問われる自己変革力 連携、デジタル化、事業承継、取引適正化 車の電動化、カーボンニュートラル、デジタルトランスフォーメーション(DX)、SDGs(持続可能な開発目標)—。金型業界を取り巻く環境の変化は加速度を増している。…
田部井製作所 CAE活用し、金型改修を削減【特集:尖った技術を使いこなせ】
要求精度と短納期に対応
自動車のインナー部品(ドアインナー、フロアなど全般)向けプレス金型などを手掛ける田部井製作所はシミュレーションソフトを活用し、パネル精度の向上と金型改修回数の削減に取り組んでいる。顧客からの高まる要求精度と短納期化に対応する。
2007年にオートフォームのプレス成形シミュレーションソフト「AutoForm」を導入。それまで使用していたソフトは条件設定が難しく、計算速度も遅かった。「誰でも使え、計算速度の速いものを検討し、『AutoForm』に決めた」(八幡正志常務)。

当時「AutoForm」の計算速度は使用していたソフトの約3~5倍。導入によって、より多くの試行が可能になった。現在、2ライセンスを導入し、フル活用する。金型設計前には必ず成形解析を行っており、一つの金型に対して試行回数は30~50回に及ぶという。あらゆる条件で試行し、金型設計に反映させ、最適化を図っている。
同社の金型は高張力鋼板(ハイテン材)向けが多く、特に近年はより難度の高い980МPa以上の超ハイテン材向けが増加している。ハイテン材はその強度からスプリングバックが大きく、いかに変位量を予測し、金型づくりに反映させるかが重要。そのため、成形解析が不可欠となる。同社は現在、解析上での見込みを2・0㎜以内にとどめ、金型の改修を3回以内に収めることを目標としている。

その一方で、顧客の要求精度は年々上がっているという。「20年前は±0・5㎜ほどだったが、今は通り差を考慮すると±0・3㎜。そこにプレス機の機差などが加わるため、ほぼ0を狙うイメージ」(八幡常務)。また、改修も熟練工の手作業によるものから機械加工へと変化しており、必ず成形解析を行ってから改修用の加工データを作成する。「今や『AutoForom』がないと金型づくりができなくなっている」(田部井亮社長)。
今後、さらなる解析精度の向上に向けて金型の強度やたわみなどの構造解析も必要になる。「成型解析だけでは、どうしても実物との誤差が生まれる。構造解析によって誤差をより小さくすることができる。金型製作のスピードを上げ、収益力の向上につなげたい」(八幡常務)。
会社概要
- 本社:栃木県足利市羽刈町921-1
- 電話:0284・73・5211
- 創業:1959年
- 代表者:田部井亮社長
- 従業員数:72人
- 事業内容:自動車用プレス金型・治具、各種産業用金型・治具の設計、製造
金型新聞 2025年2月10日
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