金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

15

新聞購読のお申込み

【特集:2024年 金型加工技術5大ニュース】4.AM

造形ワークの大型化

近年盛り上がりを見せるAM(アディティブマニュファクチュアリング)。ここ数年のJIMTOFやインターモールドでもAMに特化した特設展が併催されるなど、国内外での注目度が高まっており、高精度な積層造形をかなえる3Dプリンタをはじめ、材料やソフトなども開発が進んでいる。

積層の方式には、ベースプレートに敷き詰めた金属粉末をレーザー照射で凝固するPBF方式と、材料を溶解しながら積層するDED方式が主流とされており、近年では結合剤噴射のBJT式と材料押出のMEX式も実用化の途にある。

多数個取りで生産性が向上
ハイブリッド工法で仕上げたヒューズボックス金型

特に金型分野ではPBF方式が多く採用され、近年は装置の大型化も進む。機械の大型化に伴い、造形できるワークのサイズも大きくなり、提案の幅も広がりを見せている。複数本のレーザーを搭載したことで、造形速度が向上し、1度の造形で多数個取りも可能となったので、サイクルタイムとコストの削減にも貢献。また、積層から切削加工の仕上げまでを一台で完結させるハイブリッド機も登場している。

造形時に発生する応力分析の解析や、最適な水管設計などを行うソフトなども登場したことで更なる高精度化に寄与。積層に用いられる材料もステンレス鋼やアルミ合金などに加えて、積層造形向けに純銅や高強度アルミ合金、SKD61素材などが開発されている。

ギガキャストへの適用を目指す動きも見受けられる。ギガキャストでは冷却効果が求められる部位が増えることから、それに対応するために積層で仕上げた入れ子の開発が行われ、直近では、SKD61の粉末材で400㎜超えサイズのワークの造形に成功した事例もある。また、冷却効果の向上に伴う生産性や品質向上のため、大手ダイカスターや自動車メーカーでも導入が進んでいる。

金型新聞 2024年12月10日

関連記事

【Breakthrough!】高硬度材加工工具

金型材の高硬度化で需要が高まっている「高硬度材向け切削工具」。メーカー各社は、独自の被膜を開発したり、刃形状を改良したり、より硬度の高い材料を精度良く、効率良く加工するための開発を続けている。進化を遂げる注目の高硬度材向…

【金型テクノラボ】倉敷機械 AI活用による金型・加工見積の自動化

金型・部品加工の見積作成における最大の課題は、相応の専門知識がないと見積作成が困難であるという点だ。そのため、熟練者の経験への依存度が高く、さらに加工業者間での金額差異の問題も発生している。これらの課題に対して、半自動化…

チバ・テクノ 高速ワイヤ「EZシリーズ」を刷新

低価格化を実現 チバ・テクノ(神奈川県横浜市、045-473-9933)は高速加工用ワイヤ電極線「EZシリーズ」を刷新し、「新EZシリーズ」として販売を開始した。製造プロセスを見直すなどして、品質を高める一方で価格低減も…

型種や工法の壁無くし、デジタルを活用 【変わるトヨタの型づくり】

モビリティカンパニー目指し、金型づくりを大変革 クルマを造る会社から、多様な移動手段を提供する「モビリティカンパニー」に変化するトヨタ自動車。モノづくりでも変革を進めている。2020年に試作や量産など内製部門を集約した「…

【特集】金型メーカー新春座談会(第1部) 5氏が語る〜地平拓く人材〜

【特集】金型メーカー新春座談会(第1部) 5氏が語る〜地平拓く人材〜

経営支える中核人材を  金型メーカーを取材すると必ずと言っていいほど話題になるのが人材育成の苦労や確保の難しさ。少子高齢化に伴う人材不足に加え、金型づくりで求められる人材像が変わってきていることも大きな理由だ。そこで、今…

トピックス

関連サイト