金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

25

新聞購読のお申込み

田部井製作所 CAE活用し、金型改修を削減【特集:尖った技術を使いこなせ】

要求精度と短納期に対応

自動車のインナー部品(ドアインナー、フロアなど全般)向けプレス金型などを手掛ける田部井製作所はシミュレーションソフトを活用し、パネル精度の向上と金型改修回数の削減に取り組んでいる。顧客からの高まる要求精度と短納期化に対応する。

2007年にオートフォームのプレス成形シミュレーションソフト「AutoForm」を導入。それまで使用していたソフトは条件設定が難しく、計算速度も遅かった。「誰でも使え、計算速度の速いものを検討し、『AutoForm』に決めた」(八幡正志常務)。

解析作業の様子

当時「AutoForm」の計算速度は使用していたソフトの約3~5倍。導入によって、より多くの試行が可能になった。現在、2ライセンスを導入し、フル活用する。金型設計前には必ず成形解析を行っており、一つの金型に対して試行回数は30~50回に及ぶという。あらゆる条件で試行し、金型設計に反映させ、最適化を図っている。

同社の金型は高張力鋼板(ハイテン材)向けが多く、特に近年はより難度の高い980МPa以上の超ハイテン材向けが増加している。ハイテン材はその強度からスプリングバックが大きく、いかに変位量を予測し、金型づくりに反映させるかが重要。そのため、成形解析が不可欠となる。同社は現在、解析上での見込みを2・0㎜以内にとどめ、金型の改修を3回以内に収めることを目標としている。

超ハイテン材対応の1500tメカプレス機

その一方で、顧客の要求精度は年々上がっているという。「20年前は±0・5㎜ほどだったが、今は通り差を考慮すると±0・3㎜。そこにプレス機の機差などが加わるため、ほぼ0を狙うイメージ」(八幡常務)。また、改修も熟練工の手作業によるものから機械加工へと変化しており、必ず成形解析を行ってから改修用の加工データを作成する。「今や『AutoForom』がないと金型づくりができなくなっている」(田部井亮社長)。

今後、さらなる解析精度の向上に向けて金型の強度やたわみなどの構造解析も必要になる。「成型解析だけでは、どうしても実物との誤差が生まれる。構造解析によって誤差をより小さくすることができる。金型製作のスピードを上げ、収益力の向上につなげたい」(八幡常務)。

会社概要

  • 本社:栃木県足利市羽刈町921-1
  • 電話:0284・73・5211
  • 創業:1959年
  • 代表者:田部井亮社長
  • 従業員数:72人
  • 事業内容:自動車用プレス金型・治具、各種産業用金型・治具の設計、製造

金型新聞 2025年2月10日

関連記事

日比野工業 積層造形ダイカスト金型の冷却水路に防錆めっき処理【金型テクノラボ】

金属積層造形法により作製されるアルミダイカスト金型はその内部冷却の設計自由度の高さから注目され、実用展開されつつある。しかし、積層造形金型では内部冷却水路の腐食や表面粗さが課題となっている。本稿では積層造形金型の水路に防…

ヴェステン 金型業界のスタートアップ、海外との取引を目標に【金型の底力】

「製造業の世界で有名なのがドイツ。だから、ドイツ企業と取引できる企業を目指そうと考えた」と語るのは西部正記社長。Westen(ヴェステン)はドイツ語で『西』を意味し、2022年の新工場立ち上げと同時に社名を変更。水栓関連…

ミスミ 売上高過去最高 22年3月期

自動車関連需要が回復 ミスミグループ本社(東京都千代田区、03-5805-7050)の2022年3月期売上高は、17.8%増の3661億6000万円と過去最高を更新した。営業利益も92%増の522億1000万円と過去最高…

ジェイテクトファインテック 難加工材の精密せん断加工技術を確立

ジェイテクトのグループ会社であるジェイテクトファインテック(栃木県宇都宮市)は培ってきた高精度な金型加工技術を活かし、高炭素鋼(SUJ2材)やステンレス材(SUS材)など難加工材に対応する高精度な精密せん断加工技術を確立…

【特集】日本の金型業界に必要な4つの課題 -デジタル化-

PART2 打田製作所 社長・打田尚道氏に聞く「デジタル化」 トップの判断が必要不可欠 業務フローを簡素化し、  現場が楽になること目指す なぜ金型企業がデジタル化を進める必要があるか。ここでいうデジタル化を「人に依存し…

トピックス

関連サイト