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リョービ、新田真部長インタビュー 解析駆使し開発期間短縮【特集:ダイカスト最前線】
金属3D積層で水管自在
リョービはダイカスト金型の開発で、ダイカストプロセス解析技術の向上や、金属3D積層埋め子(入れ子)の活用を進めている。金型の設計・製作期間を短縮し、またギガキャストなど次代の製品の金型を開発にも活かす。ダイカスト企画開発本部研究開発部の新田真部長に取り組みの狙いや背景、今後の目標について聞いた。

ダイカストはアルミ合金など金属の溶湯を金型に高速・高圧で注入し成形する工法。溶湯を金型に充填する時間は、0・1s以下と極めて短時間である。その短い時間内で溶湯を金型の隅々までに流動させ、製品機能に影響する充填不良や焼き付きやヒケなどの欠陥を起こさないようにしなければならない。そのための重要なファクターが金型の温度制御だ。
温度を制御するために最も活用しているのがダイカストプロセス解析。
解析では、使用する材料の諸特性、溶湯温度や充填圧力などの成形ファクターを設定し、実際の成形に近い状態を再現する。そして、そのプロセスにおける品質レベルを予測し、溶湯の充填・凝固の最適な方案や条件を導く。
解析で得られた結果は金型設計や成形条件にフィードバックする。その金型、条件でトライ成形し、目指す品質に到達するように金型と条件を改善する。改善にはこれまで長年に培ってきた技術やノウハウを生かす。そのサイクルを回して、求める品質の製品を成形できる金型と成形条件に仕上げていく。

プロセス解析でいま最も取り組んでいるのが解析の精度向上。トライと改善の回数を減らせば、金型開発のリードタイムを短くできる。それによりダイカスト製品の量産開始までの期間を短縮できればそれは大きな競争力になる。
そして温度の制御でもうひとつ10年前から取り組んでいるのが、金属3D積層造形でつくる埋め子。金属3D積層造形の技術を使えば、埋め子内部の冷却水管を自由自在にデザインできる。水管設計に制限がある機械加工による埋め子に比べて、的確に冷却や加熱ができるようになった。温度制御技術は格段に向上した。
今年国内ダイカストメーカーとして初めてギガキャストに参入した。プロセス解析や金属3D積層造形の埋め子はその金型や成形技術の開発にも多く取り入れている。ただ、型締力6500トンのマシンによる成形は、従来の技術の延長線上にあるものの、桁違いの技術を要する。解析も埋め子も何段階も高度なレベルに引き上げる必要がある。
当社のダイカスト製品の9割以上は自動車部品。自動車の電動化は予測より鈍化しているものの、大きな流れでは確実に進むと思われ、従来の内燃機関部品の需要は大きく減少する。そのため、ダイカストの適用領域拡大に努める必要がある。今後、さらにダイカストの需要領域を開拓するには新たな技術に挑戦し競争力を高め続けることが重要である。金型開発期間の短縮やギガキャストなどにとどまらず、常に先を見据えて挑戦し、未来を切り拓き続けたい。
金型しんぶん2025年9月10日号
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