金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

28

新聞購読のお申込み

【特集:2024年 金型加工技術5大ニュース】4.AM

造形ワークの大型化

近年盛り上がりを見せるAM(アディティブマニュファクチュアリング)。ここ数年のJIMTOFやインターモールドでもAMに特化した特設展が併催されるなど、国内外での注目度が高まっており、高精度な積層造形をかなえる3Dプリンタをはじめ、材料やソフトなども開発が進んでいる。

積層の方式には、ベースプレートに敷き詰めた金属粉末をレーザー照射で凝固するPBF方式と、材料を溶解しながら積層するDED方式が主流とされており、近年では結合剤噴射のBJT式と材料押出のMEX式も実用化の途にある。

多数個取りで生産性が向上
ハイブリッド工法で仕上げたヒューズボックス金型

特に金型分野ではPBF方式が多く採用され、近年は装置の大型化も進む。機械の大型化に伴い、造形できるワークのサイズも大きくなり、提案の幅も広がりを見せている。複数本のレーザーを搭載したことで、造形速度が向上し、1度の造形で多数個取りも可能となったので、サイクルタイムとコストの削減にも貢献。また、積層から切削加工の仕上げまでを一台で完結させるハイブリッド機も登場している。

造形時に発生する応力分析の解析や、最適な水管設計などを行うソフトなども登場したことで更なる高精度化に寄与。積層に用いられる材料もステンレス鋼やアルミ合金などに加えて、積層造形向けに純銅や高強度アルミ合金、SKD61素材などが開発されている。

ギガキャストへの適用を目指す動きも見受けられる。ギガキャストでは冷却効果が求められる部位が増えることから、それに対応するために積層で仕上げた入れ子の開発が行われ、直近では、SKD61の粉末材で400㎜超えサイズのワークの造形に成功した事例もある。また、冷却効果の向上に伴う生産性や品質向上のため、大手ダイカスターや自動車メーカーでも導入が進んでいる。

金型新聞 2024年12月10日

関連記事

ササヤマ 笹山勝社長に聞く コア業務に専念できる環境に【特集 攻める設備投資】

自動車のシートや骨格部品などのプレス金型を手掛けるササヤマは金型の競争力を高めるため、金型づくりのDXとベトナム子会社のデータ製作力の強化に取り組む。デジタル技術で金型づくりを効率化し、ベトナム子会社を同社グループのデー…

中日金型 教育ツール『マナガタ』を発売

金型の内部を見える化 プラスチックやダイカストなど金型を手掛ける中日金型(愛知県春日井市、0568・27・6388)は従来、見えない金型の内部構造を見える化し、体験学習を可能にした教育ツール『マナガタ』を発売。アクリル材…

大同特殊鋼が3Dプリンタ用の新粉末 150㎜以上の造形可能

大同特殊鋼はこのほど、3Dプリンタ用金属粉末「DAP‐AM」シリーズの第3弾として、「LTX420」の販売を開始した。同製品は、プラスチック金型に適したステンレス系粉末。連続的な造形において、割れを抑えるとともに、大型サ…

KMC 金型加工現場のDXソリューション【金型テクノラボ】

円安などで空前の利益を上げる自動車メーカー。一方でその好機を捉えられない金型産業。いったい何が原因なのか。今一度足元を見据えて、国内金型産業の反転攻勢へ舵を切る最後のチャンスだ。人手不足、熟練技術者の退職など、今こそ過去…

設計、見積もり時間を短縮 サイベックコーポレーション【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

ギア部品など高難度な加工にも対応 プレス用金型メーカーのサイベックコーポレーションは金属成形加工シミュレーションを活用し、設計や見積もりにかかる時間の短縮を実現した。EV関連など高難度部品への対応を進めている。 同社は冷…

トピックス

関連サイト