金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

08

新聞購読のお申込み

田部井製作所 CAE活用し、金型改修を削減【特集:尖った技術を使いこなせ】

要求精度と短納期に対応

自動車のインナー部品(ドアインナー、フロアなど全般)向けプレス金型などを手掛ける田部井製作所はシミュレーションソフトを活用し、パネル精度の向上と金型改修回数の削減に取り組んでいる。顧客からの高まる要求精度と短納期化に対応する。

2007年にオートフォームのプレス成形シミュレーションソフト「AutoForm」を導入。それまで使用していたソフトは条件設定が難しく、計算速度も遅かった。「誰でも使え、計算速度の速いものを検討し、『AutoForm』に決めた」(八幡正志常務)。

解析作業の様子

当時「AutoForm」の計算速度は使用していたソフトの約3~5倍。導入によって、より多くの試行が可能になった。現在、2ライセンスを導入し、フル活用する。金型設計前には必ず成形解析を行っており、一つの金型に対して試行回数は30~50回に及ぶという。あらゆる条件で試行し、金型設計に反映させ、最適化を図っている。

同社の金型は高張力鋼板(ハイテン材)向けが多く、特に近年はより難度の高い980МPa以上の超ハイテン材向けが増加している。ハイテン材はその強度からスプリングバックが大きく、いかに変位量を予測し、金型づくりに反映させるかが重要。そのため、成形解析が不可欠となる。同社は現在、解析上での見込みを2・0㎜以内にとどめ、金型の改修を3回以内に収めることを目標としている。

超ハイテン材対応の1500tメカプレス機

その一方で、顧客の要求精度は年々上がっているという。「20年前は±0・5㎜ほどだったが、今は通り差を考慮すると±0・3㎜。そこにプレス機の機差などが加わるため、ほぼ0を狙うイメージ」(八幡常務)。また、改修も熟練工の手作業によるものから機械加工へと変化しており、必ず成形解析を行ってから改修用の加工データを作成する。「今や『AutoForom』がないと金型づくりができなくなっている」(田部井亮社長)。

今後、さらなる解析精度の向上に向けて金型の強度やたわみなどの構造解析も必要になる。「成型解析だけでは、どうしても実物との誤差が生まれる。構造解析によって誤差をより小さくすることができる。金型製作のスピードを上げ、収益力の向上につなげたい」(八幡常務)。

会社概要

  • 本社:栃木県足利市羽刈町921-1
  • 電話:0284・73・5211
  • 創業:1959年
  • 代表者:田部井亮社長
  • 従業員数:72人
  • 事業内容:自動車用プレス金型・治具、各種産業用金型・治具の設計、製造

金型新聞 2025年2月10日

関連記事

【特集】日本の金型業界に必要な4つの課題 -デジタル化-

PART2 打田製作所 社長・打田尚道氏に聞く「デジタル化」 トップの判断が必要不可欠 業務フローを簡素化し、  現場が楽になること目指す なぜ金型企業がデジタル化を進める必要があるか。ここでいうデジタル化を「人に依存し…

米谷製作所 メガキャスト向け超大物金型に挑む【特集:自動車金型の未来】

企業連携で金型技術確立へ EVシフトによって、需要減少が見込まれる内燃機関(ICE)部品の金型。シリンダヘッドやシリンダブロックなどのダイカスト金型を手掛ける米谷製作所はその影響を受ける1社だ。米谷強社長は「今後、内燃機…

【特集:技能レス5大テーマ】3.研削加工

誰でも高精度な研削 金型づくりで欠かせない研削加工。仕上げに近い工程のため、熟練技能を必要とする領域は多い。しかし近年、長年培った経験やノウハウを持っていなくても高精度の研削加工ができる機械や装置などが登場している。人手…

IoT金型でサブスク型ビジネスモデルを構築 IBUKI【特集:利益を生むDX】

DXの本質は利益を生み出すことにある。以降では、DXによって「売上げを上げて利益を生み出す」方法と「コストを下げて利益を生み出す」企業のそれぞれの取り組みを取材した。 IoT×特許で価値創造 繁閑の波が激しい中で、いかに…

七宝金型工業 精密ジャッキ『EASYG(イージグ)』の第2弾を開発中

外段取りの効率性向上 ダイカスト金型を手掛ける七宝金型工業(愛知県津島市、0567・24・8787)は昨年発売した自社製品の精密ジャッキ『EASYG(イージグ)』の第2段を開発。従来品は工作機械のテーブル上でしか使用でき…

トピックス

関連サイト