金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

27

新聞購読のお申込み

田部井製作所 CAE活用し、金型改修を削減【特集:尖った技術を使いこなせ】

要求精度と短納期に対応

自動車のインナー部品(ドアインナー、フロアなど全般)向けプレス金型などを手掛ける田部井製作所はシミュレーションソフトを活用し、パネル精度の向上と金型改修回数の削減に取り組んでいる。顧客からの高まる要求精度と短納期化に対応する。

2007年にオートフォームのプレス成形シミュレーションソフト「AutoForm」を導入。それまで使用していたソフトは条件設定が難しく、計算速度も遅かった。「誰でも使え、計算速度の速いものを検討し、『AutoForm』に決めた」(八幡正志常務)。

解析作業の様子

当時「AutoForm」の計算速度は使用していたソフトの約3~5倍。導入によって、より多くの試行が可能になった。現在、2ライセンスを導入し、フル活用する。金型設計前には必ず成形解析を行っており、一つの金型に対して試行回数は30~50回に及ぶという。あらゆる条件で試行し、金型設計に反映させ、最適化を図っている。

同社の金型は高張力鋼板(ハイテン材)向けが多く、特に近年はより難度の高い980МPa以上の超ハイテン材向けが増加している。ハイテン材はその強度からスプリングバックが大きく、いかに変位量を予測し、金型づくりに反映させるかが重要。そのため、成形解析が不可欠となる。同社は現在、解析上での見込みを2・0㎜以内にとどめ、金型の改修を3回以内に収めることを目標としている。

超ハイテン材対応の1500tメカプレス機

その一方で、顧客の要求精度は年々上がっているという。「20年前は±0・5㎜ほどだったが、今は通り差を考慮すると±0・3㎜。そこにプレス機の機差などが加わるため、ほぼ0を狙うイメージ」(八幡常務)。また、改修も熟練工の手作業によるものから機械加工へと変化しており、必ず成形解析を行ってから改修用の加工データを作成する。「今や『AutoForom』がないと金型づくりができなくなっている」(田部井亮社長)。

今後、さらなる解析精度の向上に向けて金型の強度やたわみなどの構造解析も必要になる。「成型解析だけでは、どうしても実物との誤差が生まれる。構造解析によって誤差をより小さくすることができる。金型製作のスピードを上げ、収益力の向上につなげたい」(八幡常務)。

会社概要

  • 本社:栃木県足利市羽刈町921-1
  • 電話:0284・73・5211
  • 創業:1959年
  • 代表者:田部井亮社長
  • 従業員数:72人
  • 事業内容:自動車用プレス金型・治具、各種産業用金型・治具の設計、製造

金型新聞 2025年2月10日

関連記事

明輝 黒柳会長お別れの会、500人が参列

プラスチック金型メーカー、明輝(神奈川県厚木市、黒柳貴宏社長)の会長で5月5日に78歳で亡くなった黒柳告芳氏の「お別れの会」が7月24日、東京千代田区の東京會舘で開かれた。取引先や業界関係者、OBなど約500人が参列し、…

【特集:2024年 金型加工技術5大ニュース】5.自動化

多品種少量の金型を加工 2024年、金型づくりにおける自動化の技術で最も革新的だったのは、多品種少量の金型を自動で切削加工する技術ではないだろうか。形状も大きさも数量も異なる金型の部品を無人運転で加工する。人手不足に直面…

ササヤマ 本社に機械加工棟増設

自動車部品などのプレス金型を手掛けるササヤマ(鳥取県鳥取市、0858-85-3380)は、本社工場の敷地内に機械加工棟を増設する。真空熱処理炉や3次元レーザー加工機などを新たに導入するほか、古海工場の設備を集約する。デジ…

【特集:2023年金型加工技術5大ニュース】1.ギガキャスト

一体鋳造の流れ加速 「ギガキャスト」は今年最も注目を浴びたワードの一つ。定義は明確に決まっていないが、6000tを超える型締め力(1万6000tも発表されている)のダイカストマシンで複数の部品を一体成形する技術だ。 トヨ…

東海エンジニアリングサービス カルコゲナイドガラスレンズの成形技術を確立 直径40㎜超を成形【特集:ものづくりを変えるレンズ金型】

解析を駆使、成形機も開発 東海エンジニアリングサービスは、直径40㎜超のカルコゲナイドガラスレンズの成形技術を確立した。CAEを駆使し、独自のノウハウを取り入れた成形機を開発して実現した。直径40㎜超は過去に例がなく、航…

トピックス

関連サイト