前年同月比4.9%増の287億8、600万円 プレス型は9・8%増、プラ型は1・5%増 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による平成26年6月の金型生産実績をまとめた。それによると…
日本金型工業会元会長 上田勝弘氏が死去
豪快にして緻密、改革進める実行の人
日本金型工業会の元会長の上田勝弘氏(大垣精工創業者、取締役会長)が3月20日、心筋梗塞のため死去した。87歳。3月23日に通夜、24日に告別式を執り行った。
上田氏は1961年に立命館大学法学部を卒業後、地元岐阜県大垣市の金属加工メーカーに就職。68年に大垣精工を創業した。84年にはセイコーハイテックを設立し、プレス量産部品に参入。その後、精密プレス金型、部品メーカーとして同社を拡大させた。

日本金型工業会では2002年に会長に就任し、組織改革をけん引。岐阜大学の金型学科設立に尽力するなど、教育にも注力した。13年にはこうした業績が認められ、旭日中綬章を受章した。
豪快にして緻密—。この相反する要素を持つ人だったと思う。会合での「上田節」のあいさつはアドリブでいつも爆笑。それだけを聞きに来る人も多かった。日本金型工業会の改革、自ら創業した大垣精工の運営を見ても、豪快な印象は強い。
しかし、非常に緻密な側面も強い。取材時に修行時代のノートを見せて頂いたことがある。びっしりときれいな字と手書きの正確なイラストで記されたノートは今でも通用する「虎の巻」ではないかと思う。乱読家で、勉強家でもあった。
経営戦略も緻密に描いていた。創業時から「金型をコア技術とし、プレス量産品で稼ぐ」という明確なビジョンを持っていた。「『量産して欲しい』と言う声は少なくなかった」が、「時期尚早」と見極め、拙速に量産に参入しなかった。84年の量産参入まで、金型技術を磨き続けることに注力し、強みに変えた。
こうした技術や緻密な戦略をベースに企業は順調に成長。精密プレス金型、部品メーカーの「雄」として、現在は250人近い規模に育て上げた。
技術や経営力の高さは社内だけでなく、外部にも影響を与えた。日本金型工業会で技術委員長を務める久野功雄氏(久野金属工業)は大垣精工で修業した経験を振り返り「金型づくりの本質と、企業の仕組みづくりの重要性を学んだ」という。
2002年には日本金型工業会会長に就任し、組織改革に着手。それまで支部ごとで予算や企画を実行していたが、予算を一本化し、組織改革と財務を健全化させた。「上田元会長でなければできなかった」(同工業会の中里栄専務理事)。
会長としての存在感や経済産業省など外部からの評価も高く、小泉内閣時代は国会に招かれたこともある。教育にも注力し、岐阜大学の金型学科設立にも奔走した。今年一月の取適法への改正では「下請け」と言う表現がなくなったが、その主張は20年以上前に上田元会長がしていたもの。今の金型業界を見通していた先見の明に驚く。
企業経営でも、日本金型工業会の会長時代でも、豪快にして緻密な改革に人がついてきたのは「無私の人」だったからだろう。金型業界は難しい時代を迎えている。今の時代なら、どんな「絵」を描いただろう。今こそ経営者としての上田勝弘氏を見てみたい。合掌。
金型しんぶん2026年4月10日号
関連記事
ジェイテクトのグループ会社であるジェイテクトファインテック(栃木県宇都宮市)は培ってきた高精度な金型加工技術を活かし、高炭素鋼(SUJ2材)やステンレス材(SUS材)など難加工材に対応する高精度な精密せん断加工技術を確立…
KFカーバイドジャパン(大阪府河内長野市、0721・26・7630)は、受注した超硬の丸棒を希望の長さに無料で切断するサービスを始めた。金型や切削工具メーカーといった購入者が社内や協力会社に依頼して切断しなくてもいいよ…
金型メーカーやプレス部品メーカーがデジタル技術や暗黙知の定量化による技能伝承にチャレンジしている。MR(複合現実)によるマニュアルで新人が経験者並みの作業をできたり、トライ結果を蓄積し改善方法を導きやすくしたり。熟練技能…
清水氏(福井精機工業)が会長に 日本金型工業会西部支部の青年会である型青会は4月6日、大阪科学技術センター(大阪市西区)で、来期に向けた取り組みを話し合う意見交換会を開き、同会メンバー7人が出席し、2018年4月に大阪…


