金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

07

新聞購読のお申込み

精工技研 「型内塗装技術」を実用化、トヨタ「ハイエース」に採用

CO²排出量を60%削減

精工技研(千葉県松戸市、047-311-5111)は、東海理化(愛知県大口町)と共同開発した型内塗装技術がトヨタ自動車の「ハイエース」に採用されたと発表した。従来別々だった成形、塗装、乾燥の各工程を金型内で一貫して行うことができるのが特徴で、スプレー塗装に比べてCO²排出量を約60%削減する。今後、別部品での応用や、さまざまな産業分野に展開していく。

自動車用スイッチなどを手掛ける東海理化と2023年に共同で技術を開発。「ハイエース」のハンドル部分に取り付けるステアリングスイッチに採用された。東海理化の本社工場に専用成形機を設備し、量産する。

「ハイエース」ハンドル

異なる素材を一度に成形し一体化する「2色成形技術」を応用し、従来のスプレー塗装と同等の仕上がりを実現した。専用の縦型成形機を用いて、成形後に塗料を注入し、型内で塗装、乾燥を完了させる。塗装・乾燥工程を省略し、消費電力を削減する。

使用する塗料は樹脂に比べ流動性が高く、バリが発生しやすい。それを0・1㎜ほどの膜厚で流し込むため、金型には高い精度が要求される。精工技研の光学レンズ用金型などで培った精密加工技術によって製造を可能にした。

型内塗装とスプレー塗装

精工技研でも専用成形機を設備し、同技術を用いた量産が可能。今後、家電や雑貨などさまざまな産業分野で用途開発を進め、顧客開拓を本格化させていく。また、金型や成形機などを含めた生産システムとしての販売も検討しているという。精工技研事業運営部の柿沼憲宏部長は「技術開発を進め、形状や色など対応の幅をさらに広げていく」としている。

関連記事

丸順 組織変更・役員人事

組織変更 グループ全体の事業戦略、技術開発及び海外事業を統括する企画・開発本部を設置し、経営企画部及び事業開発部を位置付ける。 海外事業を事業戦略及び技術開発の観点から強化、管理するため海外事業本部を廃止し、その機能 を…

トヨタ自動車 部品メーカーへの金型費一括払いに

供給網の競争力向上へ トヨタ自動車は7月から、部品メーカーに分割で支払っていた金型費用を一括支払いに切り替えた。部品メーカーが金型の製作に必要な費用を先行して負担しなくてもいいようにする。部品のサプライチェーンの資金繰り…

三陽製作所 薄板に極小穴の離れ業 【金型の底力】

車の電動化はチャンス 「先代から金型があれば、どこでも生産できる。だからこそ、金型技術が最も重要な要素になる」と話す近藤章夫専務。同社は二輪・四輪向けプレス金型及びプレス加工で、主にエンジンやミッションなど内燃機関の部品…

さくさく 切削工具販売サイトをオープン

さくさく 切削工具販売サイトをオープン

低価格で、欲しい工具探しやすく小規模工場の需要に応える  独自ブランド「さくさく」の切削工具などを販売するウェブサイト「さくさく」がオープンした。低価格帯の汎用的な工具を豊富に取り揃え、通販初心者にも欲しい工具を探しやす…

谷ダイ・モールド 精度追求のために新工場 【特集 攻める設備投資】

機上計測で戻りない加工 自動車のエアコンの吹き出し口の「レジスター」や、ミリ波レーダーを透過できるエンブレムなどのプラスチック金型を手掛ける谷ダイ・モールド。2023年に機械加工専用の第2工場を稼働させた。狙いは「工場が…

トピックス

関連サイト