金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

30

新聞購読のお申込み

ウエブサイトやSNS活用し、見込み顧客発掘 【特集:営業ってどうする?】

金型メーカーの新規顧客の開拓方法が変わりつつある。これまでの直接訪問やテレアポといった手法から、インターネットやスマホの普及、コロナ禍で急速に進展した非対面活動の拡大によって、ウエブサイトやSNSなどを使って情報を発信し、見込み顧客を発掘する企業が増えている。

発注者が知りたい情報を

電機部品の成形や金型を手掛ける御津電子(岡山市北区)はウエブサイトを改良し、新規取引先を開拓している。2019年に改良してからのアクセス数はのべ50万件で、問い合せは1000件ほど、そのうち14件が取引につながったという。

サイトを改良した人見社長(御津電子)

サイト改良のきっかけは、大手取引先の海外進出。その製品を手掛けていた牛窓工場(岡山県瀬戸内市)の仕事が約3分の1に減少。新規顧客を開拓するために、前職でウエブマーケティングに携わっていた人見雄一社長が自身の経験を生かし、サイトの改良に着手した。

得意な技術や価格、納期など、発注者の必要な情報を掲載し、他社と比較しやすい工夫を施した。また、被リンクを増やすなど検索エンジン最適化(SEO)対策にも取り組んだ。「発注者が知りたいことを発信すれば、いずれ反響が返ってくると感じていた」(人見社長)。

プラ歯車に特化したサイト

同じくウエブサイトを活用するのが、プラスチック歯車の金型などを手掛けるチバダイス(東京都葛飾区)。22年にプラスチック歯車に特化したソリューションサイト「ギヤプラス」を立ち上げた。「音を静かにしたい」や「耐久性を向上させたい」などの課題に応じた自社の技術やサービスを掲載している。

もともと同社は歯車に特化した独自技術を強みとし、金型製作だけでなく、受託開発や試作なども請け負っている。以前からコーポレートサイトからの問い合わせも少なくなかったが、「もっと分かりやすいサイトを作れば、問い合わせも増えると考えていた」(千葉英樹社長)。現在、1日数件の問い合わせがきており、約2年で数千万円の受注につながっているという。

新たに立ち上げたソリューションサイト(チバダイス)

Xがきっかけ自社製品も

こうしたウエブサイトの他、SNSを活用する企業も少なくない。プラスチック金型メーカーの一成モールド(新潟県三条市)は技術営業部長の氏田遼佑氏が22年からX(旧Twitter)を開始。フォロワーは現在、3000を超える。

当初は金型メーカーの日常や後継者としての悩みなどを投稿していたが、Xを通じてデザイナーと知り合ったことで、米由来のバイオマス樹脂「ライスレジン」を使った製品の共同開発につながった。また、これまで実績のなかったホビー関連の金型を受注するなど、5~6件の新規受注につながっているという。

製造過程の動画などを公開する(一成モールド)

直近では、Xでの出会いがきっかけで自社製品も開発。手軽に使用できる書道具「RAPHTOOL(ラフツール)」を手掛けた。Xでは金型の写真や製造過程の動画なども投稿しており、「通常はお客さまの都合上、自分たちが作った金型をみせることはできないが、自社製品であれば見せることができる。PRしにくいという課題を解消できた」(氏田部長)。

ウエブを活用して発注先や協業先を探したり、SNSを通じて情報を発信し、交流を図ったりすることは、今や当たり前の時代。金型メーカーにとって、ウエブサイトやSNSなどのデジタルツールを活用した営業手法は、これからますます重要となるはずだ。

金型新聞 2024年5月10日

関連記事

金型に押し寄せるCASE

 100年に一度の変革期と言われる自動車業界。それを語るときに欠かせないキーワードが「CASE」だ。「C=コネクテッド(つながる)」、「A=オートノマス(自動運転)」、「S=シェア(共有)」、「E=エレクトリック(電動化…

Sun Ai スモールスタートで自動化を促進 【特集:放電加工〜最新技術はこう使え〜】

電極・ワーク外段取り器プリセッター、1台で複数加工機に対応 昨今、国内の製造業は慢性的な人手不足に陥り、生産現場の自動化・省人化が不可欠になっている。しかし、高額な設備投資が課題となり、自動化が進んでいないのが現状だ。 …

【特集】 現場改善のススメ

目次 PART1:トヨタに学ぶ改善術PART2:改善と女性 〜サイベックコーポレーション 平林  巧造社長に聞く〜PART3:改善が生んだ新ビジネスPART4:からくりで現場改善 〜からくり改善くふう展 オンラ…

匠の技を自動化し、技能を伝承【特集:自動車メーカーの金型づくり】

自動化と人材育成—。自動車産業に関わらず、あらゆる製造現場において共通の課題となっている。人手不足は深刻化しており、課題解消に自動化、省力化は欠かせない。いかに若手に技能を伝承していくかも喫緊の課題となっている。一方で、…

【インターモールド名古屋】金型加工の最新技術

7月6~9日 ポートメッセなごや 294社が競演 金型加工技術に関する専門展「インターモールド名古屋」(主催:日本金型工業会、運営:インターモールド振興会)が7月6日~9日まで、ポートメッセなごや(名古屋市港区)で開催さ…

トピックス

関連サイト