金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

07

新聞購読のお申込み

【特集:2024年 金型加工技術5大ニュース】4.AM

造形ワークの大型化

近年盛り上がりを見せるAM(アディティブマニュファクチュアリング)。ここ数年のJIMTOFやインターモールドでもAMに特化した特設展が併催されるなど、国内外での注目度が高まっており、高精度な積層造形をかなえる3Dプリンタをはじめ、材料やソフトなども開発が進んでいる。

積層の方式には、ベースプレートに敷き詰めた金属粉末をレーザー照射で凝固するPBF方式と、材料を溶解しながら積層するDED方式が主流とされており、近年では結合剤噴射のBJT式と材料押出のMEX式も実用化の途にある。

多数個取りで生産性が向上
ハイブリッド工法で仕上げたヒューズボックス金型

特に金型分野ではPBF方式が多く採用され、近年は装置の大型化も進む。機械の大型化に伴い、造形できるワークのサイズも大きくなり、提案の幅も広がりを見せている。複数本のレーザーを搭載したことで、造形速度が向上し、1度の造形で多数個取りも可能となったので、サイクルタイムとコストの削減にも貢献。また、積層から切削加工の仕上げまでを一台で完結させるハイブリッド機も登場している。

造形時に発生する応力分析の解析や、最適な水管設計などを行うソフトなども登場したことで更なる高精度化に寄与。積層に用いられる材料もステンレス鋼やアルミ合金などに加えて、積層造形向けに純銅や高強度アルミ合金、SKD61素材などが開発されている。

ギガキャストへの適用を目指す動きも見受けられる。ギガキャストでは冷却効果が求められる部位が増えることから、それに対応するために積層で仕上げた入れ子の開発が行われ、直近では、SKD61の粉末材で400㎜超えサイズのワークの造形に成功した事例もある。また、冷却効果の向上に伴う生産性や品質向上のため、大手ダイカスターや自動車メーカーでも導入が進んでいる。

金型新聞 2024年12月10日

関連記事

NKワークス 5軸用バイス、把持力30%向上

 NKワークス(東京都千代田区、03-3864-5411)はこのほど、米5thAXIS(フィフスアクシス)社製の5軸バイス「Xシリーズ」を発売した。従来品に比べ、把持力が約30%向上し、対応できる被削材の範囲が大幅に拡大…

【検証】変わる金型基金 新たな船出3<br>年金有期化で安定運用

【検証】変わる金型基金 新たな船出3
年金有期化で安定運用

 前号では、日本金型工業厚生年金基金(上田勝弘理事長、以下金型基金)の現行制度の「定額加算」と「高い予定利率」の2つの課題とその解決策を紹介した。本号では、3つ目で最大の課題でもある「終身年金」の課題と、新制度ではどのよ…

進む自動化・見える化 複数の加工工程を集約する生産システムの構築【特集:2022年金型加工技術5大ニュース】

金型づくりの世界では、自動化やAM、脱炭素向けなどの最新技術が数多く登場し続けている。その進化は止まることがなく、4年ぶりに開催されたJIMTOF2022でも多数の最新技術が披露され、注目を集めた。今年最後となる本特集で…

久野金属工業 全業務の見える化でDX【特集:金型メーカーのコト売り戦略】

生産性向上やペーパーレス化 モノづくりのDX化が叫ばれて早数年、様々なデジタルサービスが開発されてきた。その中で、ひと際目を引いたのがプレス金型及びプレス加工を手掛ける久野金属工業(愛知県常滑市)とシステム開発のマイクロ…

「5軸加工の匠」 エフアンドエム

デジタル技術の進化で、相次いで登場する新技術。次世代の匠はそれらの技術を金型づくりにどのように活かしているのか。また、それら能力を習得するには、どのようなスキルや育成が必要なのか。本特集では、様々ある新技術の中でも、次世…

トピックス

関連サイト