月10日

関連記事

インターモールド2024総集編 -金型展2024-

付加価値高める高機能な金型 金型展2024では、付加価値を高める高機能な金型を展示する企業が随所に見られた。 キヤノンモールドは、中空体を作る樹脂接合金型を展示した。同社が製作した小型射出装置「BOX INJECTOR」…

インターモールド2021[4つの見どころ]

インターモールドが、ついに帰ってくる。  最先端の金型加工技術が集結する専門展。金型メーカー、ユーザー、そして機械・工具メーカー多くの人たちが、その開催を待ち望んだ。 2年ぶりとなる今年。果たしてどんな技術が披露されるの…

インターモールド2022 4月20からインテックス大阪で開幕

金型加工の最新技術が競演 4年ぶりの大阪開催 金型加工技術の専門展示会「インターモールド2022」(主催:日本金型工業会、運営:インターモールド振興会)が4月20~23日の4日間、インテックス大阪(大阪市住之江区)で開催…

研削技術の専門展「GrindingTechnology Japan 2023」 来年3月に開催決定

3月8〜10日、幕張メッセで 研削と工具製造技術に特化した専門展示会「GrindingTechnology Japan 2023」が来年3月8日から3日間、千葉県千葉市の幕張メッセで開催されることが決定した。出展募集も合…

【速報】MF-TOKYO2025 機械メーカー6社が新製品、新提案

塑性加工技術の専門展示会「MF-TOKYO2025」が7/16から開催された。過去最多となる1736小間に271社・団体が出展。世界最速プレス機や、ICTの活用、専用機など多様な製品を出展したプレス機械メーカー6社の速報…

トピックス

関連サイト