昨今、顧客の課題解決につながるソリューションやサービスなどを提供する金型メーカーが増えている。なぜ、従来の金型づくりだけでなく、自社が保有する技術を生かしたソリューションや、AI・IoTを活用したサービスなどを提供するの…
共和工業 須藤信成社長 金型コアに顧客の課題解決
エンジ企業目指す

1995年長岡工業高等専門学校機械工学科卒、共和工業入社。入社以降は機械加工、CAM、設計に従事。中国での総経理や工場管理も経験。2026年4月社長に就任。新潟県出身、52歳。
社長就任前に、中国の総経理などを経験したが、1995年の入社以来、機械加工、CAM、設計と基本技術畑を歩んできた。その過去の経験から重視するのは、常に「本質は何か」と問うことだ。
そう思ったきっかけが、「リードタイム短縮」プロジェクトのリーダーとして従事した時のこと。「2人で2日かかる作業=4工数あるとする。『4人がかりで、1日で終わらせるのがリードタイム短縮』、『2人で、1日で終わらせる=2工数にする。これが工数削減』」。
当時は「この違いが理解できず、早く作れても4人を投入する意味があるのか」と思っていたそうで、プロジェクトはうまく行かなかった。
しかし「複数の金型を同時に手掛ける当社では、他の業務を差し置いてもでも4人で手掛けたほうがいいケースがある。本質的な価値は顧客に早く金型を届けることだった」と本質を考えるきっかけの一つになったという。
そんな須藤社長が目指すべき共和工業の本質的な姿は「モールドソリューション企業」だ。その意味するところは、金型を中心に顧客の課題を解決できるエンジニアリングサービス企業だ。
「当社の強みはバンパーなどの大型樹脂金型の分野で、川上(素材)から川中(金型)川下(量産成型)まで関与できること」とみる。「顧客も人材不足に悩む中、『その部品にはどんな金型が最適か』など製品開発段階から参画し、顧客の設計支援、立ち上げをトータルで担える企業を目指す」。
そのために「技術営業が重要」という。「顧客が求めているのは金型そのものではなく、製品を確実に量産化すること。その実現のため、営業と技術が一緒になって顧客の開発段階から関与していきたい」と話す。
同時に技術の伝承を進める。「金型の多くの工程は属人化しており、いかに技能伝承できるかが重要になる」。そのために、若手の設計図を見ながら、ベテランらが指導を行う「レビュー」などを通じ、伝承を進めている。また、三井化学グループの強みを生かし、「親会社が持つ顧客基盤を活用させてもらい、上流の顧客とつながっていきたい」考えだ。
今後の金型業界について「自動車業界が主要な金型ユーザーであり続ける」とみる。「今は自動車向けが6割以上あるがポートフォリオの観点から、新分野の探索を続ける」。
そこでも中心にあるのは「金型」だ。「新分野の探索に加え、金型そのものの提供だけでなく、設計支援や解析、量産立上げ支援などのエンジニアリングサービスを事業として確立していきたい」。
金型しんぶん2026年8月10日号
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