EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められてい…
【特集:技能レス5大テーマ】3.研削加工
誰でも高精度な研削
金型づくりで欠かせない研削加工。仕上げに近い工程のため、熟練技能を必要とする領域は多い。しかし近年、長年培った経験やノウハウを持っていなくても高精度の研削加工ができる機械や装置などが登場している。人手不足で熟練技能者が減少する中、研削加工のスキルレス化が進む。
研削盤では、デジタルプロジェクターを搭載した研削盤が台頭。技能が必要な計測をデジタル化することで、経験の浅い技術者でも高精度な加工を可能とする。

また、自動で加工と計測ができる研削盤も出ている。ワークを加工後、接触式プローブにより形状を計測し、差分を補正加工。このサイクルを全自動で繰り返し、高品質のワークを完成することができる。
研削加工をサポートするシステムも進化している。全自動で高能率かつ高精度加工を可能にするソフトが登場。機上に搭載された加工物を自動測定し、最も高い部分から加工するプログラムやドレス条件などを自動作成できる。
平面研削盤用の画像投影システムでは、CCDカメラによって最大600倍までワークを拡大し、0・001㎜の位置決めが可能。これを活用し、熟練技能者でしかできなかった追い込み加工を簡単にした。
研削アタリ出し作業を自動で実施するソフトも見逃せない。砥石とワークの自動接触検知によって加工開始点を認識できるだけでなく、砥石タッチ後の自動スタート機能も備える。
金型新聞 2024年7月10日
関連記事
モデルチェンジし本格販売 スライドガイドや軸受けの仕様選べる シギヤ精機製作所(広島県福山市、084-953-6631)は、軸スライドガイドや軸受を選択できるようにし新型の対話式加工プログラミングシステムを搭載するなどフ…
目次金型メーカーアンケート型取引に関する政府の動向金型メーカーの実例紹介型取引適正化推進協議会座長 細田孝一氏に聞く記者の目 取引環境改善も道半ば 金型メーカーアンケート 政府が2016年の世耕プランで、取引環境の改善を…
スリムハイドロチャックブラスターシリーズ エヌティーツールの公式製品紹介は、こちらから 現場の課題 複雑な形状ワークや深掘加工では加工条件によりクーラント外掛けだけでは冷却が不十分になりがちという問題。 提案・効果 …
人手不足が叫ばれる昨今において、現場における新人教育を効率化し、技能伝承を推進させるデジタルサービスが数多く登場している。技能伝承のみならず教育プロセスの省人化・DX化に貢献し、現場全体の生産性も向上させる各社の製品を紹…