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カミナシ DXで設備保全を見える化・効率化

工数半減・停止時間を縮小

スタートアップのカミナシ(東京都千代田区、03・6206・0374)は、設備保全業務を一元管理できるクラウド型DXサービス「カミナシ設備保全」の提案を強化している。同サービスは設備の異常発生や修理内容、点検結果などをスマートフォンやパソコンから即時に記録・共有できる。デジタル化とデー夕活用により、故障対応の迅速化や予防保全の精度向上が可能だ。

製造業における設備保全は、生産を止めないための重要な業務。しかし、依然として紙やエクセルで管理している現場も多く、記録漏れや情報の分散が課題となっている。加えて、若手人材の不足や設備の老朽化が重なることから、保全リソースの確保は大きな課題で、設備のダウンタイム短縮に向けた取り組みが求められる。

「カミナシ設備保全」の特長は、現場での即時記録から集計・分析までを一つのクラウドアプリで完結できる点。設備ごとの基本情報や修繕履歴、部品情報などを集約した「設備カルテ」を中心に運用する。

保全活動中に異常を発見した場合は、スマホからクラウドにアクセスし、設備カルテに状況を入力する。システム内で発行される専用のQRコードを設備に貼付し、読み取るだけで該当設備のカルテが即座に表示される。ユーザーは「エア漏れ」や「ねじの緩み」といった異常内容を入力し、撮影した写真や動画も添付可能だ。

保全活動中に端末から手軽に設備状況を確認できる

クラウド上では、機械ごとの保全対応状況(未着手・進行中・完了)がリアルタイムで共有される。さらに、ダッシュボード機能により、故障傾向や対応履歴、ダウンタイムが可視化され、稼働状況の分析や故障予測にも活用できる。

実際に同サービスを導入している企業からは、「保全活動の報告・集計作業が自動化され工数が半減した」、「記録の正確性が向上し、説明資料の作成が容易になった」、「部門間の情報共有がスムーズになり、停止時間も短縮した」という点で評価されていると右田涼プロダクトマネージャーは説明する。

また、同社はシステム導入後のサポートにも力を入れる。DX化の目的や目標設定を明確にし、達成に向けた段階的な計画を提案しながら、データの一括登録や現場訪問によるアドバイスを行い、高齢作業員やデジタルネイティブではない従業員への教育支援も行うことで運用の定着を後押しする。

利用体系は月額制のサブスクリプション方式を採用。

今回の設備保全システムに加え、「電子帳票」「動画マニュアル・研修」「従業員管理」も展開し、これら4つのサービスで製造現場のデジタル化を包括的に加速させる。

現在、同システムは食品系など量産ラインを備える企業で導入が進んでいるが、人員不足の中でも効率的な保全活動が可能になることから、変種変量・多品種小ロットの製造現場でも有効とみる。

「現場とそれを管理する経営層の情報格差を無くし、全員参加型の戦略的保全を実現することで工場全体の稼働率向上に貢献したい」(右田プロダクトマネージャー)として、今後もサービスの拡充を推し進める考えだ。

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