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富士テクニカ宮津が金型の焼入れを自動化、レーザー焼入れにより品質安定、手戻りも削減
自動車用プレス金型メーカーの富士テクニカ宮津(静岡県駿東郡)はロボットを活用し、金型の焼入れの自動化を進めている。自動化システムは、親会社である東洋鋼鈑(東京都品川区)グループ会社の鋼鈑工業(山口県下松市)と協働で開発。2023年度に静岡県伊豆長岡工場で1号機が稼働。25年度には群馬県大泉工場で2号機が稼働した。

同社が開発した自動化は、6軸ロボットに半導体レーザーを持たせ、自動で金型の焼入れができる。人がガスバーナーの火炎による焼入れ作業をする必要がなくなり、作業負荷が大きく軽減した。「焼入れ作業は火炎の熱が顔に当たるなど、過酷な作業。中腰での作業も多く、作業者の負担が大きかった」(芳賀基樹 機械課課長)。
自動化は焼入れ作業の品質安定化にも寄与した。「人による火炎焼入れ作業は品質にばらつきがあった。ロボットでは、温度が一定になるように自動でレーザー出力を調整できるため、均一な焼入れが可能となり、品質が安定した。これらにより、硬度が均一となり、金型を磨きやすくなった」(芳賀課長)。
レーザー焼入れは硬化層深さが0.5mm程度。表層のみに熱が入るため、金型のひずみが小さい点が大きなメリットだ。「火炎による焼入れは金型がひずみ、精度が狂う。そのため、大型のブランクホルダーの金型は、焼入れ後のひずみ取り加工や焼き直しなどが必要となり、多くの時間を費やしていた。レーザー焼入れでは、このような作業が不要となるため、手戻りがなくなり作業効率は30%向上した」(芳賀課長)。
また、人に代わりロボットによる焼入れ作業へと置き換わることで、職人の技の伝承が容易になった。「焼入れは視覚による焼入れ度合いの判断や送り速度など、感覚が重要であり、現場で多くの経験を積む必要がある。しかし、肉体的に過酷な作業であり、金型職人の減少、高齢化も進んでいるため将来的に技能伝承が難しくなると感じていた」(芳賀課長)。
自動化を進める上でポイントとなったのがレーザー加熱による金型温度の制御だ。当初はレーザーの照射点の温度を計測し、レーザー出力をフィードバック制御していたが、レーザー照射点以外の箇所が熱で溶けてしまう問題があった。「レーザー照射による金型温度を点でなく、ある大きさの面で測定、温度制御することで金型の溶け(過剰加熱)問題を克服できた」(久保田信 技術開発部課長)。
今後について久保田課長は「今回開発した知見を活かし、レーザーやロボットの適用範囲を広げていく予定だ」と話した。
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