外径Φ100mmのステータコアを一体加工、連続生産100万ショットを実現 プレス金型から加工までを手掛けるナカムラマジック(長野県上伊那郡、0265・79・3880)は、アモルファス(非晶質)合金を使用した外径Φ100m…
日本精機 金型流路洗浄液と装置を開発
分解不要でスケール除去
ダイカスト金型メーカーの日本精機(名古屋市守山区、052・736・0611)は、冷却水管内部のスケールや錆を除去できる洗浄液と専用装置を開発した。6月のインターモールド名古屋で発表する。高い洗浄効果で新型同様の冷却効果を維持でき、金型寿命の延長にもつながる。ダイカスト型以外にも水管が必要な樹脂型にも提案する。
製品を効率的に冷却するため、複雑な水管を設ける金型は多い。最近は3Dプリンタで水管を造形することも増えている。
一方で課題は水管内部の洗浄。金型を使用するうちに、水管内に堆積したスケールや錆で、冷却効果が低下する。しかし、複雑な水管は内部が見えないため、直接洗浄できず、効果も確認しづらい。冷却効果を維持するため、金型を分解することもあり「数日掛かることもある」(松原雅人常務)。

こうした課題を解決するため、化学メーカーと共同で洗浄液「N—SR004」を開発し、合わせて専用装置も製作した。スケールや錆の除去、穴詰まりの解消が可能で、洗浄効果は高い。実証実験したサンプルワーク(写真)では、洗浄前に790㎖/分だった流量が洗浄後は1790㎖/分に改善。ほぼ新型に近い効果が得られたという。
母材への寸法影響もないのも大きな特長。「流路の変化は0・01ミリ程度の変化だった」という。また、強酸性成分で廃棄は中和処理すれば一般の産業廃棄物で処理できる。
装置本体価格は800万円程度を想定。洗浄液は現在、「一般的な洗浄液の3倍程度だが、将来は増産し、5000円/ℓに抑える」目標を掲げている。
松原常務は「定期洗浄することで、製品品質の維持安定と金型寿命の延長が期待できる。洗浄のために、金型を分解する手間も省ける」とその効果を話す。まずはダイカスト型向けに販売していくが、「冷却が必要な樹脂型などにも展開していきたい」と話している。
金型新聞 2024年5月10日
関連記事
大型金型の磨き削減 C&Gシステムズは、5軸マシニングセンタ(MC)対応CAD/CAM「キャムツール」の新版「V17.1」を発売した。切削痕を抑え、磨き工程の削減につながる機能などを強化した。 CL制御点を曲率に…
工場向けIoTサービス「IoT GO」を手掛けるマイクロリンク(名古屋市西区、052-688-0521)はこのほど、LED電球の販売を始めた。同社は国内メーカーとタイアップし、高品質かつ低価格な商品をラインアップし、販…
AI活用し、自動で最適制御 放電加工機やマシニングセンタなどによる加工は加工が進むにつれて状況が変化する。切削加工では切削工具の摩耗や欠損、びびり(加工振動)、熱変位、放電加工では電極の消耗、加工深さや板厚・ノズル離れ量…
多品種少量生産向け 冷間鍛造金型を製造する阪村エンジニアリング(京都市伏見区、075-631-5560)は、鏡面加工のロボットシステムの販売を始めた。協働ロボットとブラスト機を活用し、従来の手仕上げによる研磨工程を自動化…


