新しい技術を活用して製造プロセスを効率化する、金型づくりのスマート化が広まっている。IoT(モノのインターネット)技術で機械の稼働状況を監視・分析したり、様々なサービスを提供したり、無人搬送車(AGV・AIV)でワーク…
SEAVAC 金型向け被膜2種開発
膜厚2倍で寿命2倍も
SEAVAC(兵庫県尼崎市、06・6488・1501)は金型向けのPVDコーティング「ZERO-Ⅰ(ゼロワン)」に、膜厚を2倍にした「ゼロワンW(ダブル)」と、潤滑性を高めた「ゼロワンPLUS(プラス)」の2膜種を追加した。特徴の異なる製品を追加することで、ダイカストや絞り用プレス金型などの新分野の開拓につなげる。
開発したゼロワンダブルは従来4~6μmだった膜厚を8~10μmと2倍の厚さにした。硬さは3600HV(ビッカーズ)を確保し、金型の長寿命化に貢献する。試験導入したプレス部品メーカーでは「寿命が2倍になった」(岡本貴博事業統括本部本部長)という。従来の冷間プレスや冷間鍛造向けに加え、ホットスタンプ用やダイカスト金型など過酷な環境下で使われる金型に提案する。
もう一つのゼロワンプラスはゼロワンの特長である硬さと耐熱性を少し下げることで、潤滑性と離型性を追求した。 ドライ環境での摩擦係数μはこれまでの0・6から0・4に下げることに成功。高い潤滑性が求められるステンレス部品の絞り金型や、離型性が求められるダイカスト金型向けに販売する。

ゼロワンは超ハイテン向けのプレス金型や冷間鍛造向けに強いPVD皮膜。自動車メーカーや部品メーカーなどで多くの採用実績を持つ。
岡本本部長は「自動車部品の変化で、顧客の被膜に対するニーズが多様化している。硬さや潤滑性、寿命など顧客が求める用途に応じて最適な被膜を提案し、ゼロワン全体で2割程度の売上増につなげたい」としている。
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